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MG ガンダム THE ORIGIN

昨年 11 月に発売されていながら、途中 BB-8 のプラモに優先順位を奪われていたキットを(笑)、ようやく完成させました。

MG 1/100 RX-78-02 ガンダム (GUNDAM THE ORIGIN 版)

もはや何体目か分からない RX-78 ガンダムのキットですが、今回はマスターグレードの『THE ORIGIN』仕様の RX-78 ガンダムです。アニメ版『THE ORIGIN』はまだまだシャア・セイラ編が絶賛製作中ながら、一年戦争編までリメイクすることが既成事実化されているような状況で、この MG も先立ってのキット化ということになります。
THE ORIGIN 版のガンダムは、安彦良和氏と大河原邦男氏が共同でデザインをリファインしたもの。コミック中では安彦タッチによる人間的な曲線を感じるボディラインだったのが、このキットではフル CG 作画を前提とした、カッチリとした形状でモデリングされています。

THE ORIGIN 版ガンダムのデザイン上の特長の一つが、鎖骨部に設けられた固定兵装。いくら汎用型モビルスーツといえど、固定兵装が頭部バルカンのみというのはちょっとあり得ない、という当初の設定に対する解といえます。あとは前腕部にもバルカン砲が内蔵されているなど、素体のみでもそれなりに戦えるようになっています。
ストーリーが進行するに従って、ここの兵装が姿勢制御用バーニアに置き換えられたり、という変遷を見ることができるのも、『THE ORIGIN』の設定の面白さだと思います。今回はとりあえず「始動編」バージョンでのキット化でしたが、ジャブローでの大改修版やマグネットコーティング後の最終決戦版などもいずれ発売されるのでしょうね。

コクピットハッチのヒンジが上ではなく下についているという設定も新しい。コアファイターを内蔵するという設定を破棄して、兵器としてのリアリティを追求するとここのギミックもこうなる、ということでしょうか。
というわけでコアファイターは入っていませんが、その分歴代の 1/100 ガンダムの中でも最も腰が動くキットになっていると言えます。

しかしこれもストーリーの中盤にはコアファイターの代わりとなる「コアポッド」が内蔵されることになるんですよね(それがないとラストシーンの「脱出」に繋がらない)。いずれ出るであろう改修版のキットではコアポッドを搭載してくるんでしょうが、それでこの腰の動きを両立できるのか、見物です。


あとこれも新しいギミック、ショルダーアーマーが二分割して肩が自由に動くようになりました。これで、ランドセルについているビームサーベルの抜刀シーンもより自然なポージングで再現できます。
毎回これが決定版という完成度で出てくる MG RX-78 ガンダムですが、まだまだこんなに進化の余地があるとは。

膝アーマーの解釈も新しい。従来一般的だった脛アーマーとの一体化をやめて、膝アーマーが独立可動するようになりました。ちょっと大胆すぎるギミックではありますが、これで膝を 180° 曲げるようなポージングもより自然になりました。

また、膝アーマーの中央部には、今回は単なるはめ殺しの蓋がついていましたが、ここも改修版でバーニアを追加するためにわざわざ開けてあるんだろうなあ、というパーツ分割になっていて、バリエーションキットの登場が今から楽しみです。ま、G.F.F. METAL COMPOSITE のほうでは一足先に全バージョンのパーツが付属したキットが発売されているんですけどね。

脹脛の裏にも隠しバーニアが。
あの地球降下直後の「見て、アムロがあんな戦い方をしてる!」のシーン、アニメではランドセル内蔵のバーニアと屈伸運動だけでジャンプしていたのはいくらなんでも無理があったのが、コミック版『THE ORIGIN』では加えてこの脹脛バーニアと胸部の排気ダクトも使って跳んでいて、こちらのほうが説得力があると感じたものです。そういうリアリティを重視した設定の見直しも『THE ORIGIN』の魅力の一つだと思います。

同梱されている武器はいつものビームライフルとバズーカ、に加えてビームライフルがもう一種類ついてきます。作中ではよく見ると少しずつガンダムや他の MS の装備が少しずつ変わっていて、試作機ならではのテスト的な試行錯誤とか、前戦での間に合わせ改修とか、そういうものを感じることができます。これはアニメ化された際にどう吸収されるのか、それも注目していきたいところ。

そしてこのガンダムの「THE ORIGIN らしさ」は、この状態にあると言っても過言ではありません。逆手に持ったシールドと、新設されたショルダーキャノン。ガンキャノンなんて要らんかったんや!と言いたくなるような迫力あるショルダーキャノンは、ガンダムが単なる近接戦闘用 MS ではなく、兵装の交換によってあらゆる戦闘状況に対応できる汎用 MS であることを改めて思い出させてくれます。
コミック 1 巻の冒頭で、アニメ版では幻だった「RX-78-01」がこの兵装でいきなり登場したときには、『THE ORIGIN』では従来とは少し違った切り口のストーリーが見られそうだぞ、とワクワクしたことを今でも覚えています。

全体的にカクカクしたデザインのキットながら、こういうアングルで見ると確かに「安彦顔」。『THE ORIGIN』に登場するガンダムをとても忠実に立体化していることがよく分かります。

MG としてはほぼ同世代と言える ガンダム Ver.3.0 とは似ても似つかないくらい違っています。Ver.3.0 は技術的には最新でも、デザインそのものは 6 年半前のお台場ガンダムがベースですからね。ガンダム公式としては長らくこのデザインが使われてきており、THE ORIGIN 版のほうは亜流のような位置づけでしたが、こうやって見比べると THE ORIGIN 版のほうがオリジナルアニメのテイストを尊重しつつ現代的なバランスに整えた、正統なガンダムに見えてくるから不思議です。MG のキットとしてみても、ディテール過多すぎず、他のキットと並べても違和感のないバランスの良さだと感じます。

ファーストガンダムの歴史は、ここから改めて刻まれていくんでしょうね。一年戦争編の最映像化が今から楽しみです。

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