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京料理 あと村

今週は京都に出張に行ってました。大阪出張はよくあるけど、出張で京都は初。かなりの強行軍であまり京都を満喫する余裕もなかったんですが、一晩だけ京都らしい食事にありつくことができました。

京都府、京都市にある、京料理屋、あと村

鴨川沿いにある京料理のお店。同行した人のおすすめで連れてきていただいたのですが、もう門構えからして雰囲気があって、期待できそうじゃないですか。

まずは前菜の盛り合わせから。竹の器に、品良く少しずつ盛られていて、いかにも京都らしい。給仕さんの京都訛りがまた良いです。方言の中ではやっぱり京都弁が一番好きかな。

そして鱧!京都といえば鱧でしょう。既に旬は少し過ぎていますが、この時期の鱧は「名残鱧」と呼ばれてむしろ脂がしっかり乗ってくるのだとか。刺身と湯引きの両方出てくるのが嬉しいじゃないですか。

刺身はわさび醤油としその花をつけて、湯引きは梅肉でいただきます。これはシアワセだ…関東にいると鱧なんて滅多に食べられませんからね。


こうなってくると日本酒に手を出さざるを得なくなります。私は辛口の日本酒が大好きなので、普段は東北~北陸のお酒を頼むことが多いんですが、今回は京都らしく、京都の酒蔵しばりで。吟醸・大吟醸系はフルーティで香りのいいものが多く、京料理のやさしい味付けによく合います。これはこれでいい。

続いて鱧しゃぶ。しかも松茸入りですよ!鱧のふわっとした食感と松茸の香りがたまらんです。三つ葉とすだちのアクセントも効いてます。私は茸類は得意じゃないけど、これはおいしかった。

そしてこれは…う に 茄 子 ! ! !

大きくて形の良い賀茂茄子の半切りに、うにが贅沢にもどっさり載っています。それに京料理らしからぬ濃厚なたれがかかっています。茄子の肉質がしっかりしているので、これは食べ応えがある。自分内での今回のメイン料理はこれでしょう。

ここまでで既にかなりの満足感なので、これがメインディッシュかと思ったら、「あと 7 品ある」とのこと…!

こちらは稚鮎の塩焼き。頭から尻尾まで残さず食べられてしまう骨まで柔らかい稚鮎を、よもぎ酢につけていただきます。京らしい薬味としては抹茶塩はポピュラーだと思いますが、よもぎ酢は初体験。よもぎの青い香りと何とも言えない苦みの後に酸味が追っかけてくる感じが、鮎の生臭さを相殺してくれるようで、これがなかなか美味。川魚って普段なかなか食べませんが、こういうのはいいですね。

鱧寿司と唐墨。唐墨は、適当なものを食べたときにありがちなざらっとした食感がなく、クリーミーでとても繊細な舌触り。間違いなく今まで食べた唐墨の中で一番美味しかったです。これは日本酒がどんどん進みますね…ということで、調子に乗ってお猪口をカパカパ空けてしまいました。

ドカンと出てきたのは鯛のあら炊き。これ一皿で一人分ですよ!取り分けじゃないんですよ!!

これまた京都のイメージを覆すしっかり濃い味付けで、脂の乗った鯛と牛蒡の食感の対比が良くて、もうけっこうお腹がいっぱいになっているはずなのに、箸が進みます。

あら炊きの後はそろそろ締めに向かっていくということで、とうもろこしの天ぷら。世の中にこんなに甘いとうもろこしがあるのか、と思わせるほど甘く、それでいて自然な優しい甘みが癖になりそうです。これがデザートと言われても納得してしまいそうな甘さではあったんですが、

さらに茶碗蒸し。具が入っていないプレーンな茶碗蒸しですが、ちょうどいい蒸し具合と、底に銀杏ではなく梅肉が入っているのがポイント。甘みのある茶碗蒸しの最後に爽やかな酸味が味覚をリセットしてくれるようで、とても心地良い。具がいろいろ入っている茶碗蒸しも良いですが、これは気に入りました。

本当の締めは冷や麦。ここにきて麺類か…と思っても、案外つるつる入っていってしまいます。ちょうどいい濃さの出汁と生姜が効いているんでしょうね。
最後に果物(旬の梨と巨峰を少し)で本当に締め。

お店に入る前は京料理と言えば湯豆腐、そんなものでおなかがいっぱいになるわけがないだろうと思っていたら(←偏見)、味的にも量的にもこの上ない満足感。本当に美味しかったです。

ちなみにこのお店はいわゆる鴨川の川床を出しているお店のひとつで、今回はその外座敷でいただきました。ほんの 1 週間前まではまだ暑くて外では気持ちよく過ごせなかったそうですが、私が行ったときはちょうど良い季候で、時折涼しい風も流れてきて、とても気持ちよく過ごせました。対岸側から見ると、この川床の灯りが鴨川の水面に映って、とても幻想的なんですよね。

仕事で京都に来ること自体滅多にないので、次に来る機会がいつになるかも分かりませんが、また機会があればぜひ訪れたい店でした。この店に来れただけで、京都を堪能できたと言い切っても良いくらい。本当にごちそうさまでした。

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