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2019/08/12 (Mon.)

F1 アルボンがレッドブルに昇格

レッドブル、後半戦ドライバー変更を発表。アルボンが昇格し、ガスリーはトロロッソへ

夏休み中の Breaking News。レッドブルが次戦ベルギー GP よりピエール・ガスリーに代えてトロロッソのアレックス・アルボンを昇格させることを発表しました。

正直この決定には驚きました。まあ今季のガスリーとフェルスタッペンのパフォーマンス差はあまりにも大きく、少なくとも来季のガスリー残留はないだろうなと思っていました。場合によってはベルギーから入れ替えもあり得るとは考えていましたが、これまでの経験や直近の成績を考慮すれば昇格するのはクビアトの方だろうと予想していました。レッドブル・ホンダは目下コンストラクターズランキング 2 位をフェラーリと争っている最中であり、確実に獲りに行くならば経験と安定性があるクビアトに任せるべきところ。少なくとも自分がクリスチャン・ホーナーの立場ならそうするでしょう。
しかしアルボン抜擢の理由は「来季のマックス・フェルスタッペンのチームメイト選定に向けてアルボンのパフォーマンスを評価するため」とのこと。そういうことなら RB は既にクビアトは一度評価済みだし(シーズン中に再度入れ替えを行なってクビアトを評価する可能性はある)、まずアルボンを見るというのは分かる話。RB 首脳陣としては今シーズンのコンスト 2 位よりも今季中にいくつか勝って進歩を実感し、あとは来季のチャンピオン獲得の準備をすることを優先するということだと思われます。
一方でライバルチームからはヴェッテルやボッタスが離脱する可能性ありとの噂も出ていて、もしそれが本当だとすれば彼らとの交渉と並行して手持ちの駒の見極めをする必要もあるのかもしれません。

個人的にはこんなに早いタイミングでアルボンを昇格させることは今季のガスリーのように将来の芽を摘むことになってしまう可能性を心配してしまいます。以前のクビアトの昇格もそうだったし、十分な経験を積まないうちから苛烈なプレッシャーをかけることはあまり良くないと思うなあ...。それだけレッドブルの育成ドライバーが枯渇しているということでしょうし、そういう環境でもフェルスタッペンは頭角を顕してきたんですよねえ。
この決定が吉と出るか凶と出るかはまだ分かりませんが、これでガスリーが伸び伸び走れるようになって復活してきてくれることも含め、後半戦のレッドブル/トロロッソに期待しようと思います。

投稿者 B : 21:26 | F1 | Season 2019 | コメント (0) | トラックバック

2019/08/05 (Mon.)

F1 ハンガリー GP 2019

F1ハンガリー決勝:ハミルトン、フェルスタッペンとの死闘を制す。レッドブル・ホンダ3勝目ならず

レッドブル・ホンダとフェルスタッペンの 2 勝目から連戦となったハンガリー GP。今回は高温でメルセデスがトラブルを抱えていたわけでも悪天候で荒れたわけでもないレースで、ハミルトン/メルセデスとフェルスタッペン/レッドブルの真っ向勝負を見ることができました。

ストレートスピードよりもドライバビリティやドライバーの技量の比重が大きいハンガロリンクは、シーズン前からレッドブル・ホンダが勝てる可能性のあるサーキットのひとつとみなされてきました。そのハンガロリンクで実際にボッタスを 0.018 秒差で下し、F1 キャリア初 PP を獲得したフェルスタッペン。ここまでの 2 勝のようなスタート失敗がなければ十分逃げ切れる可能性があると感じさせるだけのパフォーマンスを見せてくれました。

決勝ではフェルスタッペンが悪くない蹴り出しを見せ、3 番手スタートのハミルトンがボッタスを交わして追走。ボッタスはルクレールとの接触で最後尾までポジションを下げ、フェラーリの二台はトップ 2 にはついていけない。フェルスタッペンとハミルトンのデッドヒートになります。ハミルトンはフェルスタッペンの 1~2 秒後方をキープし、実際に何度か仕掛けては来たもののフェルスタッペンが防御。しかしミディアムタイヤをもたせることができたのはハミルトンのほうで、マックスのタイヤが限界を迎えてピットインしてからもハミルトンは 6 周ミディアムタイヤでコースに留まりました。
先行してハードタイヤに履き替えたフェルスタッペンはペースを上げ、ハミルトンのタイヤ交換直後には 6 秒までギャップを広げることに成功しますが、結果からみればハミルトンが序盤からフェルスタッペンにプレッシャーをかけ続け、早い段階で一度目のタイヤ交換を促していたことがメルセデスの勝因のひとつだったと言えます。レースにたらればは禁物だけど、ここでフェルスタッペンがミディアムをあと 5 周引っ張れていればまた違ったリザルトになった可能性があります。

初回ピットストップ後、驚異の追い上げでフェルスタッペンとのギャップを削り取ったハミルトンですが、それでもオーバーテイクには決め手が欠けます。そこでメルセデスのピットが選んだのはタイヤをソフトに履き替えてレース最終盤に逆転するという戦略。ハミルトンはピットアウト時には 20 秒近くあったギャップを毎ラップ 1 秒以上詰め、フェルスタッペンも対抗したもののグリップが尽き残り 4 周で陥落。ほぼ勝てていたレースを最後の最後で失いました。

しかしメルセデスにしてみても最後のソフト戦略は「計算上は行けそうだけどやってみないと判らない」という博打だったはず。それを可能にしたのは 3 位以下との差が大きく、仮に作戦を外したとしても失うものがないという状況でした。レッドブルとしては同じ戦略を採るとしてもハミルトンの翌周のピットインではリスクが高く、最後までハードで走り切る以外の選択肢はあり得なかったでしょう。今回は完全にメルセデスの臨機応変な戦略と、それを可能にしたハミルトンのドライビングの勝利であり、レッドブル・ホンダサポーターとしては悔しいけど称賛するほかありません。「チャンピオンシップと PU のマイレージを考慮すればここは 2 位で十分」とせず、パラノイアックなまでに勝ちにこだわる姿勢こそがメルセデスに五年連続ダブルタイトルをもたらした原動力だと思います。

