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2019/03/16 (Sat.)

GAPPURI ZEISS

あのフォトヨドバシから新しいムックが発売されました。それも全編ツァイス本!ツァイス信者としてはこれは買わざるを得ない。というわけで発売日と同時に購入しました。

フォトヨドバシ オリジナルムック『がっぷりツァイス』できました。 | フォトヨドバシ

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ヨドバシ・ドット・コムなら紙版と電子書籍版のセットが一冊の値段で手に入ってしまいます。写真の良さからいって紙版で持っておきたい一冊ですが、電子書籍でいつでもツァイスレンズに憧れられる手軽さも捨てがたい(ぉ。

フォトヨドバシのムックとしては過去に発売されたキヤノン EF マウントレンズ本ソニー E マウントレンズ本も持っているわけですが、これらが Web のフォトヨドバシに掲載されたレビューの総集編かつ現行レンズの販促的な位置づけとして玄光社から発売されたものであったのに対して、この『がっぷりツァイス』はヨドバシの自社出版、かつ全編撮り下ろしという気合いの入りまくったものになっています。だいたい表紙からしてキャッチコピー一切なし、ハッセルブラッドに装着された Biogon 38mm F4.5 のブツ撮り一発という潔さ。何かこう訴えかけてくるものがあります。

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冒頭はツァイスレンズの、いや写真用レンズの王と言える Planar の特集から。Y/C マウントを中心に王道の Planar による写真がドドンとプリントされています。50mm と 85mm 二本の F1.4 レンズはもちろんのこと、玄人好みの 50mm F1.7 や実物を目にすることさえ稀な 55mm/85mm F1.2 に至るまで。

Y/C マウントは中古なら今でも比較的入手性の良いツァイスレンズですが、50mm/85mm F1.4 であればその流れを汲むレンズを「Classic シリーズ」として今でもコシナから新品で購入することができます。コシナ製ツァイスレンズも今や大半が Otus/Milvus シリーズに世代交代してしまって、オリジナルを踏襲した Classic シリーズはもう定番 50mm/85mm の二本だけになってしまったのはちょっと淋しい。まあミラーレスカメラで使うのであれば ZM シリーズという選択肢もありますが。

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続いては中判スクエアフォーマット特集としてハッセルブラッドとローライフレックス用ツァイス。

Instagram のおかげですっかりお馴染みとなったスクエアフォーマットですが、紙媒体かつこのサイズで鑑賞すると全く違った印象を受けます。デジタルフィルタで加工された画像とは異なる、深みのある世界。私もハッセルや二眼レフのような「下向きに覗き込んで撮るスタイル」にちょっと憧れるところもあり、ついこれらのカメラの中古相場をチェックしてしまいました。

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写真を中心としたレンズ紹介ばかりかと思ったら、冊子の中ほどに「カール・ツァイス」という会社(財団)の歴史についての特集も組まれていました。

ツァイスという組織は写真用レンズに限らず光学技術を軸とした複合企業体ですが、ここでは主に写真軸でみたときのツァイスの歴史がまとめられています。当然東西ドイツ分割に伴う「ツァイス・オプトン(西側)」と「ツァイス・イエナ(東側)」への会社分割の歴史にも触れられており、ツァイスに興味がある写真人ならば必読。あの分厚い『ツァイス 激動 100 年』を読まなくてもツァイスについてだいたい理解できます(笑。

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そんなツァイスの歴史からの、東側ツァイス・イエナのレンズ特集。主要な研究者・技術者を西側に奪われて以降も、東独ツァイスはそれまでの技術や設備を駆使し、また社会主義体制下における人件費の安さと M42 スクリューマウントの汎用性の高さも相まって「ツァイス・イエナ」のレンズは世界で幅広く販売されます。その結果西独のツァイス・オプトン社との訴訟問題にまで発展したというほど。私もイエナのレンズは 135mm 一本だけ持っていますが、東独の厳しい歴史を写真にも写し込むかのような、西側のレンズとは何かが違う描写が気に入って、時々むしょうに持ち出したくなります。

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そしてミラーレス時代にツァイスレンズを語る上で欠かしてはならないのが CONTAX G レンズ群でしょう。現代のボディに装着しても唸るような描写を見せるレンズが揃っていますが、本書では Planar 45mm F2 が「CONTAX 用 Planar 55mm F1.2 に迫る」として最上級の評価を得ています。確かに私も CONTAX G レンズ群の中でも 45mm は最もよく使うレンズ。それでいて中古市場でも CONTAX G レンズ群の中では最も安価に流通しているだけに、ミラーレスでオールドレンズ遊びをするならまず最初に手に入れるべき一本と言っても過言ではありません。

というように、本書はほとんどが「新品ではもう手に入れることができないレンズ」の紹介で構成されています。現行レンズは最後にちょっとだけ Otus について触れられている程度。そういう意味で、本来は自社で販売している商品の販促を目的とするフォトヨドバシのコンテンツとは一線を画しています。彼らが何のためにこれを刊行したのか?少なくともこれによって書籍の売上以外にヨドバシカメラの販売に繋がりそうな要素はほぼないため、考えられるのはフォトヨドバシ自体のブランディングと写真文化への寄与、あとは担当者の趣味(笑)くらいしか思い当たりません。それでも読んでみたいと思わせるだけのものをフォトヨドバシというコンテンツは持っています。

先日ライカレンズ本を買ったところなのに、ツァイスについてもこんな危険な本を買ってしまうとは。最近もっぱら AF レンズしか触っていないけど、久しぶりに中古カメラ屋に顔を出したくなりました。

投稿者 B : 21:28 | Book | Camera Mook | コメント (0) | トラックバック

2019/03/05 (Tue.)

