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iPhone SE

16GBで52,800円、低価格版「iPhone SE」登場。A9チップ、4K撮影 – AV Watch

iPhone SE

噂になっていた「小さくて安い iPhone」が出ましたね。

近年の Apple 製品で、発表時にこれだけ反応が分かれるものも珍しい。既に iPhone 6 シリーズを使っている人にとっては何の面白みもないエントリーモデルに見えるだろうし、iPhone 5s 以前のモデルから買い換えられずにいた人にとっては「こういうのが欲しかった」んだろうし。私は、まさかここまで iPhone 5s そのまんまのデザインで出してくるとは思っていなかったので、驚きました。
Apple にしてみれば、大失敗した iPhone 5c 以来の廉価版 iPhone ということになります。iPhone 5c は 5s に比べると一世代前の SoC だったり、Touch ID 非搭載だったり、プラスチック筐体だったりと上位モデルに対して明らかに見劣りする内容だったのと、こと日本においては「二年縛りで買えばハイエンドモデルだろうと表向きタダ同然で買える」ことで 5s に需要が集中してしまいました。が、今回は中身はほぼ iPhone 6s 相当で外装も 5s 同等のアルミ筐体という、最新世代の小型モデルとして悪くない内容になっています。デザインが 5s と同じなのは、コストよりもむしろ「ちゃんとした高級感は備えつつ、6s よりも世代を新しく見せない」ためのあえての選択ではないでしょうか。これはけっこうしたたかな戦略だと思います。

iPhone SE は主にまだ iPhone がシェアを取れていない新興国向けという見方が強いですが、先進国においても前述のような 6s だと大きすぎる層、それから「キャリアはどこでもいいからとにかく iPhone が欲しい。できるだけ安く」という層(これは日本独自の傾向だと思いますが)には深く刺さるんじゃないでしょうか。なんたって、Y!mobile が今さら二年半落ちの iPhone 5s の新規取り扱いを開始するくらいですからね(これ、SBM の余剰在庫とかではなく新規生産との噂)。格安 SIM の流行もあって、「とにかく安い iPhone」が求められている証拠と言えます。

しかし、こういうのを見るとスマホはもう完全に新しいテクノロジーやビジネスモデルがドライブする市場ではなくなり、iPhone でさえコモディティになってしまったんだなあ、と実感しますね。そりゃあ私も毎年スマホを買い換えなくなったわけだ…。


アップル、9.7型のiPad Proを3月31日発売、256GBも – AV Watch

こちらもそれほど驚きがないと言われている内容。確かに iPhone SE と同じく「既存製品が一回り小さくなっただけ」ではあります。

が、iPhone SE は実際にレイトマジョリティ向けなのに対して、iPad Pro 9.7″ は iPad Air 2 からはグレードアップであり、単価アップになっています。これまで 12.9″ の特権だった Apple Pencil や Smart Keyboard に対応することで、受け身のデバイスだった iPad を PC 同様の知的生産のためのデバイスに変えようとしているように見えます。存在感を増す Surface への対抗という意味合いもあるでしょうが、徐々にオーバーラップしていくタブレットと PC の線引きを変えようとしているのではないでしょうか。ローエンドのタブレットはもう 1~3 万円の世界で、Xperia ですらタブレット撤退秒読みと言われている状況ですが、iPad(少なくとも大きい方)は PC に近づいていくことでその立ち位置を確保しようとしているように見えます。

12.9″ の iPad Air はさすがに大きすぎてユーザーを選びましたが、9.7″ は今までの感覚の中でできることが増えるので、けっこう面白い存在になると思います。私もこのまま行くと Xperia Z2 Tablet からの買い換え先がなくなりそうなので、次は久しぶりに iOS に戻ってみてもいいかもしれません。

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