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GUNDAM NEXT FUTURE SCIENCE 展

九段下の科学技術館でガンダムのイベントをやっているということで先日行ってきました。

科学技術館、存在は知っていたのですが今まで行ったことがありませんでした。施設名と立地からしてかなりお堅いイメージがありますが、ここ実はけっこうアニメコラボ展示をやっていたり地下のホールでも頻繁にアニメ系のイベントが行われていたりする(ホールのほうはむしろアニメ・声優系のイベントで埋まっているくらい)んですね。

GUNDAM NEXT FUTURE SCIENCE展 ~未来の豊かな暮らしのために~ | 科学技術館

ガンダムという作品は宇宙開発やロボットを主たるモチーフとしているだけに、確かに科学技術関係の博物館とは相性が良い。会場を見渡すとガンダムをきっかけに子どもさんに科学に興味を持たせたいお父さんか、あるいは教育をダシにガンダムのイベントに行きたいお父さんが親子連れで来ている層が多いように見受けられました。

期間限定の特別展ながら通常の入場料(大人 ¥950)だけで全部見て回ることができます。こういうイベントは最低でも 2,000 円から、みたいなのが普通だからこれはありがたい。イベントの収益そのものよりは科学技術の振興を目的とした博物館ならではですね。

入場するといきなり 1/400 サイズのホワイトベースがお出迎え。かなり大きいからスクラッチビルドの展示品か…?と思ったら、そういえば二十年くらい前にプラモデルキットとして発売されてた!

こちらは 1/1700 EX モデルと思われるドック艦・ラビアンローズ(とラー・カイラム)。ガンダム関連のイベントでも展示されることの少ないモデルだからじっくり見入ってしまいました。

先ほどのホワイトベースと同スケールの 1/400 ムサイ。ホワイトベースよりもディテールが入っているように見えますね。
先日 1/144 ガランシェールの展示を見てきたところだから、この巨大なグリーンの艦体が余計にカッコ良く見えます。

なお本展示会は別にガンプラばかり飾られているわけではなくて、

現実世界での宇宙開発・ロボット開発の状況をリンクさせて見せてくれるのがこの展示の面白いところ。↑は米 Sierra Space が開発中の有翼宇宙船ですが、同様のコンセプトをもつ宇宙船として『閃光のハサウェイ』に登場したハウンゼンを引き合いに出して解説されています。宇宙世紀ガンダムの主要作品が履修済みであることを前提に説明されているのはちょっとハイコンテクストすぎやしないかと思いますが(笑)、ガンダムの世界観を理解さえしていればイメージしやすい内容となっています。

というわけで、現代のような宇宙飛行士ではなく一般人が宇宙で生活するようになったらどうなるのか…を考えさせてくれる展示だったのですが、そこに引用されているのが『逆襲のシャア』のラー・カイラムでのクェス・パラヤっていうのはどうなのかと(笑。劇中のクェス、シャアのもとに行くまでの間はほぼずっと居心地悪そうでしたよね…。

宇宙空間での快適な生活に必要な仕事という意味ではスペースデブリ(宇宙ゴミ)の掃除が挙げられます。無重力空間でのプチモビでの作業を想定したシミュレーターでデブリを掃除する体験が可能になっていました。単に展示物を見るだけでなくインタラクションのある展示が多数あったのもこのイベントの面白いところ。

けっこう衝撃的な小ネタをぶっこんでくるハロ(笑。
そういえば別作品ですが『シン・エヴァ』で「誰のおしっこかも分からないこの再生水と同じ。清めれば済むと思ってる」というセリフがあったのを思い出しました。水資源が限られる空間で水を再利用しなくてはならないのは当然ですし、おそらく蒸溜して再利用するから衛生的には問題ないはずですが…気分的には飲み込みがたい(二重の意味で)ものがありますよね。

唐突に大きめの展示物が出てきて驚いたのですが、これはなんと横浜ガンダムのビームサーベル(実物)。横浜で稼動展示されていた際にはここまで近づいて見ることはできなかったので、これは嬉しい。ディテールまで舐めるように見入ってしまいました。