レッドブル・ホンダ的にはフリー走行から決勝レース前半までほぼ完ぺきな流れが作れ、初の連勝まであと一歩というところで勝ちを逃したことは本当に悔しい。でもメルセデスとイコールコンディションで真っ向勝負し、メルセデスから最後の一搾りを引き出した今回のレースはここまでの 2 勝に匹敵する価値があります。シーズン前には今季はメルセデスとフェラーリの真っ向勝負にレッドブルがどこまで挑戦できるか、レース展開次第で何勝かできるかも...という予想だったのが、夏休みまでにレッドブルが 2 勝してドライでもメルセデスと渡り合えるようになるというのは少なくとも 6 月前半時点でも考えていませんでした。これは驚くべき進歩だし、メルセデスに勝てなくて悔しいという自分の感情にまず驚いています。

対照的にあまりにも存在感がないガスリー。6 位スタートからの 6 位フィニッシュなら最低限の仕事をしているように見えるけど、ボッタスが下位に沈んだことで 5 位はサインツなんですよね。今の勢力図ならばガスリーは予選・決勝ともに少なくともフェラーリの一台は食う活躍を見せてほしいし、メルセデスにプレッシャーをかけられる存在でなくてはならないはず。レッドブル首脳陣が再三「今季中の交代はない」と発言していることからシーズン中の更迭はなさそうですが、来年は(少なくともレッドブルのレギュラーシートは)もうないな...というのが正直なところ。

さておき、F1 はこれから三週間あまりのサマーブレイクに突入します。とはいえパワーユニットの開発は夏休み中も続きます(チームファクトリーはレギュレーションでサマーブレイク中の操業が禁止されている)。夏休み明けはスパ~モンツァという高速サーキットが続くうえ、モンツァではホンダが終盤戦を見据えてスペック 4 を投入するという話もあります。もちろん他チームもその間手をこまねいているわけではありませんが、秋のレースではレッドブル・ホンダがメルセデスに実力で勝てる可能性もある、そう感じさせてくれるハンガリー GP でした。後半戦も期待しています。

投稿者 B : 21:33 | F1 | Season 2019 | コメント (0) | トラックバック

2019/07/29 (Mon.)

F1 ドイツ GP 2019

F1ドイツGP決勝:ホンダがW表彰台! "カオスな"レースをレッドブルのフェルスタッペンが制す。トロロッソのクビアトも3位表彰台

モータースポーツ発祥 125 周年と F1 メルセデス・ワークス参戦 200 戦のメモリアルとなったドイツ GP は、今シーズン初のウェットスタートで大荒れに荒れたレースになりました。

あまりにもいろんなことがありすぎたのでレースの経過については↑の記事に任せるとして、とにかくレッドブル・ホンダ 2 勝目/トロロッソ 3 位表彰台おめでとう!!!!!

まずは予選の時点でフェラーリの二台がマシントラブルで下位に沈み、決勝でもハミルトン・ボッタス・ルクレールがそれぞれクラッシュするというアクシデントはあったものの、レースディスタンスを通して力強いパフォーマンスを見せた RB15・ホンダとミスらしいミスを犯さなかったフェルスタッペンの安定感が勝利をもぎ取ったレースでした。雨の混乱から抜け出して勝ったという意味では 13 年前のハンガリー GP と似た展開ではあったけど、あのときのホンダは「本当に勝つの?勝っちゃうの?」みたいな流れでの勝利でした。対して今回は序盤からしっかりメルセデス勢に食らいつき、中盤の VSC→SC 導入時のシャッフルでフェルスタッペンが首位に立った時点で「これは勝てる!」と確信できた。それだけオーストリア GP 以降のレッドブル・ホンダはパフォーマンスと信頼性において期待できるマシンだし、フェルスタッペンの安定感も高い。おそらく現時点の F1 でメルセデス+ハミルトンの次に強さと安定性を兼ね備えているのはレッドブル+フェルスタッペンのパッケージだろうと思います。マックスは去年の序盤戦までは無茶をして自滅するパターンも多かったけど、今やもう絶対的なエースドライバーに成長しましたね。またしてもスタートで大失敗したときはもう駄目かと思いましたが、こういうレースではとにかくミスをしないことが大事。

オーストリアでの力強い走りから、今季は気候やコース特性との相性次第だけどシーズン 3 勝くらいは狙えるのでは?と思っていましたが、こんなに早く 2 勝目が見られるとは。ヘルムート・マルコがシーズン前に掲げていた 5 勝という目標もあながち無理な話ではないのかもと思えてきます。ま、メルセデスがここまで崩れるレースはそうそうないでしょうが。

そして今回マックスの優勝以上に嬉しいのがトロロッソの大健闘ですよ。予選ではアルボンがトラフィックに引っかかって Q1 脱落、クビアトも 14 番グリッドと厳しいスタートでした。それが決勝ではセーフティカー導入時のピットイン判断が見事に的中し、終盤には一時アルボンが 4 位、そしてクビアトが 2 位を走行するという状況に。アルボンは残念なことに最後のタイヤ交換時に順位を落としたもののそれでも 6 位。クビアトは最後のヴェッテルの猛攻にはさすがに為す術がなく 2 位は逃しながらも最後までストロールを寄せ付けず、チーム設立以来二度目の表彰台となる 3 位でフィニッシュしました(なお一度目は 2008 年の雨のイタリア GP でヴェッテルが初優勝したレース)。
トロロッソは予選のセットアップは詰め切れませんでしたが、決勝向けのウェットセットアップが決まったのか二台とも力強い走りを見せてくれました。今年のために去年一年ホンダ PU の開発に一緒に取り組んでくれたトロロッソがこういう形で結果を残してくれたことがファンとしてとても嬉しい。クビアトは決勝レースの前夜に第一子が生まれたばかりということで、まさに人生最良の日となったのではないでしょうか。アルボンもベストリザルトとなる 6 位入賞を決め、コンストラクターズランクも一気に 5 位までジャンプアップしました。

