「はぁ~、蕎麦屋のはしご、最高」
ドラマ『それぞれの孤独のグルメ』出雲出張編、聖地巡礼レポートの続き。
というわけで、私も井之頭五郎に倣って出雲そばのはしごに挑戦してきました。
次なるお店は荒木屋と同じ道沿いを出雲大社方面に数分歩いたところにあるこちらのお店です。
おお、かなり立派な店構え。でも飲食店というよりは地元の名士の邸宅という雰囲気。古民家をリノベして蕎麦屋にした感じだろうか。
ちなみに 11:00 開店の荒木屋で食べてきたらこちらのお店の 11:30 開店にちょうど間に合い、またしても一巡目で入店できました。我ながら完璧なはしご蕎麦リレー。
店内、めっちゃ民家感。というか、自分の旧実家の座敷の雰囲気によく似てる。いかにも老舗の蕎麦屋という荒木屋の雰囲気も良かったけど、この店のまるで実家に帰ってきたかのような安心感も良い。妙に落ち着く。
他のお客さんが老若男女、ちっちゃいお子さん連れがいたりするあたりも親戚の集まりっぽくてしみじみする。
開店待ちで私の前に数組の先客がいたのですが、入店してみるとまるで私のために空けておいてくれたかのようにゴロー席が残っていました。
掃き出し窓際の見晴らし席。↑の写真がまさに五郎’s ビュー。これもまた、実家の縁側からの眺め感ある。
メニュー。この店もサイドメニューは少なめでシンプルに蕎麦で勝負。でも「のやき」はやっぱり定番らしい。
何を食べるかはもちろん決めてきてあるけれど、店ごとの割子そばの味の違いをちょっと試してみたくもある。…いやいや、夜もたくさん食べなくちゃいけないんだからここは無理せず。
鴨居に吊るされた短冊メニュー、達筆で味あるなあ。
定常メニューには載ってなかった生湯葉そばってのも気になるし、店員さんが他のお客さんに勧めていた「いか丼」ってのにも惹かれる。きっと良いイカが仕入れられた日だけ出現する品に違いない。
庭や店内を見渡しているうちに注文した釜揚げそばが運ばれてきました。
讃岐うどんの店で食べる釜揚げうどんは好物だけど、蕎麦の釜揚げって初めて。普通の温かい蕎麦とはどう違うんだろう?
ああ、なるほど。これは蕎麦がそば湯に浸かって出てくるのか。確かに、まさに釜揚げ状態。
そこに直接つゆをかけて自分で調味しながら食べるという。割子そばといい、出雲の蕎麦はつゆをかけるのが基本なんだな。
では、いただきます。
ほーう、面白い。
トロトロ系のそば湯の中につなぎの少ない蕎麦が入ってる感じ。蕎麦はコシが弱くて、どこまでが蕎麦でどこからが蕎麦湯なのか…境界線が曖昧にも感じる、まったりとした食べ心地。
つゆを入れないとかなり淡泊で、味よりも蕎麦と鰹節と海苔の香りが主体。つゆは遠慮なくたっぷりかけた方が私好みでした。
そこで活躍するのがこの薬味たち。
ネギともみじおろしで味を引き締めても良いし、大根おろしと柚子でさっぱり香ばしくいただくのも良い。ちょっとずつ味変しながら楽しむのがこの釜揚げの醍醐味とみた。
つゆかけ式、いいな。自分好みに育てていけるのが楽しい。
トロットロのそば湯で身体が芯から暖まるのもありがたい。この寒い日に冷たい割子そばを食べて、温かいものが欲しかったところにちょうど良い。ただ、まだ暑かった頃にこれを食べた松重さんはきっと暑かっただろうなあ(笑。
どうしても気になっていた「いか丼」も追加で頼んでみました。
イカの切り身だけでなくゲソも入ってるのが嬉しい。それにたっぷりの刻みネギ、刻み海苔とおろし生姜。まさに港の漁師メシといった趣。白く透き通ったイカ刺、故郷を思い出す。これまた醤油をちょくせつぶっかけていただきます。
イカのうまみとたっぷりめのネギと生姜の風味がいい。
我、ただこれをかっこむのみ。
割子そばに続けての釜揚げそば、おいしかった。出雲の蕎麦ってこんな感じなのか。
そういえば松重さんのサインはどこにあるんだろう…と思ったら、なんとテーブルの裏に直接書かれていました。今まで軽く 100 店舗以上は巡ってきたけど、こういうパターンは初めて。文字の乱れ具合からしてテーブルの下に潜って上向きに書いたんだろうなあ(笑。
ごちそうさまでした。
夜も地元のうまいもの、食べられますように。
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