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F1 モナコ GP 2016

モナコGP決勝 雨のモナコをハミルトンが制する

スペインでのマックス・フェルスタッペンの劇的な初優勝を受けての、伝統のモナコ GP。全開率が低くパワーユニット性能の差が出にくいコース特性だけに、今回もレッドブル、あるいはフェラーリ勢にワンチャンあるんじゃと予想されましたが、そのとおり予選からとても面白い展開となりました。

予選では Q1 でフェルスタッペンがまさかのクラッシュを喫しノックアウト。初優勝の直後にこれ、というギャップが激しいですが、良くも悪くもこれが若さでしょう。一方でチームメイトのダニエル・リカルドが渾身のアタックを決め、メルセデスの 2 台を抑えて PP 獲得。スペインでもピット戦略に失敗しなければ自分が勝っていたはず、という思いもあったに違いありません。コクピットに収まっている間の表情からして鬼気迫るモノがありました。
リカルドの予選はタイヤ戦略も完璧で、Q2 をスーパーソフトで通過し(Q3 進出者は Q2 でベストタイムを記録したタイヤでスタートする決まり)、ウルトラソフトタイヤ勢に対して PP から長めのファーストスティントで逃げる構え。

しかし決勝はウェットコンディションとなり、リカルドの予選でのタイヤ戦略は不発に終わります。が、リカルドは決勝でも見事なスタートダッシュに成功。2 番手スタートのロズベルグのペースが上がらず、3 番手のハミルトンが抜きあぐねている間に独走態勢を築きます。
その状況が変わったのがレース中盤。雨が上がり、タイヤをウェットからインターミディエイト、そしてドライタイヤに交換していくタイミングが問われます。リカルドはメルセデスに先んじてインターに交換、しかし追うハミルトンはウェットタイヤを引っ張って一気にドライに交換することで、ピットインを 1 回減らす作戦に出ます。問題はコンディション変化によってウェットタイヤが相対的に遅くなることと、履き替えたウルトラソフトが 1 ストップでチェッカーまでもつか、の 2 点。リスクを取った選択でした。

いっぽうのリカルドはウェットからインター→ドライへの 2 ストップ戦略でも、1 ストップのハミルトンにポジションを奪われることなくレースを進められる、はずでした。が、インターからドライへの変更の際に、ピットインした時点で交換用のタイヤ準備が間に合っていないというアクシデントが発生。どうやら当初ウルトラソフトを準備していたのが、ハミルトンの動きを見てスーパーソフトに変更しようとしたところ、タイヤが準備できる前にリカルドが飛び込んできてしまった…というのが顛末らしいですが、これが痛恨のミス。結局リカルドがピットアウトするよりも一瞬早くハミルトンが目前をすり抜けます。その後、リカルドは幾度となくハミルトンの背後を脅かし、得意のビッグブレーキングで仕掛ける場面もありましたが、しかしここはモナコ・モンテカルロ、絶対に抜けない。最終的にはハミルトンを責め続けたリカルドのタイヤが先に音を上げ、ハミルトンは念願の今季初優勝を挙げました。


リカルドはこれで 2 戦続けて勝てていたはずのレースをピット戦略で落としているわけで、報われないでしょうねー。特に今のレッドブルはメルセデスに勝負を挑めるサーキットが限られているだけに、今季最も勝てる可能性が高かったモナコを落としたのは悔しいはずです。しかし今のレッドブルのリカルド&フェルスタッペンというコンビはフェラーリよりも面白いのは確かなので、今後もレースをかき回していってほしいところ。フェルスタッペンのほうもこの抜けないモナコで最後尾スタートから入賞圏に上がってきているあたり、スペインでの優勝がまぐれでないことを証明していると言えます。
いっぽうのフェラーリはパッとしませんね…。メルセデスとチャンピオンシップを争うなら、モナコでリカルドの位置にいるべきはヴェッテルでなくてはならなかったはず。しかし今回の戦略にはフェラーリにしては珍しくリスクを取る姿勢も見えたので、今後に期待です。

マクラーレン・ホンダは見事ダブル入賞。しかもアロンソが昨シーズンから通算しての最高位である 5 位フィニッシュ、というのはとても喜ばしい結果と言えます。しかしドライバーコメントによるとマシンの仕上がりは誉められたものではなかったようで、昨年同様にドライバーの頑張りでもぎ取ったダブル入賞、といったところでしょう。スペインに続いてアロンソが Q3 進出したのもポジティブですが、次からはそろそろ 2 台揃っての Q3 進出と 5 位前後の争いをコンスタントに繰り広げられるようになっていってほしいですね。

チャンピオンシップは引き続きロズベルグが首位ですが、点差は一気に詰まって 24pt。ハミルトンには今回も予選 Q3 でのマシントラブルがあり、信頼性に関する不安は尽きないところですが、そろそろ反攻に出るに違いありません。次のカナダはメルセデス優位なサーキットだけに、久しぶりにハミルトンとロズベルグによるガチの優勝争いを見たいですね。それが実現すれば、二人のどちらが真に今季のチャンピオンに相応しいかが分かるのではないでしょうか。

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