一昨日、帰宅したところ、こんな荷物が届いていました。
シグマからの荷物なんて、初めてじゃないでしょうか。
それも、山木和人社長から「ロイヤルカスタマーのみなさまへ」というレター入り。嬉しいじゃないですか。イベント等で何度かお会いしたこともあるだけに、なおのこと嬉しいです。
中身はシグマとしては初めてとなる「コンセプトブック」という冊子でした。似たような雰囲気の冊子として、私はキヤノンの「禁断の書」こと L レンズカタログも一冊持っているので、さらにシグマからも物欲の深淵に引きずり込まれるのかよぉ、と覚悟してページをめくってみました。
その中に広がっていたのは、こういう世界。
ページの大半を割いて、会津の風景と、シグマの会津工場におけるレンズ製造の現場が紹介されていました。ワールドワイドで同じものを配布するためか、中にはいっさい文字はありません。むしろ文字がないことで、そこに写っている職人さんたちの真剣な息遣いが聴こえてくるような気さえします。
福島県にあるシグマの会津工場は、昨年の震災で大きな影響を受けましたが、現在は復旧して生産もすっかり軌道に乗っているもよう。シグマのレンズは全てこの会津工場で生産されています。
ちなみに、この会津工場の様子は、今回の Photokina に合わせてコンセプトムービーとしても公開されています。
コンセプトブックとはまたちょっと趣が違いますが、これもこれでいいですね。
「ものづくり」という単語が最近神格化されすぎているというか、それがそぐわないような分野でさえ「日本のものづくりが云々」と言ってしまうような風潮には、私はちょっと疑問を感じている部分はあります。でも、デジタルカメラの時代になり、設計がデジタルだったり、カメラ内で収差補正するのが当たり前になっても、カメラレンズの製造というのはアナログ技術の結晶。「ものづくり」という言葉がこんなに相応しい分野もそうはないと思います(単に高品質で高価なレンズだけあればいい、というわけじゃなくてね)。
そのあたりの話は、Photokina でジャーナリストの本田雅一氏のインタビュー記事やカメラマンの桃井一至氏による山木社長へのインタビュー動画でも語られています。
【フォトキナ】インタビュー:シグマ山木社長に交換レンズ新コンセプトを訊く – デジカメWatch
あとは Photokina で開発発表された 3 本の新レンズの商品写真とか。
外装デザインの品位がずいぶん良くなりましたね…これはグッとくる。
この冊子は Photokina に合わせて、シグマレンズを 2 本以上オンライン登録しているユーザーに送られたもののようです。
今まであまりオンラインユーザー登録するメリットを感じなかったのですが(不定期にメールニュースが送られてくる程度)、これは CR 活動を従来よりも強化する方向とみていいのかな。私自身、シグマレンズは何本か持っていて、シグマのいちファンである自覚はありましたが、それほど高価なレンズばかり買っているわけでもないのに「ロイヤルカスタマー」と言われてしまうと、逆に申し訳なくなってきます(笑。
規模が大きな会社ではないので、キヤノンやニコンと同じことをやってもしょうがないしできない、だから DP Merrill のような万人受けはしないけど一部のユーザーに強烈に支持される製品をリリースして企業価値を高めていく。ここ数年のシグマからは明確にその意志を感じることができていましたが、今回の Photokina 絡みの一連の活動はさらにそれを補強したのではないでしょうか。こういう言い方はアレですが、誰に何をどう売っていくべきか解っているね、と感じます。
しかもどうやらミラーレスもしくは新しい DP シリーズ向けレンズと思われる特許も出願されているようで、引き続きシグマから目が離せそうにありません。
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