ライカ ML レンズ・ベストセレクション

澤村徹 / ライカ ML レンズ・ベストセレクション

ライカMLレンズ・ベストセレクション

いつもの澤村徹さんのオールドレンズ新著が発売されました。CP+ 会場で先行発売されていたので、私は現地で一足先に確保。

同氏はかなり幅広くオールドレンズを扱っていますが、本書はその中でもライカ ML レンズに特化した一冊です。私はツァイス信者につきライカレンズにはまだ手を出したことがないんですが、L マウントアライアンスでライカへの注目が高まっていたり、友人の一人が最近ライカ Q-P を購入したりとライカ関連の話題を目にすることが増えたので、一本くらい持っていてもいいかなあ...という危険な思想に染まりつつあります(ぉ。

なお「ライカ L マウント」は従来であればオールドライカ用の L39 マウントを指す言葉でしたが、L マウントアライアンスの結成に伴い従来は SL マウントと呼ばれていたものが正式に L マウントの呼称に変更されました。そのため、紛らわしいですが本書で紹介されているレンズはそのままでは L マウントのミラーレス機には装着できません(笑。本書で紹介されているのはあくまで L39 スクリューマウントとバヨネット式のライカ M マウントのみで、それらを総称して「ML レンズ」と呼んでいます。まあ確実にマウントアダプタは出るでしょうから、オールドライカレンズを最新の L マウントボディで使うこともできるようになるはずです。

本書に収録されている ML レンズは全部で 64 本。でも意外なことにライカ本家の ML レンズはそのうち約 1/3 にあたる 21 本しか収録されていません。それ以外はロシアレンズ、かつての国産 L39 マウントレンズ、コシナが誇るフォクトレンダー VM・ツァイス ZM レンズ、LOMOGRAPHY...と実に豊富なレンズが揃っています。M42 スクリューマウントに次ぐ懐の深さをもつライカ M/L39 マウントだけに、高価なライカレンズに手が出せなくても魅力的な選択肢がたくさんあるということです。

オールドライカについては柔らかな描写や周辺光量落ち...という用語だけでは形容しきれない独特の描写をもっていることが本書に収録されている作品から改めて感じ取れます。このイメージに憧れてライカに興味を持った人も少なくないはず。しかし一方で現代のライカレンズは当時とは比較にならないほど解像度が向上しながらも、やっぱり「ライカらしい」と言える独特の空気感を今でも継承しています。

国産ノンライカレンズに目を向けると、現代でも銘玉として高値で取引されているリコー GR Lens 21mm を筆頭に、「比較的安価に買える F1.2 レンズ」であるキヤノン 50mm F1.2、Nikkor-H 5cm F2、Super Rokkor 45mm F2.8、FUJINON 3.5cm F2 という今では別々のマウントで戦っているメーカーのレンズが同一マウントで取っ替え引っ替えできるというロマンがあります。
個人的には、本書には掲載されていませんが M-ROKKOR 28mm F2.8 に以前から憧れているんですが(M-ROKKOR をミノルタの子孫である α7 シリーズで、かつ本来の画角で使えるロマン!)、このレンズは硝材の関係か現代では曇り玉が多く、状態のいいものを入手できる可能性はかなり低い。そういうレンズが少なくないのも時代柄の国産ノンライカレンズの特徴だったりします。

また ML マウントの中でも特に深い沼がロシアレンズ。情報が少ないこともあってギャンブル要素は高いけど、歴史的にライカやツァイスの設計をコピーしてきた国のレンズだけに、安くて描写のいいレンズを入手できる可能性が低くない。自分ではまだ手を出したことのない領域だけど、ずっと気になっているジャンルの一つです。

そして今や ML レンズの本命と言えるのがフォクトレンダー VM・ツァイス ZM レンズ。特にフォクトレンダーは新品で、しかも比較的安く購入できる M マウントレンズだけに、ML レンズの入門に最適なのではないでしょうか。私も VM レンズは二本持っていますが、本物のオールドレンズほどの気難しさはなく、扱いやすいレンズだと思います。いや、これらのレンズのオリジナルが設計された時代は扱いにくかったのかもしれませんが、ミラーレスカメラで拡大フォーカスができるようになって急激に扱いやすくなったのか。

ライカレンズといえば中古でどんなに安くても 10 万円からというイメージが強いですが、互換レンズまで含めると本当に選択肢が広く、底なし沼への一歩を簡単に踏み出すことができてしまいます(ぉ。しかもつい最近までは事実上 α 一択だったのが、今やボディも選び放題、なんなら来年には Foveon で撮ることだってできるようになる時代。マウントアダプタひとつで無限の可能性が広がります。私もライカ Q に対抗して、オールド Elmarit 28mm の中古品でもひとつ狙ってみようかなあ...。

投稿者 B : 21:08 | Book | Camera Mook | コメント (0) | トラックバック

2018/10/02 (Tue.)

