シンガポールGP決勝 ヴェッテルが優勝、ハミルトンはリタイア – GPUpdate.net
F1 サーカスはヨーロッパからアジアへ。唯一のナイトレースであるシンガポール GP は、ヴェッテルが久々の優勝でようやく今季 2 勝目。ドライバーズランキングも 2 位に躍り出ました。
予選はハミルトンが圧倒的速さで PP。マクラーレンはこれで 4 戦連続の PP で、純粋な速さだけなら現時点での最速マシンと言えるのかもしれません。しかしここにきてマクラーレンはマシンの信頼性に疑問符がつき、前戦でバトンが、今回はハミルトンが、上位走行中にトラブルで単独リタイア。個人的には、2005~2006 年頃の「速いけど壊れる」マクラーレンが戻ってきたようでちょっとワクワクするんですが(ぉ)、チャンピオンシップを争っているチーム/ドライバーにとっては笑い事ではありません。今回のリタイアでハミルトンもアロンソに 52pt も離されてしまい、逆転に向けて一歩後退する状況となりました。
今回のレースで最も得をしたのは間違いなくアロンソでしょう。シンガポールでは滅法強いアロンソも、今回は絶対的なスピードが足りず、マクラーレンとレッドブルに追いつくことはできませんでした。ただこういうときにダメージを最小限に抑えることができるのがアロンソの強さで、今回もしぶとく 3 位表彰台。ヴェッテルにはポイント差を詰められたものの、当面のライバルであったハミルトンとの差を広げることに成功し、結果的にランキング 1 位の座を強固にしたと言えます。まだ 6 戦も残っている状況で断定的なことは言えませんが、ノーポイントレースが 1 回あってもまだまだ 1 位、というのは今後の戦い方の幅を考える上で、非常に意味のある状況だと思います。
可夢偉は本人も言っているとおりフリー走行から予選から全然スピードが足りず、どうにもなりませんでした。それでも粘りのレースを見せてくれてはいましたが、ピットインを減らした戦略が功を奏さず、タイヤがタレてきたところでそれまで抑えてきた後続に次々と襲いかかられ、ヒュルケンベルグとの接触で万事休す、という…。リタイアこそ免れましたが、最初からポイントがほぼ絶望的なレースで、見ていて辛かったです。
ただ、同じような状況でもチームメイトのペレスは Q2 に進出し、決勝でもウェバーへのペナルティの結果とはいえ 10 位入賞。ペレスは今季かなり成長していて、良いときにも悪いときにもそれなりの結果を持ち帰ることができるドライバーになりました。今季の可夢偉は残念ながらそれに見合う結果を残せていないのは事実で、やはり、このままペレスが来季も残留なら、ペイドライバーに取って代わられる可能性も高いと言わざるを得ないでしょう。次は毎年最高の結果を残している鈴鹿、ここでどこまでセッティングをまとめ上げて、週末を通じて可夢偉らしい走りを見せられるか…が、来季に向けての分水嶺となるのではないでしょうか。毎年、鈴鹿は最も楽しみなレースなのですが、今年ばかりはちょっと見方が違ってしまいそうです。
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