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F1 リアム・ローソンがレッドブル昇格

レッドブル、角田裕毅に翼授けず。セルジオ・ペレス後任の来季ドライバーとしてリアム・ローソン起用を正式発表

日本時間の本日未明、レッドブルがセルジオ・ペレスのチーム離脱を発表。そこから半日あまり経って夕刻、その後釜としてリアム・ローソンがジュニアチームから昇格してレッドブルのセカンドシートに就くことが発表されました。

F1 デビューから四年、特にこの二年は三人のチームメイトを圧倒し、戦闘力に欠くマシンで何度も入賞してみせた角田は先日のアブダビテストを経ていよいよシニアチームに抜擢されるか…と期待されましたが、残念なことにそれは現実にはなりませんでした。角田としてはレッドブルグループとホンダの契約最終年を RB 改めレーシングブルズにて全うすることになります。
ローソンが悪いドライバーだとは思いませんが、過去 2 シーズンの結果を見る限りこのタイミングで角田を昇格させない合理的な理由が見当たらない。要は速さや結果ではなく政治で決まった人事ということでしょう。ただそれもまた F1 ではあります。一部で今回の件を「人種差別」という文脈で語っているのを見かけますが、私は純粋に政治的駆け引きの結果だと推察しています。おそらくレッドブルとホンダの関係が 2020 年頃のまま続いていたら、今頃角田がレッドブルに乗っていたに違いありません。

かつて才能ある若手ドライバーをどんどん発掘し、伸びしろがないと見切れば容赦なく切り捨て、結果としてセバスチャン・ヴェッテルとマックス・フェルスタッペンという偉大なチャンピオンを二人も生み出したレッドブルでしたが、ディートリッヒ・マテシッツがこの世を去り、貪欲に勝利を目指すレーシングチームの姿は過去のものとなったようです。まあ、チームとしての判断基準が変わってしまったことは少なくとも今年初めのお家騒動の時点で明らかになっていましたが。

とはいえ、角田の昇格見送りは何もレッドブル側の事情だけで起きたことではなく、ある部分では 2021 年にホンダが F1 からの撤退を発表した時点で決定的になっていたのでしょう。角田はある時点からホンダの育成ドライバーではなく単にホンダの支援を受けているだけのレッドブル育成ドライバーということに(表向きは)なっていましたが、2026 年のホンダ F1 復帰とアストンとの提携発表によりレッドブルは角田のことをいずれホンダに掻っ攫われるものと見ていたはずです。つまり角田はは 2025 シーズンまでの間にホンダの PU 供給に手を抜かれないための人質、兼アルファタウリ/RB 内のドライバーベンチマーク以上の役割は与えられてこなかった、ということが改めて明らかになりました。

TSU

今回の件は、個人的には 2008 年にホンダワークス代表のニック・フライの保身のためスーパーアグリチームが潰された事件と、同年末にドライバーテストの結果トロロッソに内定していたはずの佐藤琢磨がレッドブルの内部政治の結果反故にされた事件を思い起こします。あの年もホンダワークスを応援する意欲がさっぱり湧きませんでしたが、2025 年のレッドブルに対しても同じ感情を抱くことになるでしょう。私自身は今、ホンダやレッドブルがどうこうという以上に角田裕毅というドライバーが F1 のトップチームで活躍する姿が見たくて F1 を観戦していると言って良い。2008 年もホンダ以上に琢磨と SAF1 を応援していました。

ともあれ、2025 年に角田がやるべきことは一つ。チームメイトが誰になろうとも圧倒し、戦闘力の明らかに劣るレーシングブルズのマシンでレッドブルのローソンと同等以上の結果を残すこと。そうすれば、2026 年に向けて他の上位チームからの引き合いも増えるはず。個人的にはニューウェイが開発指揮を執るアストン・ホンダに乗ってほしい気はしますが、角田自身のキャリアを考えたらそろそろレッドブルともホンダとも離れて角田自身が F1 界での居場所を作るべきではないか、と考えています。

来年はどこかのチームに軸足を置かずに角田裕毅個人を応援しようと思っています。

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