オールドレンズ・ライフ 2018-2019

澤村徹 / オールドレンズ・ライフ 2018-2019

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毎年この時期の風物詩となった澤村徹さんの『オールドレンズ・ライフ』最新刊が発売されたので、購入しました。

オールドレンズ・ライフ2018-2019 本日発売です!: metalmickey's blog

澤村さんのオールドレンズ本としては春先に総集編的な位置づけの『オールドレンズ・ベストセレクション』が出たところでもあり、今回はなんかスパンが短い感覚。しかし今回のは完全新作で、ここ一年のオールドレンズ界隈の動向を反映した最新刊。まあ、直前にニコン・キヤノンの参入に加えて L マウントアライアンスの発表と、この秋以降フルサイズミラーレスの選択肢が一気に増えた状況はさすがに反映されていませんが、そのあたりは本体と対応マウントアダプタが発売され、ある程度の検証が進んだ来年度版に楽しみを取っておくことにしましょう。それにしても十年前はデジタルカメラでのオールドレンズ遊びと言えば EOS(フルサイズは初代 5D くらいしかなかった)にマウントアダプタをつけて Y/C か M42 のレンズを楽しむのが関の山だったのが、今やほとんどのメーカーの最新ボディでフィルム時代のあらゆるレンズが使える時代が来ようとは、驚くべきことです。

第一特集は「キャラ立ちする中望遠オールドレンズ」。近年オールドレンズでのポートレート撮影が一部でブームになっているとのことで、それをふまえた特集です。最新のレンズはとにかく解像度重視でポートレート撮影には絞り開放からディテールまで写りすぎるとかボケが固い/うるさいといったデメリットも抱えがちで、あえてオールドレンズで撮った方が雰囲気が出ることも逆にあります。Y/C Planar 85/1.4 や New FD 85/1.2L のような超定番レンズから、ぐるぐるボケの出る Helios-40-2 85/1.5 のようなクセ玉まで。私も人物を撮るときにシグマ 85Art ではなくあえて Planar を使うことがあるので、とても腹落ちする特集です。ポートレートでぐるぐるボケはどうかと思うけど(笑。

第二特集は「復刻オールドレンズで撮ろう」。近年では主に趣味用として MF レンズ新製品のリリースも増えていますが、中でもかつての名レンズをメーカー自ら、あるいは元関係者が復刻するパターンも増えています。旧刊でも紹介されたことのある Kistar 55/1.2 なんかはその代表作だと思いますが、それ以外にもリリースされている復刻レンズに関して新旧の比較つきで紹介されている、かなり気合いの入った特集。

また私が個人的に興味を持っていたトピックについて二点掲載されていたのも嬉しい。一つは平凸レンズを使った G Biogon の周辺像流れ補正の件で、澤村さん自身の blog にも書かれている話ではありますが、正式に『オールドレンズ・ライフ』に収録される形となりました。これは α7 シリーズで G Biogon を使っている人は全員やるべきというくらい効果のある DIY テクで私も強烈にオススメ。
もうひとつは α7 III・II での広角系オールドレンズ色かぶり比較検証。私も α7 III への買い換えを機に G Biogon 28mm・21mm と SUPER WIDE-HELIAR 15mm Asph. II で試してみましたが、他の広角系オールドレンズだとどうなるのかは気になっていたところでした。ここではなんと 10 本ものレンズを使って α7 III・II の比較が行われており、自分が持っている/気になっている広角オールドレンズが α7 III でどうなるのか知ることができる貴重な特集です。
ちなみに広角系オールドレンズの相性という点では、同じ裏面照射型 CMOS を搭載するニコン Z 7・6 は α7 III と似たような傾向を示すでしょうが、表面照射型 CMOS と思われる EOS R や RGB 積層型センサを採用するシグマの L マウント機ではこの色かぶり問題に直面する可能性があります。そういう意味では、フルサイズミラーレス機の選択肢が大きく広がる今後においても、オールドレンズのベースボディとしては α7 III に引き続きアドバンテージがあると言えそうです。

また今までとはちょっと趣の違う特集「オールドレンズマニアかく語りき」はなかなか面白かった。写真メインではなく、オールドレンズマニアとしての澤村さんが撮影や機材選びに関して持っている哲学がちょっとポエティックな文体で読み物として綴られています。オールドレンズ遊びって実用ではなく情緒だと思うので、性能がどうとかじゃなく「誰がどう感じ、考えてこのレンズを使っているか」が重要だし、「レンズありきで被写体を選ぶ」ような本末転倒も楽しみの範疇。自分以外の人がどういう観点でレンズを選び、何を考えながら写真を撮っているのか...そういうのが垣間見れるのが面白い。こういうコーナー、もっとあってもいいんじゃないですかね。

「現行レンズより安いから」でも「ミラーレスのレンズの選択肢が少ないから」でもなく完全に趣味の領域を深めに来ているのが今のオールドレンズ界隈。一方で、一部インスタ女子の間でデジタルフィルタ的な位置づけとしてスーパータクマーが流行っているという噂も聞きます。以前はオールドレンズ初心者の道標的な役割も担っていた『オールドレンズ・ライフ』シリーズですが、ここにきて細分化するオールドレンズ沼の水先案内人になってきたなあ、と感じる一冊でした。私も最近はあまりレンズを買わなくなりましたが、買うつもりがなくても読んでいるだけでワクワクする、そんなムックだと思います。

投稿者 B : 22:18 | Book | Camera Mook | コメント (0) | トラックバック

2018/05/24 (Thu.)

