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劇場版 機動戦士ガンダム 00 @チネチッタ

観てきました。

劇場版 機動戦士ガンダム00 -A wakening of the Trailblazer-

まだ公開から日が浅く、しかもこの映画について語ることはネタバレを避けて通れないので、念のためネタバレ防止策を入れておきます。


2 期にわたったテレビシリーズは、最初のうちはあまり期待していなかったんですが、なんだかんだでハマってしまい、トランザムのバーゲンセール状態(笑)から始まった戦力の異常インフレとか、戦術予報という名の力押しによる戦闘(ぉ)とか、脳量子波交信による裸祭り(ぉ)とか、いろいろとツッコミどころはありながらも、全体としてみるとけっこうおもしろいと感じていたのは事実です。概念というか理想そのものになろうとする主人公・刹那の言動に共感するところもあり。なので、テレビシリーズで散々張り巡らされた伏線にどうオチをつけるのか?という興味もあって、劇場公開はけっこう楽しみにしていました。

この作品はテレビシリーズの頃からアーサー・C・クラークの『2001 年宇宙の旅』や『2010 年』の影響を色濃く受けており、SF ファン的な面でもいろいろと刺激される部分はありました。が、劇場のスクリーンに映し出されるにあたり、これらの映画へのオマージュと言えるような映像がふんだんに盛り込まれており、かなり狙ってるなー、と感じます。また、『逆シャア』へのオマージュと思われる箇所もいくつか紛れていて、SF とガンダムを愛するクリエイター達が自分たちの好きな映像を作りたかったんだろうな、というのが画面の隅々から伝わってきました。

しかし、この映画は、いわゆる「ガンダム」のフォーマットではなく、むしろ SF 映画、中でも宇宙人とのファーストコンタクトものの典型的な手法で描かれています。未知の異星体「ELS」の恐怖を描いた前半なんかは、特に SF ホラー的な要素が強い。
「ガンダム」の名がつく作品の中でこういった表現を行うこと自体には挑戦を感じましたが、『2001 年』『2010 年』をベースにあのアニメやあのアニメ、あの映画・あの映画・あの映画あたりを掛け合わせてガンダムで割ったような感じの「なんか見覚えのある」設定や映像も多く、そこまでの新規性は感じませんでした。

ストーリーに関しては、「戦争根絶と相互理解」をずっと掲げてきた『ガンダム 00』というシリーズなら、完結編はこういう結末しかあり得ないんだろうな、という至極真っ当なまとめ方になっています。が、ちょっと唐突すぎるというか、「本当にこれで良かったの?」と感じるところもあり、同じ余韻を持たせた終わり方をするのであれば『逆シャア』のようなまとめ方もあったんじゃないか・・・と思います。でも、今までのどのガンダムでも描けなかった結末を、制作陣は描きたかったんだろうな、というのは理解できる。
でも、私の他にも観終わった後になんか複雑な顔をしているお客さんが多かったので、これはきっと賛否両論が分かれる作品であることは、間違いないと思います。結末だけでなく、途中にも「えっ?」という場面がいくつもあって、多少のことでは呆れないつもりで臨んだ私ですら、4~5 回はお口があんぐりしてしまったのは事実。幕引き後の気分としては、『まごころを、君に』を見終わった瞬間の気分に通じるものがありました(あそこまでひどくはないにしろ)。

戦闘シーンの描写は非常に派手でスピード感もあり、速すぎてちょっとついていけなくなりそうなくらい気合いが入っています。といってもマクロス的なミサイルとビームの世界なので、逆シャアのような白兵戦の醍醐味がないのが、私にはちょっと物足りないですが。

総じて、演出や映像はとても良かったけど、肝心の脚本がちょっと・・・。なんというか、「劇場版ガンダム」として見た場合には、こういう作風はサイドストーリーや外伝ならアリだろうけど、本流の完結編としてはもっとスッキリしたものが求められているんじゃないかな?と思います。

まあ作品に納得いってなくても映像的にもう少しじっくり観たい部分もあるから、BD 出たら買うと思いますけどねー(笑。

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