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F1 アメリカ GP 2018

F1アメリカGP決勝レポート:キミ・ライコネン、跳ね馬復帰後初勝利。ハミルトン王者決定ならず|motorsport.com日本版

おめでとうライコネン!!!

鈴鹿でのハミルトン完勝を受けて今回でタイトル防衛が決まってしまうかにばかり注目が集まっていたアメリカ GP ですが、レースを制したのはまさかのライコネンでした。
もう後がないヴェッテルは FP1 での赤旗無視で 3 グリッドダウンのペナルティを受け、スタートから不利な状況。それで焦ったのかどうかは不明ですが、スタート後間もなくダニエル・リカルドと接触、またしても最後尾から追い上げるレースになります。まるで二週間前の鈴鹿のリプレイを見ているかのようなアクシデントで、ヴェッテルのあの仕掛け方は無謀とは言わないけどこの後がない状況ですべきことではなかった。ヴェッテルはレッドブルで四連覇していた頃に「速いマシンに乗って PP から逃げるレースは速いけど混戦には弱い」と言われていましたが、フェラーリに移ってからのヴェッテルはまさにここ一番での勝負弱さが露呈しているように思います。

ライコネンは 2 番グリッドから好スタートを決めてターン 1 までにハミルトンの前に出てからは見事なペースコントロールでタイヤを労りながらポジションを守りました。対するハミルトンも急遽 2 ストップ作戦に変更して見事な追い上げを見せたものの届かず。2 位に入ったフェルスタッペンも鈴鹿とは対照的なクリーンな走りで魅せてくれました。とかく 1 ストップ作戦ばかりになりがちな今季にしては珍しくタイヤ戦略の異なるマシンがトップ争いを繰り広げるレースで、最後まで誰が勝つか分からない面白いレースだったと言えます。厳しいタイヤライフを制御したライコネンの勝ち方は、久しぶりにまさにライコネンらしい走りでした。

ライコネンは残り三戦でザウバーへの移籍が決定しているわけで、五年半ぶりとなる今回の勝利はかなり高い確率でライコネンの F1 キャリア最後の優勝になるでしょう。個人的には二十代の頃の「手がつけられないほど速いけど脆い(これは当時のエイドリアン・ニューウェイのクルマ作りによるところも大きかったけど)」走りに惚れ、2005 年の鈴鹿で 17 番手スタートからの大逆転優勝を現地観戦してさらに魅了されて以来のライコネンファンなので、今回の勝利は本当に嬉しい。


トロロッソはロシア~鈴鹿で投入した「スペック 3」パワーユニットにさらに信頼性向上のアップデートを施した「スペック 3.1」を今回投入。それにより二台揃って最後尾からのスタートでしたが、結果的にはハートレーが 11 番手フィニッシュ…からのオコン/マグヌッセンの違反による失格で 9 位入賞。いっぽうガスリーはスタート後の接触によるマシン不調もあって入賞圏外でした。鈴鹿に続いてパワーユニットはいいけどセットアップが決めきれないレースにやきもきさせられましたが、結果的にハートレーがポイント獲得できたことは素直に喜びたい。ハートレーは後半戦に入って速さはないものの安定感が出てきており、個人的には残留してほしい気持ちが強いですが、レッドブルは F2/フォーミュラ E のアレキサンダー・アルボンをトロロッソに乗せようとしているようで。育成枠外から獲ってくるくらいなら継続性を重視したほうがいいと思うんだけどなあ…。

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