ソニー E マウントレンズ 完全レビューブック

フォトヨド本のソニー E マウント版が発売されていたので、買ってみました。

ソニー E マウントレンズ 完全レビューブック

ソニー E マウントレンズ 完全レビューブック

二年前のキヤノン/ニコン版のときに比べると話題になっていない(?)ようで、私は発売されてから知りました。
純正・サードパーティ併せて 90 本のレンズが掲載されています。キヤノン版は 157 本掲載されていたのに比べると少ないですが、マウントの歴史からすればかなり健闘していると言って良いでしょう。しかもこのムックにはマウントアダプタの話は一切入っていませんからね。E マウントならキヤノン/ニコン版に掲載されているほぼ全てのレンズがアダプタ経由で使えてしまうわけで。

ソニー E マウントレンズ 完全レビューブック

フォトヨド本なので例によって印象的な作例にポエティックな解説が添えられています。
ネガティブ評価が基本なし、どれでもとりあえずオススメする内容なのはさすが販売店の販促コンテンツといったところ(褒めてます)。あくまで「プロ写真家ではない人が撮った作例」という身近さがありながらこちらの物欲を鷲掴みにしてきます。自分も G MASTER レンズを買ったらこんな写真が撮れるんじゃないか、そんな錯覚に陥ってとりあえずカートに入れてしまいそうになりますが、紙媒体だからその場でポチれない安心感があります(ぉ。

ソニー E マウントレンズ 完全レビューブック

いや待てよ相手はフォトヨドバシだ、奴らは初代 NEX-5 のキットレンズでこんな写真撮る奴らだぜ...。この写真を見ると否応なしに我に返ります(;´Д`)ヾ。

長年の E マウントユーザーとしては既に所有しているレンズも少なくないわけで、同じレンズを使って何故こうも写真の出来が違うのか、自分も手持ちの機材でもっと撮りようがあるんじゃないか。じっと手を見る。

ソニー E マウントレンズ 完全レビューブック

E マウントはアダプタ経由で使えるレンズの選択肢は死ぬほど多いですが、E マウントネイティブのレンズはまだ純正とツァイス(Batis、Loxia)が中心で最近 SAMYANG が精力的にリリースしてきている、という感じ。でもシグマが Art ラインの短焦点レンズを E マウントネイティブ化し始めたところですし、タムロンやトキナーも注力し始めました。今でこそこのムックに掲載されているのは 90 本にすぎませんが、半年後・一年後にはまた全然違う状況になっているのではないでしょうか。

それはそれとして、Batis はやっぱり欲しいなあ...。

ソニー E マウントレンズ 完全レビューブック

そういえばキヤノン版にはフォトヨドバシ制作裏話的なコラムが書き下ろされていましたが、今回のソニー版にはありませんでした。代わりにソニーのレンズ開発者インタビューにけっこうページを割いていて、これはこれで面白かったのですが、販促色が強くなってしまってどうも。個人的にはむしろ Web には書かなかったフォトヨド担当者の想い的なものが読みたかったです。

私のカメラ機材欲は一段落したつもりでいたのに、こういう熱量の高いムックで機材情報をまとめ読みするとまた欲しくなってきてしまいますね(;´Д`)ヾ。とりあえず写真撮りに出かけて気を紛らわすか...。

ソニー E マウントレンズ 完全レビューブック

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2018/02/19 (Mon.)

オールドレンズ・ベストセレクション

澤村徹 / オールドレンズ・ベストセレクション

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こないだ『オールドレンズ・ライフ』の最新刊を出したばかりの澤村徹さんがまた新しいオールドレンズ本を発売されました。
その名も『オールドレンズ・ベストセレクション』ということで、これまでの『オールドレンズ・ライフ』に作例を追加しつつ内容をアップデートして一冊にまとめた、ある意味オールドレンズガイドブックとしての完全保存版的な位置づけになっています。

私も澤村徹さんの blog や最初のオールドレンズ本『オールドレンズ パラダイス』に出会い、沼に片足を取られてからそろそろ 10 年が経とうとしています。思い起こせば、当初はオールドレンズに最適なデジタルボディは EOS であり、M42 マウントや Y/C マウントを中心に限られたレンズを使うものだったのが、ミラーレスカメラの登場によってそれまで日の目を見なかったレンジファインダー用レンズが脚光を浴び、AF 対応や縮小光学系搭載などの変態マウントアダプタ(誉め言葉)が発売され、フルサイズミラーレスの登場に至って世の中にあるほとんどの交換レンズをデジタルで使えるまで、オールドレンズを取り巻く環境は変化しました。当時の自分に「10 年後には CONTAX G レンズをフルサイズボディで AF で使っている」と言っても、にわかには信じないのではないでしょうか(笑。