その隣に展示されている 1/12 くらいのスケールのガンダム。手に持っているのはビームサーベルの光刃の部分がガラス管に置き換えられたもので、プラズマの発生装置に接続されていて疑似的にビームサーベルを発振できるようになっています。

明るい展示室内だとうっすらとしか視認できないのですが…よく見ると確かにビームサーベルのピンク色の光刃が出ています。設定上のビームサーベルは単なるプラズマではなく縮退させたミノフスキー粒子(メガ粒子)を I フィールドで刀身状に偏向させているということになっていますが、ミノフスキー粒子も I フィールドも架空のもの。現代でできるのはガラス管の中にプラズマ発光状態を作ることまでです。でもペンライト的なものを光らせるのではなく設定上のものに近いビームサーベルの動作状態が見られる、というのはたいへん貴重な機会です。

こちらもインタラクティブ展示。ハロが乗った多脚ロボットをラジコン的に操作できる体験です。こんな感じの作業ロボット、水星の魔女やガンダム 00 にいませんでしたっけね。

もっと大きな展示物もありました。実際に人間が四人乗れる四足歩行ロボット「SR-02」にハロの顔をつけたものです。歩き方はガンダム世界というよりは初期の『スター・ウォーズ』に登場するような感じですが、本当に人間を載せて歩けるというのを目にするとちょっと感動。

そして…横浜ガンダムのマニピュレーターまでもが展示されていました。これも横浜ではここまで近づいて見ることは叶わなかったものです。
単なる静展示に見えますが、

ちゃんと制御装置がついていて動かしてみることができます。時間帯によっては実際に来場者が動かしてみる体験も可能な模様。

このtネジ界、横浜ガンダムに併設されていた展示施設「GUNDAM-LAB」をもっと深くてマニアックな内容にしつつ現実の宇宙開発と絡めた説明も一緒にしてくれるようなイメージです。

というわけで展示後半は横浜ガンダム関連が中心。まあ横浜ガンダム(およびお台場ガンダム)も担当した乃村工藝社がこの展示会の企画に参画し、ロボット関連の展示は横浜ガンダムの制御を担当した吉崎航氏とアスラテック社が協力しているようだから当然ですかね。

そんな一連の展示の中に唐突に出てくる解体匠機 ν ガンダム!なんの脈絡もない(笑
でもこれだけ大型の商品だとガンダム関連のイベントでも展示されることは少ないので、他の展示と同じくらい見入ってしまいました。

さらに解体匠機サザビー!
ν ガンダムのほうは見たことがあったけどサザビーの実機を見たのは初めてのような。PG Unleashed はディテール過剰でクドいと思うけど、解体匠機のディテールはリアリティーが感じられていつまでも細部を見ていられる気がします。

こちらは横浜ガンダムの稼動検証に使われたミニチュアモデル(といっても 1/10 スケールくらいある)。
検証段階では旧お台場ガンダムのデザインで検討されていたんですね。「お台場ガンダムそのままのデザインのものが歩く」というコンセプトでもインパクトは大きかったのではないでしょうか。まあ最終的な横浜ガンダムは可動のクリアランスや末梢の軽量化のためにあえてアレンジされたデザインになったようですが。

横から見ると、この時点で既にガンダムを背後から腰で支えて上下/前後移動させる G-CARRIER のコンセプトが採用されていたことが分かります。

その隣には横浜ガンダムのショルダーアーマー(実物)が。
パーツ単位で見るだけでも、かつて見上げる(か G-DOCK TOWER から見下ろす)しかなかった横浜ガンダムの大きさが実感できます。この大きさのものが実際に動いていたんだからなあ。そういえば、来年の大阪万博ではこの横浜ガンダムが非稼動状態とはいえ再び組み上げて展示されるということなので、今から楽しみです。

全体的にかなりマジメな展示でしたが、いつものガンダム関連のイベントとは違って現実の科学や生活とリンクさせた形で見て、考えることができる展示は興味深かったです。部分的とはいえ横浜ガンダムに再会できたのも嬉しかった。

展示会は 10/22(火)までとのことなので、ご興味ある方はお早めにどうぞ。

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