それに対してレースを通して精彩を欠いていたのがガスリー。フェルスタッペン同様スタートで大きく出遅れたのはまあいいとして、その後は中団に埋もれてトロロッソとポジションを争うのがやっとという状況。最後は残り 3 周でアルボンに仕掛けた際にあろうことか追突、そのままフロントを壊してリタイア(完走扱い)の体たらくでした。
このレース、本来ならば表彰台にはクビアトではなくガスリーが立っていなくてはならないはず。開幕以来フェルスタッペンのアシストも碌にできていない状況では、本当に夏休み明けにクビアトあたりと交替させられても不思議はないと思えてきます。

メルセデスとフェラーリが自滅していった中で今回光っていたのはヴェッテル。予選はマシントラブルでアタックすらできず最後尾スタートだったにも関わらず、決勝ではほぼノーミスで着実に順序を上げて 2 位フィニッシュは素晴らしかった。ここ数戦まったく良いところがなくルクレールの後塵を拝してばかりだったのが、久しぶりにいいレースを見せてくれました。ただドライバーズランクはもうフェルスタッペンに抜かれて 4 位だし、ドライバーが良くてもチーム側がミスやトラブルを起こすのが今のフェラーリ。開幕からこうやってちゃんと挽回する戦いができていれば、今季のチャンピオンシップはもう少し面白くなったと思うんですけどね。

次はもう今週末、夏休み前最後のハンガリー GP。低速サーキットかつ高温というレッドブル・ホンダには条件が良いと思われるサーキットです。メルセデスはきっと立て直してくるでしょうが、レッドブルにはこの勢いに乗って一気に 3 勝目を狙っていってほしい。

投稿者 B : 21:27 | F1 | Season 2019 | コメント (0) | トラックバック

2019/07/16 (Tue.)

F1 イギリス GP 2019

F1イギリスGP決勝:ハミルトンが母国で通算80勝目。レッドブル・ホンダはガスリーが自己最高タイ4位

レッドブル・ホンダの初優勝により開幕からのメルセデスの連勝が 8 で止まり、勢力図が少し変わる予感のあったオーストリアから二週間。伝統のイギリス GP ではまたメルセデスの強さが復活しました。

とはいえ予選はボッタスがハミルトンを抑え込んで PP。決勝もスタートから初回ピットインまでの間はボッタス-ハミルトンのオーダーを維持しながらも、二台はホイールがぶつかり合いそうな激しいバトルでやり合います。チャンピオンシップの行方はもはやメルセデス以外にはあり得ない状況ですが、その二人が争うこんなレースが見られるなら悪くない。
そう思った矢先、ガスリーのピットインを契機に堰を切ったように各車タイヤ交換に入り、メルセデスはボッタス優先でピットイン。ボッタスはファーストスティントと同じミディアムタイヤでコースに復帰し、この時点で 2 ストップ作戦であることが明らかになります。
その少し後、ジョビナッツィのコースアウトに伴って SC が導入されると、ハミルトンがピットイン。SC に助けられる形でハミルトンが前に出る形となり、さらにハミルトンはハードタイヤを選択。この時点でハミルトンが 1 ストップ作戦である可能性が浮上します。

結局メルセデス二台のオーダーは最後まで変わることはなく、ボッタスだけが二回目のタイヤ交換を実施。一方ハミルトンはハードタイヤを履いた状態でファイナルラップにファステストラップを記録するという、信じられないおまけをつけてトップフィニッシュ。ホームグランプリをこれ以上ない形で飾りました。

客観的に見れば、今回のレースはセーフティカーがハミルトンに味方し、そのタイミングでハードタイヤを履き 1 ストップで行けたら行くという判断をしたハミルトンの勝利であることは間違いありません。ボッタスは十分速かったけど運がなかった。でもここからは完全に個人的な見方ですが、ハミルトンがあまりにも無慈悲に完勝(+FL 1pt)したのがチャンピオンシップを見ると興醒め。やっぱりファイナルラップまであのバチバチの攻防を見たかったし、奪首に向けて反撃の狼煙を上げるボッタスが見たかった。獲れるときに最大限のポイントを獲りに来るメルセデスの姿勢があの強さの源泉であるとは思うけど、それが F1 をつまらなくしている...とも思ってしまいます。というか、最大のライバルであるフェラーリが情けなさ過ぎるのも悪いんですが。

一方で今回は 3 位争いが優勝争い以上に面白かった。フェルスタッペンとルクレールは今回もオーストリアの続きと言わんばかりのデッドヒートを見せ、ようやく RB15 のツボを掴み始めたガスリーもいい走りをしていました。特にフェルスタッペン vs. ルクレールは SC 導入までずっとテールトゥノーズの争いをし、ピットレーンでも併走するほどの熱いレース。独走するメルセデスを差し置いて、この二人を中心とした F1 の新時代が間もなくやって来ることを感じさせるものがありました。
しかし 37 周目、フェルスタッペンがヴェッテルをオーバーテイクした直後に抜き返そうとしたヴェッテルがフェルスタッペンに追突!二台はそのままグラベルに飛び出し、何とかコースには復帰したもののヴェッテルはほぼ最後尾。一方フェルスタッペンはなんとかガスリーの後ろ 5 番手をキープ。フェルスタッペンはモロに追突を喰らったため良くてリアウィング脱落、最悪の場合はギヤボックスや PU にダメージまであるのでは...と思いましたが、リタイヤが必要なほどではなかったようです。レース後に「今回の RB15 はボンドカー(レッドブルはアストンとのタイアップで今回車体に「007」ロゴを掲示して出走)だから壊れない」というコメントを見つけて笑ってしまいました(笑

それにしてもここ数年のヴェッテルの焦ったときの判断力の欠如には目を覆いたくなるものがありますね。ドライバーズランキングではフェルスタッペンに逆転され 4 位、トップのハミルトンとは早くも 100 点差。今季の体感はもう絶望的と言って良いでしょう。

ともあれ、今回のレッドブルはレースペースで明らかにフェラーリより速く、中盤ではメルセデスにも負けないペースで走れていました。ヴェッテルの追突がなければフェルスタッペンは 2 位に食い込めていた可能性も高く、それだけ RB15・ホンダのポテンシャルが高まってきたと言えるのではないでしょうか。もちろんサーキットや天候との相性もあるでしょうが、オーストリアや今回の流れを保てればコンストラクターズ 2 位も射程圏に入ってきます。それにはガスリーが今後もフェラーリと対等な戦いをできることが必須ですが...。シルバーストンで速かったということは鈴鹿でも期待できるということでしょうし、今後のレースがさらに楽しみになってきました。

トロロッソもアルボンが PU トラブルで最後に入賞を逃したとはいえ良いペースで走っていたし、クビアトも 17 番グリッドから 9 位入賞。ホンダ勢としては悪くない流れが続いてきています。次戦ドイツでシーズンもちょうど折り返し、後半戦に向けて勢いをつけていきたいところ。

投稿者 B : 21:45 | F1 | Season 2019 | コメント (0) | トラックバック

2019/07/06 (Sat.)