そんなわけで、7 年前に発売された『オールドレンズ・ライフ Vol.1』からの時間の経過を考えれば、同じレンズの紹介でもまた見え方が違ってくるわけです。当時は制限事項だったことが状況の変化によって今では制限ではなくなっているものもあるし、平凸レンズを使った補正フィルタのようなものだって出てきました。そういうアップデートをふまえて過去に紹介されたレンズをもう一度見直せるという点でも、本書は非常に貴重な資料と言えます。
また、『オールドレンズ・ライフ』では各号のテーマごとに味付けされて紹介されていたレンズもフラットに並べ直して紹介されており、流行りのテーマに惑わされずに自分に合った一本が見つけられる作りになっているのも重要。カテゴリとしては「一眼レフ用レンズ」「レンジファインダー用レンズ」「シネレンズ」「改造レンズ」に分類され、総ページ数はなんと 368 ページ(!)。ページをめくってもめくっても終わる気配がありません(笑。全部読むのも大変だけど、これ作るの相当大変だったろうなあ...。

紙のムックだとかなり分厚く重くなりそうな一冊ですが、今回は発売日から電子版(少なくとも Kindle 版)が発売されているのがありがたいところ。ただこれ作例のサイズを考えるとスマホや 8inch タブレットではなく最低でも 10inch 級のタブレットで読みたいですね。
私もまださわり程度しか読めていませんが、時間をかけてじっくり読み込みたいと思います。ああ、またレンズが欲しくなってしまう。

投稿者 B : 23:12 | Book | Camera Mook | コメント (0) | トラックバック

2017/09/29 (Fri.)

オールドレンズ・ライフ 2017-2018

澤村徹 / オールドレンズ・ライフ 2017-2018

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毎年秋恒例、澤村徹さんの「オールドレンズ・ライフ」最新刊が発売されました。
今回のキャッチコピーは「本物のレンズ沼へようこそ」。ここまでストレートかつ挑戦的なコピーを使ってきたのはシリーズ初ではないでしょうか。

「沼」解禁: metalmickey's blog
がんばって特色使ってます!【オールドレンズ・ライフ2017-2018】: metalmickey's blog

私もさっそく購入しました。年イチとはいえけっこう嵩張るムック本を毎年物理で買い続けるのも本棚を圧迫するし、今年から電子版にしようかなあ...と思っていたところに「表紙のタイトルに特色使っちゃった(てへぺろ)」とか言われたらみんな紙版を購入するしかないじゃない(;´Д`)ヾ。

今回のメイン特集は、キャッチコピーにもあるとおり「本物のレンズ沼へようこそ」。私もこれまでにいろんなオールドレンズを見てきましたが(ま、自分で買ってるのはツァイスを中心にオールドの中でも「無難な」レンズばかりですが)、パクテッセ、アーガス、ヴェラ...自分が見たことのないレンズがまだまだこんなにあったのか!と改めて沼の深さを思い知りました。人はいま、戸口に立っている。この沼の彼方に、道は続いている...。

マウントアダプタでは先日私もレビューさせていただいた K&F Concept 製品が紹介されており、日本でも急速に定番マウントアダプタの一つとして起ち上がってきている印象があります。

沼にもいろんな種類があることが解るのが第 3 特集「隠れクセ玉属性レンズを探せ!」。オールドレンズといえば独特の描写で、フレアやソフトフォーカスによる描写の味だったり、グルグルボケや六芒星ボケなど「現代の評価基準では失格だけど、その描写にハマる人は虜になる」というものが少なくありません。中でも今回強烈なインパクトがあったのは、絞り羽根が二枚で真四角にボケるロシアレンズ MC Zenitar-ME1 50/1.7。四角くボケる背景はさながらドット絵のようで、このボケをどう活かせるかはさっぱり想像がつかないけど一度撮ってみたい!と感じさせる引力があります。

レンズ沼的視点で言うと「もうひとつの選択肢 オルタネイティブ MF レンズ」。新品で入手できる現行マウント向け MF レンズということで「オールド」ではありませんが、ミラーレスカメラ向けにマニアックなレンズ選びをする上では確実に選択肢に入ってきます。定番のツァイス Loxia、フォクトレンダーに加えてトキナーからも FiRIN シリーズが出ましたし、最近では中国メーカーの勢いも無視できなくなってきています。しかも少し前までならマウントアダプタを介すのが当然だったのが、今では E マウントネイティブな新品 MF レンズの選択肢が増えているという。これを新たなる沼と言わずに何と言うのでしょうか(汗。

しかも今年は富士フイルムの GFX が発売され、中判向けオールドレンズの多くが本来に近い画角で使えるようになった、というのもオールドレンズ的には大きな話。私はさすがにそこまで手を出す気はありませんが(笑)、そろそろブームも一段落してネタが切れてくる頃だろう...ということもなく、沼は広さも深さも増すばかりです。
私は昨年シグマ MC-11 を入手してからオールドレンズではなく α7 に EF マウントレンズをつけることのほうに熱中してしまっていますが、久しぶりにこっちに戻ってみようかなあ。

投稿者 B : 22:17 | Book | Camera Mook | コメント (0) | トラックバック

2016/08/31 (Wed.)

