残念なことに、アーサー・C・クラーク死去のニュースが。・・・ならば、週末は改めてこの DVD を観るしかないなあ。
今なおあらゆる SF 作品に影響を与え続けるほど世界の SF 映画史に燦然と輝く、誰もが少なくとも名前くらいは知っている作品でしょう。私も大好きな映画ですが、初めて観たときには、終盤の展開が理解できず、観終わった後に悶々とした気持ちを抱えたものでした。
でも、とても 30 年以上前に公開された作品とは思えない宇宙表現のリアルさや、映像とクラシック音楽のシンクロに深い感動を覚えたのは事実で、序盤のやや冗長とも感じるヒトザルのシーンや抽象的世界観に至る後半はさておき(ぉ)『青く美しきドナウ』が演出する宇宙旅行のシーンはそれはもう繰り返し観たものです。というか、(長いのでなかなか通しで観る時間が取れないことを除けば)苦痛を感じずに最後まで観られるようになったのは実は比較的最近のことだったりしますが。
あのモノリスの正体は何なのか?HAL9000 が暴走した原因は?終盤のシーンは何を意味しているのか?など、多くの謎が説明もなくちりばめられた作品であり、確かに難解で、見方によっては主題が全然違うものに読み取れるのですが、逆にそのことによって今でも観るたびに新しい解釈や感動が生まれてくる、稀有な作品だと思います。クラークの書いた小説版ではもっと説明的な内容になっているようですが、私はあえてあのキューブリックの映像表現こそがこの作品の醍醐味だと思っています。
私が持っている DVD は、入手困難になってからたまたま(富山に住んでいた頃)近所のレンタル DVD 店のセルコーナーで売れ残っていたのを見つけ、狂喜して買った初回限定版(カットフィルムつき)。我が家の DVD コレクションの中でも宝物のひとつです。
実は少し前に BS hi で HD マスターでオンエアしていたのをオンエア後半に気づいて愕然とした経緯があり・・・本当にチェックしておけば良かった・・・。BD が出たら必ず欲しい(米国盤は発売済みだけど、国内版は未発売)と思っていますが、これだけの作品であれば発売されないわけがないので、その日を楽しみにしていようと思います。BS hi で観た限り、HD に十分堪えうる画質を保っているようですし。
いろんな意味で、40 年も前にこの作品が生まれたことに尊敬します。合掌。
コメント
今でもまだ、この映画の本当の意味を知りません
でもずっと知らないままでいいんです(俺は)
純粋に見たままを受け容れて、感じたその感覚さえ
ずっと体の中にあればいい
だから今でも俺の中でも最高傑作ですよ
BDが出るころにはもっと真剣に観るかも
だって、DVDじゃ、ね(意味深
この映画の真の意味を全て理解しているのってキューブリック以外にいないと思うんですよ。
たぶん、クラークの理解もキューブリックのそれとは微妙に違うんだろうし。
私にとってはこの映画は『青く美しきドナウ』のシーンがある意味最大の
クライマックスだと思ってます。
あと、ラストでまた『ツァラトゥストラはかく語りき』が流れるのにも
感情の高揚を抑えきれなかったり。
古い映画なのに画質、演出(SFX はともかく)がまだまだ現代に耐えうるものであることには、
改めて驚嘆しますね。早く BD で観たい。