数えきれない悔しさが、私たちを強くした。

青山のホンダショールームにて先日の F1 オーストラリア GP 優勝記念展示を行っているとのことで、足を運んできました。

Honda ウエルカムプラザ青山|F1世界選手権 オーストリアGP優勝展示

RedBull Honda RB15 Showcar

エントランスのピラーからして優勝記念の広告が貼り出されています。

新聞の全面広告としても出稿されたというこのキャッチコピー、第四期初優勝の喜び以上にここまで辿り着く過程での苦労や情念みたいなものが込もっていて、ずっと応援し続けてきたいちファンとしても胸に来ます。勝てなくて悔しいことはもちろんのこと、実際の結果に対するもの以上の批判や侮辱に晒されてきたホンダが耐えて耐えて、それでも諦めずに勝てるパワーユニットを作り上げた。だから今はちゃんとパートナーとして苦楽を共にしてくれるレッドブルファミリーとの信頼関係がありがたいわけです。

RedBull Honda RB15 Showcar

優勝記念展示なんだからどどーんとショールーム中央にあるのかと思ったら、ショールーム自体はあくまで通常営業で壁際にやや奥ゆかしく展示されていました。
でも優勝した翌週にレッドブルのショーカーと実際の表彰式で使われたシャンパンボトルを東京に持ってきたわけだから、ホンダの喜びの大きさとファンへの感謝、そしてレッドブルとの協力関係を推し量るに十分です。

なお今回の写真は全て EOS 5D Mark III+EF24-70mm F4L IS USM。最近 α7 III ばかりだったから久しぶりに。

RedBull Honda RB15 Showcar

レッドブル RB15 のショーカー。これまでにはマクラーレントロロッソのマシン展示には来たことがありましたが、春先の青山公道デモランには参加できなかったので、レッドブル・ホンダとしてのマシン展示に来たのはこれが初めて。
あくまでショーカーではあるものの、実車相当のマシンを目の前で見られるのはやっぱり興奮しますね。

RedBull Honda RB15 Showcar

F1 のショーカーというと通常は前年型の実車をリペイントして展示することが多いのでこれも昨年の RB14 ベースなのかと思っていましたが、よく見るとロールフープの形状が三角形(昨年型と現行型は横長の楕円形)。このマシン、おそらく 2017 年型の RB13 ベースのショーカーですね。

RedBull Honda RB15 Showcar

フロントウィングはカスケードウィングやエンドプレート外側にフィンのない 2019 年レギュレーション準拠な形状のものがついていました。が、よく見るとウィングはいくらなんでもシンプルすぎるし、フラップの角度を調節するアジャスターに可動構造が見当たりません。これはあくまで 2017 年のマシンに現行仕様っぽい外観のウィングを装着するためのモックアップにすぎないのでしょう。もしかするとカーボン製ですらないのかもしれません。

RedBull Honda RB15 Showcar

現行レギュレーション下でのエアロ開発のキモであるはずのバージボード~エントリーダクト周辺も非常にシンプル。この部分の空力開発が制限されていた 2017 年当時のバージボードがそのままついているようです。ポッドウィングは外されており、そのせいで随分やせっぽちに見えます。

RedBull Honda RB15 Showcar

このステアリングも 2019 年の実車とは仕様が異なるんでしょうが、フェルスタッペンがこんなスイッチを操作してエンジンのセンサトラブル発生時に設定を変更して出力を回復させたり、エンジン寿命を犠牲にしてパフォーマンスを上げる「モード 11」にセットしたりした結果として表彰台の中央に立てたんだなあ...と思うと感慨深い。

RedBull Honda RB15 Showcar

タイトルスポンサーの ASTON MARTIN との兼ね合いかフロントノーズに刻まれているホンダのエンブレムが小さくて残念ですが、エンジンカウル部分にある「HONDA」ロゴこそがファンの誇り。本気を出せば(そしてシャシーとのマッチングがうまくいけば)メルセデスやフェラーリもガチンコ勝負でブチ抜けることを証明した今こそ、ここに往年の「Powered by HONDA」を記してほしいとも思います。SNS 等ではオフィシャルに「#PoweredByHonda」のハッシュタグを使っているようですが、実車に使わないのには何かこだわりがあるんですかね。

RedBull Honda RB15 Showcar

リヤエンド。トロロッソ STR13 のそれと見比べるとパワーユニットが搭載されていないのはもちろんのこと、リヤウィングやディフューザーの形状はあまりにもシンプルだし、サスペンションも可動しないパーツに見えます。後ろ回りはほぼモックアップなんでしょうね。

個人的には同じ自動車メーカーであるアストンロゴの主張が強いのがやっぱり不満。ホンダにはぜひ冠スポンサー権も買い取ってここに堂々とホンダロゴを掲げてほしいところです。

Honda RA618H

パワーユニットも一応展示されていましたが、これは昨年型の RA618H。でもこれがあったからこそ今年の開発に繋がっているわけで、トロロッソと過ごした 2018 年は非常に重要な時間だったと思います。

RedBull Honda

オーストリア GP のポディウムで使用されたシャンパンボトルも展示されていました。これはドライバー用のものかコンストラクター用のものかは不明ですが、何となくコンストラクター代表として田辺さんが振っていたもののような気がします(笑

「CARBON」ブランドのシャンパンボトル、外装はその名の通りカーボン製のようですが、レースごとにサーキットのレイアウト図や国旗がプリントされていて毎回少しずつデザインが異なるんですね。
過去の F1 公式シャンパンであるモエ・エ・シャンドンやマムは個人でも買える価格帯だったけど、CARBON は高すぎて買えないんですよね...一度飲んでみたいものです。

RedBull Honda

優勝からかれこれ一週間が経つ今でも、当日の写真や映像を見るだけで泣けるほど感動したオーストリア GP。本当におめでとう。

願わくは、今後はいちいち勝ったからといってこんな特別展示をすることもなくなるくらい当たり前のように優勝争いをするチームになっていってほしい。これからも変わらず応援し続けます。

投稿者 B : 21:33 | EF24-70/F4L IS USM | EOS 5D Mark III | F1 | Photograph | Season 2019 | コメント (0) | トラックバック

2019/07/01 (Mon.)

