「腹が…減ってきた!」
二年ぶりにドラマシリーズとしての『孤独のグルメ』が始まりました。史上初の劇場版を来年に控えて、今年のドラマはいつもとは趣向が異なる『それぞれの孤独のグルメ』と題されています。先ほど放送された第 1 話はイントロダクション的な位置づけで井之頭五郎の食事がメインでしたが、次回以降の五郎はむしろ狂言回しを担っていくのでしょうかね。
私はもちろん今回のシリーズでも聖地巡礼を続けていきます。第 1 話の舞台となった「中華飯店 一番」にも放送前に食べに行ってきました。サブタイトルは町屋となっていますが最寄りは都電荒川線の東尾久三丁目。荒川線といえば、Season3 に登場した酒鍋ととんかつの店「どん平」からもそう遠くない距離です。
なんかいい感じじゃないか。
中華一番。あまりにもなんでもない店名と店構えが、いま逆に新鮮だ。
中華は一人メシよりも複数人でいろいろ頼んでシェアしたほうが絶対楽しい、ということで複数人での訪店。到着した時点で席は埋まっていましたがそこは町中華、さほど待たずに店内に通されました。
放送を見て初めて気づいたのですが、座れたのはまさにゴロー席!第 1 話からこれはツイてる。
メニュー、めちゃくちゃ種類が多い。このビッチリ書き込まれたのがあと三枚、さらにセットメニューまであります。どれもおいしそうで目移りしてしまうし、この中からゴローが食べたであろう料理を放送前に引き当てるのは至難の業では。
まあとにかくおいしそうなものを頼むのが正道でしょう。十年以上も聖地巡礼してきた結果、食べ物の好みが五郎に寄ってきた自覚あるし(笑。
ともあれ生ビール!とつまみに生ザーサイ。
この日はかなり暑かったからビールがスルスル胃に通っていく。そしてザーサイが生というのがイイ。普通のザーサイよりもコリコリした食感と鮮度を感じる味がビールの相方として最適。
そしてピータンもいただきます。
ピータンってあんまり町中華で出てくるイメージがないけど、ここのピータンは本格的でしっかりうまい。同じものが中華街で出てきても違和感ない、そんなレベルの高さ。
彩り野菜サラダ+蒸し鶏トッピング。
名前の通り色とりどりの野菜がたっぷり入ったサラダ。想像してたよりずっと盛りが良い。個人的にはヤングコーンが入ってるのが嬉しい。
中華の前菜と言えば蒸し鶏だけど、それをこういう形でいただけるとは。
名前のインパクトに惹かれて注文したのは「もやしの黒コショウ和え」。
その名に違わず、山盛りのもやしが黒コショウで和えられてる。シャキシャキのもやしを黒コショウのピリッとした刺激が引き締めてくれる。これはうまい。
絶品中華つまみの連撃に、もう生ビールじゃおっつかない。
ここからは紹興老酒(ボトル)でいきます。普段はそんなに飲まない紹興酒だけど、うまい中華と一緒だとどうしてこんなにうまいんだ。
そして五郎’s セレクションにも選ばれた海鮮春巻き。この店の人気メニューの一つらしい。
といっても海鮮春巻き自体は割とどんな中華料理屋にもある定番メニューだし、どこが違うのかと思ったら、
「具が大きい」なんてもんじゃない!大ぶりのホタテやエビがほぼ丸々包まれてる。
店員さんのおすすめに従って花椒(ホアジャオ)塩で食べると、ゴロゴロ海鮮のうまみを花椒塩が引き締めてくれてうまい!
