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EOS 60D を見てきた

EOS 60D の先行展示が始まっているので、品川のキヤノン S タワーまで触りに行ってきました。

キヤノン / EOS 60D

Canon EOS 60D

第一印象は「あれ?なんか今までの二桁系 EOS とちょっと違う?」というもの。私が 30D→7D と乗り換えて中級機に抱いているイメージが少し高くなったからかもしれませんが、なんか佇まいが 50D までと比べてエントリー機然としているように感じました。全体的に撫で肩になったり、ペンタ部、特に Canon ロゴのあたりが EOS Kiss っぽい形状になったりしているからかもしれません。あと、ボディの面の取り方とか、モードダイヤルのあたりとか、EOS よりもむしろニコンっぽくなった印象も受けます。

持ってみた感覚では想像以上に軽い。まあ、私が最近使っているのは EOS 7D+バッテリグリップと比較的長いレンズ中心で、素の 60D と EF18-55IS の組み合わせではそりゃ軽くて当然ですが(笑、これ案外 7D や 5D2 のサブに 60D ってアリじゃない?と思ってしまいました。

Canon EOS 60D

EF-S18-135IS を装着した展示機も並んでいました。18-55 との組み合わせだとどうにもエントリー機でしたが、18-135 くらい存在感のあるレンズならちゃんと中級機に見えますね(笑。でもどうせ組み合わせるなら 15-85 がいいとは思いますが・・・。


Canon EOS 60D

背面は今までの二桁系 EOS とは大きく印象が変わりました。やっぱりバリアングル液晶の存在感が大きいですね。私はこの横開き式のバリアングル液晶は、上下のアングルでのライブビュー時にはレンズの光軸と画面が横にずれるので、ちょっと気持ちが悪い気がします。まあ縦開き式だと光軸が縦にずれるし、NEX のような屏風式だと縦位置撮影に弱いので、一長一短ではありますが。

Canon EOS 60D

ボタン類のレイアウトも大幅に変わりました。従来であれば液晶の左に縦並びに(機種によっては下に横並びに)配置されていた各種ボタンが、バリアングル液晶の機構に追われてサブ電子ダイヤルの周辺に散りばめられるように配置されています。
それぞれのボタン配置にはまあそんなに不満はないのですが、このボタンたちの異形さはちょっといただけないなあ・・・。
マルチコントローラ(十字キー)も従来のスティック型からサブ電子ダイヤルと同軸のディスク型ボタンに変わりました。こいつのおかげでサブ電子ダイヤルが回しにくくなっている気がするんですが、慣れで解決するものなのでしょうか・・・?

あとファインダ/ライブビュー切り替えボタンも単機能になっていて、静止画/動画の切り替えスイッチがなくなっていますが、これはモードダイヤルに吸収されたようです。動画撮影時にはモードを切り替えて、ということですが、最近のカメラは静止画も動画もシームレスに扱えるのが売りの一つだったりもするので、これは吉と出るか凶と出るか。

Canon EOS 60D

軍艦部、そのモードダイヤルの中央には謎のボタンが。最初何か分からなかったんですが、モードダイヤルのロック解除ボタンのようです(これを押しながらでないとモードダイヤルが回せない)。確かに、不意に何かに触れてモードが切り替わっていて、それに気づかないまま撮影していて設定が変・・・ということはまれにあるので、これは助かるかも。

サブ液晶の前についているボタンも従来とは違い、1 ボタン 1 機能に簡略化されています。今までは例えば測光モード/ホワイトバランス、AF モード/ドライブモードなどのように 2 機能が割り当てられていて、ボタンを押した後にメイン電子ダイヤルを回すかサブ電子ダイヤルを回すかで変更される設定値が違う、という仕様でした。これはこれで慣れれば素早く操作できるのですが、慣れないとメイン電子ダイヤルを回すべきところでサブ電子ダイヤルを回してしまってあああ・・・ということが起きがちなので(私は今でもしょっちゅう)、これはこれでわかりやすくて良いと思います。