F1 オーストリア GP 2019

レッドブル・ホンダのフェルスタッペンがトップチェッカー! ホンダ2006年以来のF1勝利|F1オーストリアGP決勝

ありがとうマックス&レッドブル・ホンダ!!!

ジェンソン・バトンが RA106 を駆り雨のハンガロリンクを制して以来、約 13 年。ホンダ製パワーユニットを搭載したマシンがトップチェッカーを受ける、この日をどんなに待ちわびたことか。

ルクレールがポールポジションを獲得し、ハミルトンのペナルティによるグリッド降格でフロントロウからのスタートになったマックス・フェルスタッペン。ソフトタイヤでスタートするルクレールに対してマックスはミディアムスタート、これは第四期ホンダ F1 として最もポディウム中央に近いレースでは...という感触がありました。
が、決勝でレッドシグナルが消灯した直後。一瞬アンチストールに入って蹴り出しに失敗したフェルスタッペンは、一時 7 番手までポジションを落とします。ルクレールが PP から大逃げを打ち、その後ろをメルセデスの二台が追う展開になった時点で、もうフェルスタッペンのレースは終わったかに思えました。

が、その後がすごかった。ライコネンとノリスをかわしたマックスの前を走っていたのはヴェッテル、ハミルトン、ボッタス、ルクレールの四人。まずハミルトンがタイヤ交換時にフロントノーズの交換も行ったため、ピット作業の間にフェルスタッペンが先行。ハードタイヤに交換した RB15 はメルセデスやフェラーリよりも明らかに速く、上位とのギャップをみるみるうちに削り取ってヴェッテルとボッタスを立て続けにオーバーテイク。2 位フェルスタッペンと首位ルクレールの差は約 5 秒、残りは 15 周。その後もフェルスタッペンのペースは落ちず、残り 5 周でついにテールを捉えます。
ルクレールは最後まで健闘したものの、最後は完全にフェルスタッペンのレースでした。残り 3 周のところでマックスは軽く接触しながらもルクレールをねじ伏せ、そのままトップチェッカー。

スタート前には「もしかしたら勝てるかも」という気配はありましたが、まさかこういうレース展開でレッドブル・ホンダが初優勝するとは誰が予想したでしょうか。一度はポジションを落としながらもコース上でメルセデスとフェラーリをぶち抜いての優勝。ホンダが第二期 F1 活動を終了してから 17 年、こんなレースをずっと見たかった。13 年前のホンダの優勝はいくつもの幸運が重なって手にしたものだったけど、今回のは紛れもなく実力で掴み取った勝利です。またレッドブルのホームレースでの勝利であること、そしてメルセデスの開幕以来の連勝を止めたのがフェラーリではなくレッドブル・ホンダであったこと、すべてがドラマだったと言って良い。

ポディウムではマックスが登場するなり胸のホンダマークを指さし、コンストラクター代表としてはクリスチャン・ホーナーではなくホンダの田辺さんが登壇し、オーストリア出身のプレゼンターであるゲルハルト・ベルガー(田辺さんは第二期ホンダ F1 時代にベルガーの担当エンジニアだった)と壇上で熱い抱擁を交わす...など、涙なしには見られませんでした。2015~17 年にあれだけひどい扱いを受けてきたホンダが、今やこれだけのリスペクトを受けて表彰台の中央に立っている。もちろんホンダはただ一度優勝するためだけに F1 に帰ってきたわけではないでしょうが、まずは第一歩として結果を残すことができました。

今回フェルスタッペンが速かった理由はいくつか考えられますが、まずは先週からのヨーロッパが高温に見舞われていたことと無縁ではないでしょう。メルセデスは冷却に問題を抱えてパワーユニットを使いきれなかったといいますし(同様の問題はレッドブルやフェラーリにも発生していたでしょうが)、また涼しかったシーズン序盤にはタイヤを作動温度領域に入れやすかったメルセデスと苦労していたレッドブル/フェラーリという構図が気温の上昇に伴いレッドブル/フェラーリ有利な状況に変わった可能性もあります。また今回レッドブルが持ち込んだフロント周りの空力のアップデートがハマり、スペック 3 PU のパフォーマンスを引き出すことができるようになったことも一因でしょう。田辺さんのコメントによれば、優勝の目が見えた時点でエンジン寿命を多少犠牲にしても出力優先に振るモードに切り替えさせたということですし。

とはいえ、毎回何かしらやらかすフェラーリはともかくメルセデスがこのまま手をこまねいているわけはなく、次戦イギリスまでにはライバルも対策を施してくるでしょう。が気温が上がっていくこれからの季節、うまくすればレッドブル・ホンダがこの勢いを保てる可能性がないわけではありません。高速サーキットで実力で勝てたというのが何よりの自信。次も今回のような面白いレースを見せてくれることを期待しています。本当におめでとう!

投稿者 B : 22:00 | F1 | Season 2019 | コメント (0) | トラックバック

2019/06/26 (Wed.)

