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iOS 5

遅ればせながら iOS 5 にしてみました。

【西川和久の不定期コラム】 Apple「iOS 5.0」 ~PCレスで完全独立、そして強力なiCloud!

まああまり時間がなかったのと、Twitter 上で文鎮化(アップデート失敗して起動不能になる)報告やアップデートサーバが重くてなかなかダウンロードできない報告やバックアップ/復元にやたら時間がかかる報告やらを目にしていたので、落ち着いてからでもいいかなと思い(笑)週末にかけて作業しました。
私の場合は今はもう Android にメイン環境を移していて、最近 iPad の使用頻度もかなり落ちているんですが、その iPad にインストールしてみました。

新機能などは上記 PC Watch のコラムに詳しいので、ここでは細かいところは割愛。


iOS の最大の目玉はやはり iCloud の開始ではないでしょうか。本田雅一氏の著書『iCloud とクラウドメディアの夜明け』にも書かれていたとおり、確かにその概念は「Mac/PC を iOS デバイスの母艦から、iOS デバイスと同等のクラウドサービスのコンパニオンデバイスとして格下げした」という意味で Apple のハードウェア/サービス戦略の中では大きな意味のある変化だと思います。

が、iOS デバイスのデータを iCloud に同期して、クラウド上にデバイスのほぼ全てのマスターデータを持つというこのサービスも、少なくとも日本では iTunes Match のサービスが始まっていない以上、(人によっては)最も重要な楽曲データがクラウド化できないのでは、中途半端な印象。
まあ、このあたりは Apple のせいというより音楽業界との交渉の問題なので、Apple だけの責任ではありませんが・・・。

ちなみに Twitter の統合も目新しいところ。iOS は今までも YouTube などの Google 系のサービスに対してプリインストールアプリを提供していましたが、それ以外で外部のサービスを統合するのは珍しいことなんじゃないですかね。設定には Twitter のオフィシャルアプリをインストールする必要がありますが、写真や Safari、YouTube などのアプリから直接 Twitter にツイートを送信できるのは便利です。
このへんは Android では「インテント」(アプリのメニューから共有(Share)を選ぶことで、さまざまなアプリ間でデータの受け渡しができる機能)として実装されているものを、Twitter に絞ってシンプルに搭載してきたように見えます。

Android からの影響という意味では「通知」機能も挙げられるでしょう。今までさまざまなアプリが個別に通知機能を持ち、他のアプリに割り込みをかける形で通知を実装していたのが、通知機能としてひとまとめにすることでシンプルに、分かりやすくする仕組み。

iOS の画面上端の時計表示あたりを引き出すと通知一覧が表示されます。このへんの見え方はかなり Android の影響っぽい。

あと、なにげに今回のアップデートで最も良いと感じたのが Safari のタブブラウザ化。従来もウィンドウ切り替え的な動作でタブブラウザ的な機能は実装されていましたが、やはりタブを直接タップして切り替えられるようになったのは便利です。iPhone のほうでは従来通りの表示で、画面が大きい iPad のみの機能のようですが、これはいいわ。
まあ Android のほうも、Honeycomb の標準ブラウザはタブ対応だったりするので(逆に Gingerbread はウィンドウ切り替え方式)、これも言ってみれば後追いかも。ただ、このあたりは「どっちが先だった」という議論よりも「使いやすく実装した者勝ち」みたいなところがあるので、むしろ iOS と Android で競い合いながら、互いに製品としての完成度を高めていってくれることが、最大の消費者利益だと思います。

とりあえず、iPad で使っている限りは iOS 4 に比べて遅くなった印象はないので、躊躇せずにアップデートしてみても良いのではないでしょうか。

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