オールドレンズ・ライフ Vol.6

澤村 徹 / オールドレンズ・ライフ Vol.6

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今年もこの季節がやってきました。澤村徹さんのムック『オールドレンズ・ライフ』の第 6 弾。こんなマニアックなムック本を年に一冊ペースで出し続けられるのにはただただ敬意を表します。

さすがにデジタル一眼市場も成熟の域に入り、これからオールドレンズ沼に足を踏み入れようという人はもうそれほど多くないはず。だから(一応今回もマウントアダプタの基礎知識コーナーはあるものの)初心者向け記事はそこそこに、どちらかというと中級者以上がより深みにはまるため(ぉ)のコンテンツが主軸になってきた印象を受けます。毎年新製品が出続ける現行レンズと違って、オールドレンズは急激に増えるということがないので、ともするとネタが枯渇して同じことを繰り返し言い続けるだけになりがち。ですが、本書はそういうワンパターンに陥らず、多種多様なオールドレンズの中から自分好みの一本に巡り合うための特集を中心に据えています。

第一特集は「マイ・ベスト・オールドレンズ」。著名なカメラマンや業界関係者(ユリシーズの魚住氏が登場されていたのには驚いた)がお気に入りの一本を紹介してくれています。ありがちなレンズメーカー別やマウント別といった選び方ではなく、描写の好みから選ぶための特集というのは今までありそうでなかったもの。とても興味深い内容になっています。
第二特集は「フィルムメーカー製レンズの彩り」。オールドレンズというとライカやツァイス、アンジェニューは定番中の定番。オールド ZUIKO や Takumar といったレンズ、あるいはロシアレンズあたりまではよく語られますが、フィルムメーカー製レンズというのは今まであまり語られることがありませんでした。が、近年では富士フイルムの現行 X マウントレンズが高く評価されていたり、フィルムメーカー製レンズも馬鹿にできません。フィルムで出したい表現から逆算して作られたレンズは、各メーカーの「フィルムの色」がデジタルのボディで使っても見えてくるもの。この特集では富士フイルムに加えて AGFA、Kodak、ILFORD のレンズが紹介されていますが、私も富士フイルムのオールドレンズは一度試してみたいなあ。

第三特集は「ゼロからはじめるレンズ構成概論」。ある程度カメラの知識がある人でも、レンズ構成の細かい部分までは理解できていないことが少なくありません。かくいう私も「ガウスタイプ」「レトロフォーカス」あるいは「プラナー構成」など代表的なものなら知っていますが、体系的に理解できているとは言いがたい。この特集は、オールドレンズでよく出てくるレンズ構成について、その成り立ちから特性まで網羅的にまとめられていて、とても勉強になります。現代のレンズは群も枚数も多くなりすぎて構成図を見ただけでは性格が分かりづらいことが多いですが、基礎知識を持っているだけでも多少は類推が効くというもの。

そして第四特集は「これが噂のボケモンスター」。ちょっと時流に乗ればいいってもんじゃないでしょというサブタイトルですが(笑)、いわゆる「スムーズなボケ」とは対照的にクセのあるボケ方をするレンズの特集です。バブルボケ、リングボケ、ぐるぐるボケといった通常ならば「汚い」と言われがちなボケも、使いようによっては幻想的な写真に演出するための武器になります。こういうのを好み始めるのは、日本酒で言えば純米酒や吟醸酒に飽きて癖の強い二級酒に手を出す呑兵衛の心境と似ていると思いますが(ぉ)究極の嗜好品としてのオールドレンズの楽しみ方なら、それもありかと。

近年ではオールドレンズだけでなく現行マウント向けの MF レンズがリリースされるなど、この世界もかなり成熟してきました。デジタルカメラ自体の販売はもう頭打ちになり、新製品は全体的に値上がり傾向だったりもして先行きに不安感はありますが、少なくともオールドレンズは逃げない(笑。長く楽しめる趣味として、今後も携わっていきたいと思います。

投稿者 B : 22:36 | Book | Camera Mook | コメント (0) | トラックバック

2016/06/18 (Sat.)

キヤノン EF&EF-S マウントレンズ 完全レビューブック

フォトヨドバシのレンズレビューが本(別名:ヨドバシ版悪魔全書)になったよ!ということで、思わず買ってしまいました。

キヤノン EF&EF-S マウントレンズ 完全レビューブック

キヤノン EF&EF-S マウントレンズ 完全レビューブック

今までも我々の物欲を幾度となく刺激してきたフォトヨドバシ。レンズを購入検討する際には必ず参考にするサイトの一つであり、むしろこのレビューがきっかけで買ってしまったレンズも何本かあります(笑。メーカー公式作例のように「わざわざそこに行く労力をかけないと撮れない写真」ではなく、基本的には日常生活の延長線上で撮れるスナップが中心という点でユーザーの実使用感に近く、そういう意味でもとても参考になります。まあ現像で追い込んでるんだろうなと感じる部分もあるし、そもそも自分との撮影センスの決定的な差は感じますけどね!(泣
今でこそ、大手カメラ店が自社サイトにカメラやレンズの実写レビューを掲載する手法は一般的になりましたが、フォトヨドバシは掲載される写真の良さと文章のエモーショナル度で群を抜いていると思います。