F1 フランス GP 2019

F1フランスGP決勝:ハミルトン、"貫禄の"4連勝。レッドブル・ホンダのガスリー、繰り上がりで10位

この前のモナコとカナダが接近戦だった反動もありますが、今回のフランス GP は今シーズン最も退屈なレースだったと言って良いでしょう。

予選からメルセデスの二台が圧倒。まあこれ自体はいつものことですが、今回はいつも以上にフェラーリとレッドブルがメルセデスについていけておらず、メルセデスだけが別カテゴリ状態。フェラーリに至ってはヴェッテルが予選 7 番手に沈んで決勝が始まる前から勝負になっていなかった感が強いです。決勝でもメルセデスの二台、特にハミルトンが大差をつけて優勝し、波乱らしい波乱もナシ。
今季のメルセデスはどのサーキットでも一定以上に速く、また全 10 チーム中で最もピレリタイヤとの相性がいいマシンを持っています。一方でフェラーリはカナダまでは毎戦何らかの形でチームやドライバーがミスを犯して勝利を逃してきましたが、今回はミスらしいミスもない中での完敗。ドライバーズランキングではヴェッテルがハミルトンに 70pt 以上の差をつけられ、コンストラクターズに至っては 140pt 差ということでシーズン 1/3 を過ぎた時点でもはやチャンピオンシップ終了のお知らせが聞こえてきそうな状況です。メルセデスのチーム内バトルに関してもハミルトン 6 勝 vs. ボッタス 2 勝で、ボッタスにシーズン序盤の勢いが感じられないのが残念。もう少し拮抗しないと夏休み前にタイトルが事実上決まってしまいそうな差がついていて、もはやタイトル争いを軸に今季の F1 を見る意味はないですね...。

一方で中団争いはまた戦況が変わり、今回は地元ルノー PU 勢の躍進が目立ちました。なんたってマクラーレンが予選 4・5 番手からの 5・9 位、ルノーワークスが 8・13 番手からの 8・10 位フィニッシュ(ただし 10 位のリカルドはレース後のペナルティで 11 位降格)ですからね。シーズン序盤に好調だったアルファ/レーシングポイント/ハースが徐々に勢いを失いつつあり(アルファは今回ライコネンが入賞したけど)、対照的にルノー勢が台頭してきて勢力図がまた分からなくなってきました。その中でトロロッソ・ホンダは常に入賞圏前後のレースを続けてはいるものの、なかなか大量得点できていないのがちょっと辛い。STR14 のポテンシャルは高いはずなので、うまく使いこなしていってほしいところです。

そのトロロッソも含めたホンダ勢ですが、このフランスへは「スペック 3」PU をアルボン車以外の 3 台に持ち込んできました。これは ICE とターボの両方をアップグレードしたもので、ターボに至っては IHI との協業に基づき航空機向けエンジンの技術を応用した改良版とのことで期待されました。またレッドブルのほうは車体側にもアップデートを施したとのこと。
が、これが期待されたような結果には結びつかず、フェルスタッペンの 4 位フィニッシュがやっと。ガスリーは 11 位フィニッシュ(リカルドのペナルティに伴い繰り上がりで 10 位入賞)、トロロッソは 14-15 位フィニッシュというのはあまりにも残念。スペック 3 が本当にどこまでのパフォーマンス向上を果たしているのか?という疑問もありますが、両チームともまだ新 PU のマッチングが進んでいないこと、ガスリーは未だに RB15 に乗り切れていないことが原因かと思われます。こうしてみると常にマシンから 100% 以上のものを引き出して走れるフェルスタッペンは別次元のドライバーだなあ...としみじみ感じます。

今週末はもう次のオーストリア GP。レッドブルのホームレースだから両チームにはがんばってもらいたいところですが、パワーユニット性能とダウンフォースの両方が求められるサーキットだからどこまで結果に結びつけられるか。天候が変わりやすいサーキットでもあるので、雨がらみで面白い展開になってくれることを期待します。

投稿者 B : 22:00 | F1 | Season 2019 | コメント (0) | トラックバック

2019/06/11 (Tue.)

F1 カナダ GP 2019

F1カナダGP決勝:ベッテル怒髪天。トップチェッカーもペナルティで2位。ハミルトン今季5勝目

カナダ GP は今季初めてヴェッテルとハミルトンが直接対決を演じたレースとなりました。

バーレーン以外では「完敗」と言わざるを得ないレースが続いているフェラーリ、今回はフリー走行からセットアップがガッチリ決まって予選でもヴェッテルがコースレコードを記録しながら PP を獲得します。続くのはハミルトン、決勝でもこの態勢で 1〜2 秒のギャップを保ったままレースが展開していきます。1 ストップ作戦でハードタイヤに交換した後のメルセデスはフェラーリよりも明らかにペースが良く、その後もハミルトンはヴェッテルにプレッシャーをかけ続けた結果、48 周目にヴェッテルがコースオフ!なんとかポジションを維持したままコースに戻るものの、ハミルトンを壁側に押し出すような位置関係になってしまったこともあり審議対象に。スチュワードの判定はヴェッテルに対し 5 秒のタイムペナルティとなり、ハミルトンとの位置関係やペース差を考慮するとヴェッテルはトップチェッカーを受けても優勝は絶望的、場合によってはルクレールに 5 秒以下にまで迫られて 3 位転落もあり得る状況となりました。
結局そのまま戦況は変わらず、ルクレールもあと 1 秒ほどまで迫ったところでゲームオーバー。最終的にヴェッテルの背後をキープし続けたハミルトンが優勝、5 秒ペナルティを受けたヴェッテルが 2 位、ルクレールが 3 位という表彰台。

個人的には、今回のレースはヴェッテルのミスを誘ったハミルトンの勝利という点には疑いはありません。こういう展開で自滅するのがヴェッテルの弱いところだし、仮にペナルティが出ていなかったとしてもどこかでハミルトンにオーバーテイクを許していた可能性はあると思っています。が、ペナルティに関しては話は別。安全性が最優先というのは理解するものの、前回のモナコでもあったように判断が微妙な状況に対してトラックポジションとは異なるリザルトへ誘引するようなペナルティを出されると、観客としては萎えるしかありません。いち F1 ファンとしては、二人の今季初の丁々発止のやり合いを最後まで見たかった。

ともあれ、これでハミルトンは今季 7 戦中 5 勝+2 位 2 回。ドライバーズランキングではボッタスに 29pt、ヴェッテルに 62pt の大差をつけてもう勝敗が決しようとしている勢いだし、コンストラクターズに至っては 117pt 差をつけていてもはや逆転は難しいと言える状況。個々のレースを見ればメルセデスとハミルトンが常に最速ではないものの、まあ強いですね...。そろそろ私の興味は誰がチャンピオンを獲るかよりもメルセデスがどこまで連勝記録を伸ばせるか、そして誰がその連勝を止めるのか、またレッドブル・ホンダが表彰台の中央に立てるのはいつか、という点に移りつつあります。