でもいっぽうで、ボタンに割り当てられている機能が削られたのに総ボタン数はほとんど変わっていないので、つまりはボタンで直接操作できる機能が減ったということ。あまり深く使い込んでいないので分かりませんが、ホワイトバランス・ISO 感度・ストロボ調光補正は割り当てられているボタンがなくなったので、(ユーザーカスタマイズができないとすれば)それらの調整はメニュー経由になるか、オート任せということになります。
最近はフルオートでも外れることはかなり少なくなってきているので「任せる」という割り切りはアリだとは思いますが、それはイコールこの機種が従来の二桁系 EOS に比べてエントリー寄りに位置づけられていることの発露である、とも言えるので、中級機ユーザーとしてはいろいろと考えさせられるところ。7D 持ってるからいいんですけどねー(棒読み

Canon EOS 60D

バッテリグリップを装着した個体も置いてあったので、これも触ってみました。
ついていたレンズは 70-300IS・・・だけど、残念ながら新型の L レンズではなく、従来型。

Canon EOS 60D

αも使っている身としては、αの縦位置グリップと比べると EOS のバッテリグリップは角材を握っているような使い勝手で正直好きじゃないんですが、この 60D 用のバッテリグリップは悪くないかも。30D や 7D 用のバッテリグリップはかなり直線的な形状でお世辞にも握りやすいとは言えないのですが、60D 用のこれは比較的 1D 系の縦位置グリップのように曲線的で指掛かりが良く、レリーズボタンの下も抉れたような形状になっていて、従来よりもずいぶん握りやすくなっているように感じました。

Canon EOS 60D

背面側もバッテリの形状から制限はありながらも、多少は配慮して曲線的な形状になっています。マルチコントローラがメインダイヤルに一体化されたことは、縦位置を考えると親指がなんとか届くようになったぶん、メリットと言えるかもしれません。
αの縦位置グリップに比べるとまだまだではありますが、EOS のバッテリグリップとしてはよく頑張ったと思います。できれば 7D 用もこの仕様で II 型を出してほしいくらい。

続いて、軽くですが撮影の快適さについて。
ショールームで展示品の鉄道模型を撮ってみた程度ですが、AF は二桁系 EOS らしく高速で、安心して任せられそう。ファインダは視野率 96%・倍率 0.95 倍のペンタプリズムなので可もなく不可もなくといったところですが、7D を使ってしまうとさすがにちょっと物足りないですね。広くてピン山が掴みやすいだけでなく、ファインダを覗きながら両目を開いてフレーミングできる快適さは視野率 100%・倍率 1.0 倍のファインダでなければできないこと。これに慣れてしまうと、もう 100% 等倍でないファインダは使いたくないとすら思ってしまう、魔性のファインダです(ぉ。
画質についてはメディア持ち出し不可だったので語れませんが、サンプルを見る限り 7D や KX4 で十分に枯れたイメージャを使っているおかげで、画質的には 7D すら凌駕する部分があるようです。

総じて従来の二桁系 EOS から 7D や 5D にステップアップしてしまったユーザーにはちょっと物足りないと思いますが、コンデジや Kiss からのステップアップには十分魅力的なカメラだと思いました。ただ、開発思想がどうしても従来の中級機よりはエントリー寄りになっているので、いずれさらなるステップアップを目指したい人にはちょっとがんばって 7D をオススメします。Kiss でもそんなに不満はないけどもう少しシャッターチャンスに強いボディに買い換えたい場合や、あるいは今はコンデジだけど一眼にステップアップしたい人(でこだわりたい人)のエントリー機として、であればけっこう文句なくオススメできると思います。
そういう意味では、結果的に 60D という名前はついていますが、50D までとは明らかに狙いが違うカメラなので、違うネーミングルールで名付けても良かったんじゃないかと思いました。

ということで 7D いいですよー 7D(まて

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