これまで掲載されてきた膨大な作例の中には、「これはモニタじゃなくてプリントで見たい」と思うほどクオリティが高いものも数多くありましたが、まさかこれを本当に本にしてしまうとは。

キヤノン EF&EF-S マウントレンズ 完全レビューブック

しかし、これまでの膨大なレビューの数々を全て掲載できるわけでもなく。総ページ数 272 という分厚いムックながら、ほとんどのレンズについては写真・テキストともに抜粋版での掲載となっています。その結果、レンズの紹介ムックとしてはごく一般的な構成になってしまっているのはやや残念なところ。それでも一部のレンズに関しては数ページを費やして大判の作例が掲載されており、そうそうこうやって写真をじっくり眺めたかったんだよ、という欲求に応えてくれます。

キヤノン EF&EF-S マウントレンズ 完全レビューブック

ムックのタイトルからしてキヤノン製の EF/EF-S レンズしか掲載されていないのかと思ったら、EF/EF-S マウントに対応したツァイス、シグマ、タムロンなどの他社レンズまで網羅されている充実度。同スペックのレンズの中でどれが自分の好みに合っているかを見比べられるのはいいですね。チャートを撮ったり逆光性能をテストしたりしているわけではないのであくまで感覚として好みに近いものを、という感じですが、ヨドバシの担当者が「このレンズにはこういう被写体がいいと思うよ」というのを選んで載せているわけで、スペックで比べるよりも購入後の満足度は高そう。

キヤノン EF&EF-S マウントレンズ 完全レビューブック

このムックの内容自体は普段からフォトヨドバシを見ている人にとってはあまり新しいネタはありませんが、各章の間に挟まれているコラムは今回のための書き下ろし(たぶん)。フォトヨドバシの編集部メンバーがどのようにあのサイトを作っているかの断片が読み取れて、本編以上に興味深い(笑。

個人的には英語版サイトの翻訳担当者さんのコラムが面白かった。日本語版ではオーディオの評論にも似た抽象的な表現が多用されますが、英語版では海外のレビューサイトのようにストレートな言葉に変換されているようです。確かに、海外サイトに掲載されている「○○はこれまでで最もシャープなレンズのひとつ」みたいな表現って、国内のレビューサイトではまず見ないですからね。言われてみれば、海外では(まあ日本でも一部雑誌はそうだけど)とにかくチャートやベンチマークを使って解像度とシャープネス一辺倒なのに対して、日本は案外そうでもない、という違いはあるように思います。アマチュアの機材選びなんて結局は趣味なんだから、自分が使っていて気持ちいいと思えるものを選んだらええねん。

ちなみに今ならこのムック、EOS ユーザーだけでなく MC-11 持ちの α ユーザーにとっても、深遠な沼の入口となってくれるのではないでしょうか(笑

私もまだざっとしか読めていないので、この週末で読み込んでみたいと思います。きっと機材買ったり写真撮ったりしたくなるんだろうなあ。

キヤノン EF&EF-S マウントレンズ 完全レビューブック

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2015/09/02 (Wed.)

オールドレンズ・ライフ Vol.5

澤村 徹 / オールドレンズ・ライフ Vol.5

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前作からちょうど一年、澤村 徹さんのムック『オールドレンズ・ライフ』の最新刊が発売されたので、さっそく購入。このシリーズも気がつけばもう 5 冊目ですが、未だとどまるところを知らない勢いを感じます。

Vol.4 の時点で α7 シリーズによる「35mm 判レンズ本来の画角での撮影」および縮小光学系マウントアダプタによる「APS-C ボディでの擬似 35mm 判画角での撮影」が可能になっており、オールドレンズ本としては一旦行き着くところまで行った感がありました。オールドレンズって毎年新製品が出てくるものでもないし(笑)、さすがにそろそろネタが枯渇してきたのでは、と思っていたら、今回の主なトピックは

  • 旧東独・ロシアレンズ特集
  • 中判オールドレンズ特集
  • 現行 MF レンズ特集
  • まだまだ出てくる新型マウントアダプタ
という、かなり上級者路線を攻めてきました。

オールドレンズの入り口といえば旭光学やオリンパスの旧ズイコー、あるいはヤシカ/コンタックス用ツァイスレンズあたりが定番ですが、ツァイス・イエナを中心とした旧東ドイツレンズや安価なツァイスコピー品であるロシアレンズ側にも、広く深い沼が広がっています。特にイエナ製レンズはオールドレンズとは思えない安定した描写を誇っており、ツァイスにしては安価なこともあって入門用として比較的手を出しやすいのも事実。私もイエナ製の MC Sonnar 135/3.5 は一本持っていたりします。
とはいえ入手性がも情報も限られているこのあたりのレンズにいきなり手を出す初心者もいないでしょう。この『オールドレンズ・ライフ』シリーズは初心者をあまり考慮せずにいきなり沼の深いところから始まることが多いですが(笑)、それでも今回のは今までよりもさらに深淵からスタートしている、と言えます。私もさすがに、中判オールドレンズに手を出す予定は今のところないかな(笑。