で、レッドブル/トロロッソ勢。今回はコース特性的に厳しいだろうなとは予想していた通りになりました。予選はマックスがあわよくば Q2 をミディアムタイヤで突破しようとしたもののタイムが伸びず、ソフトタイヤで再アタックしようとしたところでハースのクラッシュに伴う赤旗に阻まれ 11 番手。結局ホンダ勢はガスリーを除く 3 台が Q2 落ち。
決勝ではスタート直後にアルボンがストロール&ジョビナッツィに挟まれてクラッシュ、一旦はレースに復帰したものの中盤でリタイヤ(これは PU のマイレージ節約の意味合いもあるのかも)。他はフェルスタッペンがポジションを上げて 5 位、クビアトも終盤にサインツをオーバーテイクするなど攻めた走りで 10 位と相性の悪いサーキットなりに健闘しました。が 5 位スタートから 8 位までポジションを落とし、ルノーの二台の後塵を配したガスリーはちょっといただけないなあ...。マックスが毎レース望み得るほぼ最大限の結果を持ち帰ってきているだけに、その対比が目立ちます。一方でクビアトも堅実に結果を残してきているので、早いうちに表彰台に迫る走りを見せられないとクビアトと入れ替えられかねないのでは。「今季の RB15 はマックス仕様のシャシーだから」という声もあるようですが、昔から本当に速いドライバーはそういうのを物ともせずに結果を残すものなんですよね。がんばっていないわけではないと思いますが、ここらで本当に奮起してほしいところ。

気がつけば 2019 年シーズンももう 1/3 が過ぎてしまいました。チャンピオンシップの行方的には半ば決まってしまった感がありますが、次回以降もモナコ・カナダのような面白いレースを期待します。

投稿者 B : 21:54 | F1 | Season 2019 | コメント (0) | トラックバック

2019/05/27 (Mon.)

F1 モナコ GP 2019

F1モナコGP決勝:ハミルトン、"ニキ"に捧げる今季4勝目。ホンダPU車は初の4台入賞|motorsport.com日本版

先週ニキ・ラウダが逝去し、全体的な追悼ムードの中で開催された伝統のモナコ GP。今回のレースは今シーズンの F1 の中で最もエキサイティングなレースだったと言えます。

波乱は予選から。自身のホームレースであるシャルル・ルクレールが予選でまさかの Q1 敗退。これはチーム側が一回目のアタックのタイムで十分と判断して二回目を出走させなかったのが原因。今季のフェラーリはほぼ毎レースで何らかの戦略ミスやマシントラブルを発生させていて、情けないことこの上ない。個人的には、チャンピオンシップをつまらなくしているのはメルセデスが強すぎることではなくフェラーリのチーム運営がダメすぎることが最大の要因ではないかと思っています。ルクレールは決勝で後方から序盤は追い上げたもののルノーをオーバーテイクする際に接触、タイヤをバーストさせた挙句マシンへのダメージが大きくて最終的にリタイヤ。予選から全ての歯車が正しく回っていれば優勝争いもあり得ただけに残念でなりません。

予選は結局メルセデスがまたしてもフロントロウを独占したものの、レースを面白くしたのはヴェッテルを抑えて 3 番グリッドを獲得した我らがレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンでした。

決勝スタートは上位陣の蹴り出しがいずれも良くポジションの変動がないまま始まったものの、ルクレールのクラッシュにより 9 周目にセーフティカーが導入されたタイミングでレースが動きます。メルセデスの二台がダブル・ピットストップで若干の時間を要する間にフェルスタッペンがボッタスに並びかけ、ピットロードで軽く接触しながらも 2 番手にポジションアップ。このときのレッドブルの対応がアンセーフリリースと裁定されフェルスタッペンは 5 秒ペナルティを課せられましたが、ここでピットアウトを待っていたらヴェッテルにも先行されて結局 4 位止まりだった可能性は高いし、ペナルティ覚悟で勝ちを狙いに行ったチームの判断は正しく、またレッドブルチームらしい戦い方だったと思います。

このピットアウトにより暫定 2 位を獲得したフェルスタッペンは、そこから約 68 周にわたってハミルトンを追い回します。ミディアムタイヤとマシンとの相性の悪さに手こずるハミルトンに対して、レッドブルとハードタイヤとのコンビネーションは悪くなく、フェルスタッペンのほうがペースが良い状況。0.5〜1.0 秒のギャップでハミルトンにプレッシャーをかけ続ける姿は、あの 1992 年のモナコ GP(マクラーレン・ホンダのセナがマシン性能に優るウィリアムズ・ルノーのマンセルを抑え続けた)を彷彿とさせるものがありました。しかしここは「絶対に抜けない」モナコ・モンテカルロ、ハミルトンは苦しみながらもフェルスタッペンに隙を見せず、またメルセデス PU のトラクションの良さもあってフェルスタッペンも仕掛けるに仕掛けられない。
ハミルトンのタイヤがいよいよ終わりかけたラスト 2 周、唯一の抜きどころとも言えるヌーベル・シケインでフェルスタッペンが軽く接触しながら仕掛けるも決められず、万事休す。ハミルトンに抑え続けられた結果後続のヴェッテル/ボッタスとの差も詰まっており、2 番手でチェッカーフラッグを受けたフェルスタッペンは 5 秒加算によって 4 位という結果になりました。