なるほど、肉のあん、いらない。ダイレクト海鮮。春巻き食べてこれほどうまいと思ったことないかも。春巻特許許可局に申請した方がいいよ。
小籠包も良い。モチモチで厚めの皮の中からアツアツ、ウマウマなスープが飛び出してくる本格派。そのまんま口に放り込んで火傷するんじゃなくて、レンゲの上で皮を破いてまずはスープからいただくのが正しい食べ方です(鼎泰豐で学んだ)。
いやーうまい。この店、蒸し物もいけるのか。
からの、焼き餃子。劇中では太田光演じる大将がいっぱい仕込んでたのにゴローは食べなかったやつ(笑
本格中華っぽい料理が続いたと思ったら、一気に町中華になった。そうそうそう、こういうオーーーソドックスな焼き餃子でいいんだよ。
ここで真打ち登場、とばかりに海老チャーハン。
って、何これ!チャーハンの表面を大ぶりの海老が埋め尽くしている。こんなに豪華な海老チャーハン、食べたことがないぞ。
うっほ、うまあああああい。
ゴロゴロ入った大量の海老も最高だし、米の一粒一粒に味がしみてる。この海老チャーハンは俺の町中華観を覆したかも。
そして壁の短冊メニューを見てから気になっていた「カキ香り揚げ 薬味のせ」。
カキ自体は小ぶりだけどサクサクの食感と香り、それに薬味の組み合わせがとても良い。
この店、いろんな味、香りが次々に現れる。
うまみの万華鏡(カレイドスコープ)だ。
これまた短冊メニューから「豚肉とレンコンの四川風炒め」。
レンコンのシャクシャク感がいい!一緒に炒められてるタケノコとズッキーニがレンコンとは微妙に食感が違うのも面白い。そして四川のピリ辛、これは紹興酒もいいけど白飯が欲しくなるうまさ。
海鮮食って、さらに肉まで。我ながら元気な胃袋だよなあ。
麺類もなんかいっときましょうか。迷った挙げ句選んだのは定番の五目そば。
ここにも大きめの海老がゴロゴロ。この店、海鮮を扱わせると本当に輝くなあ。
海老を筆頭にいろんな食材のうまみがとろみのあるあんかけに閉じ込められて、それを絡めて食べる麺のうまいこと!
この店のおいしさを一杯で総括してくれる、そんな五目そば。
こんなに多種多様なメニューがある店なのにハズレなし、どれもおいしい。「中華飯店 一番」、看板に偽りなし。
デザートには杏仁豆腐。お店の手作りと思われる杏仁豆腐、ちゃんと杏仁の香りがしておいしい。
そして周りにたっぷりのゴールドキウイが添えられているのも超うれしい。ゴールドキウイ大好きなんですよ。
ちなみに、壁メニューの上を見て驚愕。かつての人気料理バトル番組『料理の鉄人』の三鉄人(道場六三郎・坂井宏行・陳建一)のサインが!陳建一のサインが飾られてる中華料理店はけっこうあるけど、三人揃ってるのは初めて見ました。実はここ相当な名店なのでは。実際にあの番組の撮影に協力したこともあるそうですね。
昨今は町中華が流行ってますが、この店は町中華と侮るなかれと言いたくなるハイレベルな店でした。この店はどんなメニューで進もうとも、幸福に空腹を満たすいい旅ができそうな気がする。
こんな店が近所にある人が羨ましい。まだまだ食べたいものいっぱいあるからなあ。改めてまた来させてもらいますよ。
ごちそうさまでした。
コメント
こんにちは。年明けに初めてコメントさせてもらった基本ROM専の者です。再び匿名でのコメント失礼致します。
ドラマ版孤独のグルメの新作放送開始と共に、主様の聖地巡礼レポートの新作が見れることがとてもとても嬉しくて、コメントせずにはいられなくなってしまいました。
ドラマは勿論、主様の聖地巡礼も無事に完走されることをお祈りしつつ、新作レポートも過去のレポート達も楽しませていただきます。頑張ってください!
コメントありがとうございます!二年ぶりにこのシーズンがやってきてしまいました。
今回は劇映画もあるのでそっちはどこまで巡礼できるかまだ分かりませんが、ドラマ版の方は基本的に東京近郊が中心のようなのでとりあえず行けるところまで行こうと思います。
ぜひ食べたいと思っていただけるような写真とレポートを目指しますのでどうぞご期待ください!