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オデュッセイア [IMAX] @109シネマズ二子玉川

クリストファー・ノーラン監督の最新作、一般公開は9/11ですがIMAXで先行上映が開始されたので一足先に観てきました。

オデュッセイア

オデュッセイア

私のホームである品川IMAXが改装に伴う休館中(IMAX以外のスクリーンは営業中)ということで今回は二子玉のIMAXまで。都内で最強のIMAXスクリーンは池袋のシネマサンシャインですが、あっちは競争率が高くて良席が取れませんでした。二子玉のIMAX、スクリーンが大きいのはいいけど箱が狭くて良い席が限られるのがちょっと厳しい。

ギリシャ神話に基づくホメロスの叙事詩『オデュッセイア』の映画化です。主人公オデュッセウスを演じるのはマット・デイモン。『インターステラー』『オデッセイ』に続いてまたしても遠征した先から帰れなくなってしまうマット・デイモンさん…。余談ですが同じマット・デイモン主演で『オデッセイ』は原題『The Martian(火星の人)』、本作『オデュッセイア』は原題『The Odyssey』なのが紛らわしい。ちなみに英語の「Odyssey(長い冒険の旅)」という単語はオデュッセウスの逸話が語源になったようですね。

「トロイの木馬」で有名なトロイア戦争。その木馬作戦を立案実行したのがギリシャ・イタケーのオデュッセウス王でした。戦争の終盤、オデュッセウス王がトロイアを滅亡させるところから映画は始まります。終戦後、祖国に帰還する途上でさまざまな神、魔女、モンスターと遭遇するオデュッセウスの苦難が物語の主軸。それとの対比として、国で王の帰還を待つ王妃ペーネロペーとテレマコス王子、そして王妃と再婚することで王座を狙う求婚者たちの駆け引きが描かれます。

本作は史上初の全編IMAXカメラでの撮影も話題。確かにIMAXらしい広大さと緻密さが同居する映像は圧巻でした。特にロングショット(引きの映像)はまるで神話時代のギリシャに入り込んだように感じました。一方で機動性の低いIMAXカメラはアクションシーンを撮るのが苦手で、せっかくのアクションが細かいカットの繋ぎ合わせでしか表現できていないのはやや残念ポイント。機材は適材適所で使い分けてこそだと思うけどなあ。でも総体的にはIMAXの追加料金を支払うに相応しい映像体験でした。また音響もすごくて、特に戦闘シーンや嵐の場面では足元から風が起きるほどの重低音。

ノーラン作品といえば『インターステラー』や『テネット』のような時空のトリックを使った難解な構成と斬新な映像表現のイメージがあります。しかし本作はSFではなく神話であり、そういったギミックはありません。それよりも起こったことを淡々と表現することで逆に登場人物の心理が際立つ、という作り方は『ダンケルク』のアプローチに近い。叙事詩を映画化するにあたり映像も叙事的にしたかったのが伝わってきます。苦難の旅の末にオデュッセウスが贖罪と弔いの境地に辿り着いたことがよく解る。
ただ、淡々としすぎて途中に登場した知恵と戦の女神アテナや海の女神カリュプソーが「これ誰だっけ?」となってしまったのも事実。まあギリシャ神話を詳しく知らなくても概ね理解できる作りではありますが。アテナ、ハデス、ポセイドン、キュクロプス(サイクロプス)、セイレーン…さまざまな創作やゲームを通じてこれらの概念に馴染みのある人は少なくないのではないでしょうか。私の入口は聖闘士星矢でした(笑

ノーランがギリシャ神話を題材に全編IMAXで撮ったというだけで観る価値のある映画だと思いますが、ガンダムオタク的には『閃光のハサウェイ』の設定の元ネタがどう描かれるかも注目ポイントでした。連邦側のエース機「ペーネロペー」とそれに内包される「オデュッセウスガンダム」、それと「キルケーの魔女」。正直なところオデュッセウスやペーネロペーの逸話がガンダムの設定にどう活かされているかは分かりませんでしたが(笑)、「獰猛な獣や男をおとなしくさせるキルケーの魔法」のくだりは本作の見どころの一つでした。めちゃくちゃ気持ち悪くて怖かった…!私の中でギギ・アンダルシアの見方が少し変わりそうです(笑
ちなみに『オデュッセウス』で王妃ペーネロペーを演じているのはアン・ハサウェイ、というのも紛らわしポイントです。

ホメロスの叙事詩原作の映画といえばペーターゼン監督、ブラッド・ピット主演の『トロイ』はもう二十年以上前ですか。あれは『オデュッセイア』の前日譚『イリアス』が元になっていましたが神々はほぼ登場しない人間の戦争モノとして描かれていました。本作も事前にはそういう作風の延長線上にあるのかと思っていたのですが、実際にはファンタジー要素もガッツリ描かれて『ロード・オブ・ザ・リング』的な感触もありました。
テーマも映像もかなり重たい作品だから二回目を観たいかと言われると微妙ですが、約3時間の上映がそれほど長いと感じないほど没入感のある映画でした。やっぱりノーランはすごいなあ。

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