リザルトだけ見るといつもの定位置にすぎませんが、もし残り 10 周くらいでオーバーテイクに成功していたらその後 5 秒以上のギャップを広げて優勝していた可能性もあるくらい、今回はレッドブル・ホンダ初優勝に最も近いレースであったと言えます。トロロッソまで含めると 4-5-7-8 フィニッシュ+ガスリーのファステストラップポイントという今季ホンダ勢最高のリザルト。参戦する 4 台全てがトップ 8 でフィニッシュしたのは 1991 年イギリス GP のマクラーレン+ティレル時代以来(ただし当時は 6 位までが入賞扱い)、4 台入賞という意味では 1987 年にマクラーレン+ロータスが 1-2-3-4 フィニッシュを決めて以来という歴史的なもの。これはこれでフェルスタッペンが惜しくも逃した優勝に匹敵する価値があると言えます。
ここモナコでのレースは他のサーキットに比べてシャシーやパワーユニットの性能差が出にくいとはいえ、十分な性能と信頼性を発揮できたことはホンダと両チームにとって非常にポジティブな状況。今やレッドブル・ホンダ(のフェルスタッペン車)はフェラーリに匹敵する速さがあると言って良いし、ガスリーがコンスタントに 5〜6 位に入り始めたこともあってコンストラクターズ 2 位が現実的な目標として見えてきました。それでもメルセデスとの差は(他のサーキットでは)大きいとはいえ、今回の結果から「メルセデスに何かあったら勝ちを狙いに行ける」と実感できたことは今後のレースに前向きな影響を与えるはず。

まあ、この次のレースはまたしてもメルセデス+ハミルトンが滅法強いカナダ GP なわけですが。でもカナダは数年に一度は波乱が起き、初優勝や伏兵の優勝というレースになることもあるから分かりません。モナコでの健闘をふまえてレッドブル/トロロッソが一段上の戦いしてくれることを期待しています。

投稿者 B : 21:58 | F1 | Season 2019 | コメント (0) | トラックバック

2019/05/14 (Tue.)

F1 スペイン GP 2019

F1スペイン決勝:『メルセデス帝国』前人未到の開幕5連続ワンツー! フェルスタッペン、3位表彰台獲得

F1 の「第二の開幕」とも呼ばれるヨーロッパラウンドの幕開け、スペイン GP。フェラーリが圧倒的な速さを誇った冬季テストの現場でもあるため、いよいよフェラーリがその本領を発揮するのか、あるいはここまでの勢いのままメルセデスが席巻するのか、そしてレッドブル・ホンダの大規模マシンアップデートの成果は...?など注目のグランプリでした。

が、蓋を開けてみればやっぱり今回もメルセデスの完勝。冬季テストの間メルセデスが三味線を弾いていた...とまでは私は思いませんが、開幕前からここまでのメルセデスの開発スピードと総合的なチーム力によって現時点ではマシン自体もメルセデスが最速であることが証明されたのがこのレースだったと思います。コンストラクターズポイントではメルセデスがフェラーリにほぼダブルスコアをつけ、今季のドライバーズチャンピオンシップの行方は早くもハミルトンとボッタスに絞られてしまった印象。せめてもの救いは、今季はついにボッタスが覚醒し、今のところハミルトンと星を分け合っていることでしょう。

メルセデス勢同士の対決では決勝はハミルトンが制したものの、予選はボッタスがハミルトンに 0.5 秒以上の大差をつけて完勝していました。ボッタスは決勝スタートでの若干の出遅れがなければ勝っていた可能性は十分にありますが、先頭を走っている間は速いけど誰かの後ろにつくと乱気流の影響を受けやすいのはメルセデスに限らず現代 F1 の特性。「スタート後の 1 コーナーを制したほうがレースの主導権を握る」というかつてのセナ・プロ時代のマクラーレンのような協定があるかどうかは分かりませんが、結果的に 1 コーナーを獲った方がレースでも勝つ構造になっているのが今のメルセデスなのでしょう。

3 位表彰台を獲得したのは開幕戦以来のフェルスタッペン。現在の勢力図のもとではメルセデスに何かアクシデントでも起きない限り 2 位以上に入ることは残念ながら非現実的という状況の中、望み得る最高のリザルトを期待通りに持ち帰ってくれました。しかもこれは序盤にフェルスタッペン自身がフェラーリをオーバーテイクして得たポジションであり、シャシーと PU のアップデートによってついにフェラーリと戦える速さを身につけたことの証明と言えます。このことが表彰台以上に喜ばしい。
とはいえフェルスタッペンと同等のペースを記録できていないガスリーの走りを見る限り、この結果はフェルスタッペンがマシン性能を十分に(あるいは本来の性能以上に)引き出しているからこそのものであり、並みのドライバーとの組み合わせではまだフェラーリに挑めるところまでは来ていないのではないか...という気もします。
いずれにせよ、今回の「フェルスタッペンが予選ではフェラーリの一台を食って 4 番手につけ、決勝で 3 位をかけて戦う」「ガスリーは予選/決勝ともに 6 位安定」というのが今季の典型的なパターンになっていきそうな気配。これでガスリーがフェラーリと戦えるようになってくれば、フェルスタッペンももう一段上を狙っていけるんですが...。

トロロッソは予選 9・11 番手から決勝も 9・11 位フィニッシュ。結果だけ見ると面白みがないレースだったように見えますが、決勝ではハースやマクラーレンと堂々と競いながら、終盤にセーフティカーが導入されるまでは二台揃って入賞圏を走っていました。残念ながらセーフティカー導入時に急遽タイヤ交換を実施した際にダブルピットストップになってしまい、その間に二台ともタイムを失ってしまったことでアルボンが入賞圏脱落。ファイナルラップまでグロジャンを追い回したものの届かず...という惜しい結果でした。あのときにタイヤ交換を行わない or スムーズに作業できていれば二台揃ってもう少し上のリザルトもあり得たでしょうが、こういうところで失策してしまうのが残念ながらトロロッソのチーム力なんだよなあ。
ただ「ホンダ勢が実力で四台入賞」というのが現実的に見えてきたのは良いニュースです。一台入賞させるのにも苦労していたマクラーレン時代のことを思うと目頭が熱くなってきます。

ともかく、ここスペインでの走りを見てようやく今季の真の勢力図が見えてきました。メルセデス独走はもう止まりそうにありませんが、レッドブルがどこまで差を詰められるか。シーズン中のシャシー性能の伸びしろには定評があるチームなので、優勝争いに名乗りを上げられる日が一日も早く来てほしいものです。
そして次戦はモナコ。マシン性能よりもドライバー比重が大きいサーキットだけに、レッドブルにもチャンスはありそう。期待したいと思います。

投稿者 B : 22:58 | F1 | Season 2019 | コメント (0) | トラックバック

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