個人的注目はやはり現行 MF レンズ特集。少し前までは新品で買える MF レンズといえばライカかコシナ製ツァイス/フォクトレンダーくらいしか選択肢がありませんでしたが、オールドレンズブームのもとで新規に MF レンズを発売するメーカーが複数現れてきました。中でも、今回のムックは富岡光学(ヤシカ/コンタックス用ツァイスレンズを OEM 生産していたメーカー)の Tominon 55mm F1.2 の復刻版にあたる木下光学「Kistar 55mm F1.2」、そしてマウントアダプタメーカーとして有名な Hawk's Factory が Tsubasa ブランドで開発したレンズ第一弾「Swallow 35mm F2」の発表の場を兼ねています。それほど重要な媒体になったと考えると、初期の頃から応援してきたファンとしても嬉しい限り。
一口に現行 MF レンズと言っても、過去の名玉の描写を再現することにこだわったものから既存レンズにないスペックを目指したもの、そして MF でありながら現代的な高解像度を実現しようとしたものまでバラエティに富んでいます。オールドレンズはアジア方面の需要増で年々値上がり傾向にありますが、現行 MF レンズであれば価格が安定しており入手しやすいという利点もあり。いきなりオールドレンズ、ではなくまずは現行 MF レンズから始める、という選択肢もあると言えます。

個人的にはやっぱり東独かなあ。イエナの Flektogon 20/4、35/2.4 は以前から手に入れたいレンズではありました。最近、AF でラクをしてばかりだったけど、AF レンズはめぼしいところはだいたい揃えてしまったので、改めてオールドレンズ収集に走りたくなってきました。

投稿者 B : 21:55 | Book | Camera Mook | コメント (0) | トラックバック

2014/10/30 (Thu.)

ザ・レンズマニアックス

澤村 徹 / ザ・レンズマニアックス ~ミラーレスと一眼レフで陶酔するオールドレンズの世界~

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デジタル一眼カメラにおけるオールドレンズ使用の第一人者・澤村徹さんの最新の著作が発売されたので、すかさず買ってきました。ここ数年、1 年に 1 冊以上のペースでオールドレンズ本を刊行し続けるペースの高さには脱帽します。

この書籍は、「日本カメラ」誌に掲載されていた同名の連載を単行本としてまとめたもの。そのため、今までのムック系の冊子とは少し毛色の違う書籍に仕上がっています。今までのムックは、ほとんどが入門書としての役割も兼ねていて、レンズマウントやマウントアダプタの解説、オールドレンズをデジタルボディにつけて撮影する手順から書かれていたので、そういうページは「うん知ってる」と思いながら読み飛ばしていました。むしろ「そういうのはいいからレンズ紹介や作例掲載にもっとページを割いてよ」と思っていたのも事実です。それに対して、今回の書籍は初心者向けの解説は最小限に留め、レンズと作例に最大限のページを割く構成になっています。
そういう意味では、今までのムックは「オールドレンズの間口を広げるために企画から練られた本」だったのに対して、この書籍はその名の通り「レンズマニアに向けて作られた本」ですね。なんたって、いきなり冒頭から CONTAX G 用 Hologon を掲載するというマニアックさなわけですから(笑。

オリジナルの連載が掲載されていたのが 2011/1~2013/12 のちょうど 3 年間。ミラーレスカメラの台頭によるオールドレンズ人気の高まりから、α7 シリーズの登場によるオールドレンズフルサイズ時代の到来まで、まさにひとつの時代をまとめた格好になります。掲載されているレンズも、メーカー・マウントともにバリエーション豊富で、ミラーレスに限らず DSLR 向きのレンズも含め実に豊富な 39 本。「なぜイエナ三兄弟(東独 Zeiss Jena の Flektogon 20mm、同 35mm、Sonnar 135mm の 3 本)を集めてしまうのか?」など、オールドレンズ好きならばニヤリとしてしまう切り口で紹介されていて、実に楽しい。でも、Jena はオールドレンズ沼でいえばまだまだ淵のほうにすぎず、Jena とか CONTAX G あたりで踏みとどまっている私はまだまだ甘いと言わざるを得ません。まあ、だってコシナ製フォクトレンダーみたいな、新品で買えて味もあるのに描写にハズレがないレンズが普通に買えてしまうと、そこだけで十分楽しかったりもしますからね。

レンズの解説としては、「昭和初期の日本文学に登場するような、深窓の令嬢がイメージだ」とか「さながら、真実だけを刻む速記者のようだ」とか、まるでワインの味や高級オーディオの音を評価するような表現で、思わず笑ってしまいますが、最近の解像度一辺倒、MTF 曲線やらチャート実写やらでレンズ性能を評価する業界やユーザーの傾向もどうかな、と思っていたので、逆に新鮮(笑。まあ、解像性能が至上であればわざわざオールドレンズに手を出す必要はないわけで、レンズのクセまで含めて愉しむ本道に鑑みれば、こういう情緒的な表現のほうが合っているのかもしれません。それぞれのレンズに対する澤村さんご本人の出会いや思い入れを絡めて書かれているので、共感も持てますね。

買ったばかりでまだあまり読み込めていませんが、じっくり読む価値のあるレンズ本だと思います。私はとりあえずイエナ三兄弟でまだ持っていない Flektogon の 2 本から物色していきますかね...。

投稿者 B : 23:28 | Book | Camera Mook | コメント (0) | トラックバック

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