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MG ナラティブガンダム C 装備 Ver.Ka

『機動戦士ガンダム NT』の主役機ナラティブガンダムのマスターグレードを組み立てました。

MG 1/100 RX-9/C ナラティブガンダム C 装備 Ver.Ka

『NT』の物語の中で良いところを見せるのは基本的にフェネクスの役目であり、ナラティブガンダムは劇中で戦果らしい戦果は特に挙げていません。まあ操っているのがニュータイプでもなく「パイロットとしては中の上、平凡を絵に描いたような連邦軍士官」のヨナ・バシュタだし、物語上の役割としても戦闘で活躍するためのガンダムではないからやむを得ません。主役機としては地味だけど MG にしては高価なキットだからか、発売直後にも関わらず品薄にはなっていないようです(もちろんバンダイが生産がんばったからでしょうが)。

このナラティブガンダムは「ν ガンダム開発のためのサイコフレームの試験機をルオ商会が引っ張り出してきたもの」という位置づけ。だからデザインや構造は ν ガンダムによく似ていつつ、後述のギミックのためにユニコーンガンダム的な要素も取り込んだ面白いデザインになっています。
でも ν ガンダムって本来は「アムロ・レイが基礎設計を行ってアナハイムで開発・建造した機体」という設定だったはず。当初は非サイコフレーム機として開発されたはずの(サイコミュ機構やバイオセンサーくらいは入っていたかも)機体に急遽サイコフレームを組み込んだのが ν ガンダムだったのに、それ以前に ν ガンダム似のサイコフレーム試験機が存在した…というのは後付け設定にしてもちょっと無理があるような気もします。まあ、かといって U.C.0093 前後の時間軸に全然違う新型ガンダムを投入されても戸惑ってしまうから、いい落とし所かとは思います。

ν ガンダム似の顔。ブレードアンテナが全て矢印形というデザインはガンダムとしては珍しい。
デュアルアイセンサーをはじめカメラ系センサーは従来のキットではシンプルなホイルシールでしたが、ナラティブではディテールが刻印された奥行き感のあるシールを貼る作りになっていて、リアリティーが増しています。

劇中では幾度となく「痩せっぽち」と称されるナラティブですが、MG では装甲がボリューミーなこともあってむしろマッシブな印象を受けます。
そこでショルダーアーマーを外して装備換装中の様子を再現してみたところ、ようやく痩せっぽち感が出てきました。

ナラティブガンダムの「C 装備」としてのこのキットの売りは、サイコフレームのパーツがユニコーンガンダムと互換性があること。
赤い集光素材のランナーが含まれていますが、これは MG ユニコーンガンダム用とは異なる新規ランナーで、MG ユニコーンのものよりもディテールが足されています。またコクピットブロックなど、ユニコーンではサイコフレーム製だったいくつかのパーツはランナーに含まれていません。

また非発動状態のグレーのサイコフレームパーツも同梱。こちらはユニコーンガンダムのサイコフレームパーツの色替えで、これを MG ユニコーンガンダムに組み込むことで「サイコフレーム非発動状態のユニコーン」を初めて成型色で再現することができるようになりました。

新旧のサイコフレームランナーのディテールの違いはこんな感じ↑。ユニコーンでは装甲に隠れてしまう部分にはディテールが入っていませんでしたが、サイコフレームを後付けするナラティブはサイコフレームの露出面積が大きいため、広範囲にわたってディテールが造形されています。

このランナーを使えば簡単に MG ユニコーンのディテールを向上させることができるので、そのうちプレバン限定でこの新ランナーを追加したハイディテール版の MG ユニコーン/バンシィ/フェネクスが発売されるんじゃないでしょうか。ランナー名も「MG ナラティブガンダム」ではなく単に「PSYCHO FRAME」と書かれていたし。

というわけでサイコフレームを組み込んで C 装備状態にしてみました。
が、非発動状態では素体との差分が判りづらいので、さっさと赤いサイコフレームに差し替えます。

こうすると一気にユニコーンガンダムっぽく見えてきます。
映像で見ていたときには「ユニコーンとよく似た形状のサイコフレームもあるけどそうじゃないのもあるように見えるし、必ずしも共通パーツではないのだろう」と思っていたのですが、基本的には全て(プラモとしてディテールが足されている以外は)ユニコーンガンダムと共通のサイコフレームです。ただし、例えば胸のサイコフレームは違う向きに装着されているし、ユニコーンでは腰についていたサイコフレームが肩に、腿についていたサイコフレームが腰に、というように装着箇所や方向をあえて変えて組み込んである。これが実際にガンプラとして組んでみるとパズルのようで楽しい。

サイコフレームはユニコーンのように完全変形(変身)ではなく、素体のナラティブを一部分解/再組み立てしながら後付けでサイコフレームを増設していく手順がまさに劇中の換装作業をガンプラで再現させてくれます。

ちなみに C 装備状態のバックパックには ν ガンダム同様にフィンファンネルを取り付けるためのハードポイントが設けられ(しかもデュアルフィンファンネルにもできる)、一見全然異なるデザインの ν ガンダムとユニコーンガンダムがこのナラティブを介して繋がって見えるのがとても興味深い。

サイコフレームの新規ディテールが特に印象的なのがこのシールド。従来は一枚板だったのが細かくディテールが入ることで集光材の蛍光レッドがより印象的に見えてきます。

これランナーだけ各色単品販売してくれませんかねー。過去に組み立てたユニコーン/バンシィ/フェネクスのサイコフレームを差し替えたい。

ナラティブは宇宙世紀シリーズとしては久しぶりのコアファイター内蔵型ガンダムでした。しかも実戦用ではない試験機ということで、ガンダムとの合体時にも腹部からコアファイターが露出しているちょっと怖いデザイン。コアファイターが装甲で保護されていないことで腰がくびれ、痩せっぽちに見えるというデザイン上の妙もあります。

このコアファイターの変形シーケンスがまた凝っています。

折りたたまれたときの形状は RX-78 ガンダムのコアファイターとよく似ていますが、機首は二段階に折り畳まれ、主翼に至っては言葉で説明するのが難しいくらいに複雑な折り畳まれ方をしています。

主翼を広げることで劇中に何度も登場した「鳥」というキーワードを表す形状になります。ナラティブガンダムからヨナがこの鳥に乗ってフェネクスに移動する象徴的なシーンを演出するためのコアファイターデザイン。
ちなみに機首のデザインは時代が近いということでダブルゼータのコアファイターのものに寄せてあるとのこと。

ちょっと嬉しかったのが左手にもビームライフルを握れるパーツが付属していたこと。
最近の MG はマニピュレーターのディテール優先でハンドパーツの指が不可動になっていることが多く、ビームライフルも右手でしか持てないことが多かった。でもナラティブはこのパーツがついていることで、クライマックスにおける「右手でビームサーベルを持ちつつ左手でライフルを射撃する」シーンを再現することが可能。これは素晴らしい。

主役機としては影の薄いガンダムではありますが、ガンプラとしてはギミックやプレイバリュー、他キットとの連動など非常に見所の多いキットでした。
シンプルなガンダムタイプの素体にサイコフレーム貼り付けるだけでしょ?と思っていたら、ナラティブの素体もユニコーンガンダムと同じくらい複雑な構造で、部品を見ただけでは何のためのパーツか判らない…というランナーが多いキットも久しぶりに組みました。それくらい組み応えのあるキットだったと思います。

ところで映像作品のほうは『閃ハサ』二作目の話も噂の『UC2』の話も全然聞こえてこないのですが、そろそろ続報お待ちしています。

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