ある女性による殺人事件の裁判に、12 人の陪審員が招集された――。
前回紹介した『十二人の怒れる男』のパロディ。個人的には知ったのは元祖よりもこちらのほうが先だったりします。昔ちょっとだけ芝居をやっていた頃、とある友人から「演劇やるなら『12 人の優しい日本人』を演ってほしいなー」と言われたのが、この作品の存在を知ったきっかけでした。
その後、この作品に関わることなく演劇の世界から遠ざかってしまったのですが、DVD の時代になって再会した『12 人の優しい日本人』。邦画 DVD って安くないんですが、これは迷うことなく買ってしまいました。
実はこれ、東京サンシャインボーイズ時代の三谷幸喜の脚本なんです。
確かに密室、群像、特定シチュエーションといえば三谷脚本の代名詞。三谷作品の原点といえる作品かもしれません。
『怒れる男』以上にステレオタイプな 12 人の男女と、もし日本に陪審員制度があったら・・・という設定で繰り広げられるコメディ。しかしオリジナルと最も異なる設定は、被告人が若くて美しい女性だった、ということ。それだけではなく、オリジナルにはないあともう一転がある(それも最も三谷幸喜らしい展開で)、オリジナルを知っている人にも先が読めない展開が、『怒れる男』のパロディでありながら全く別の作品として楽しませてくれる脚本に仕上げています。
キャストも最近悪役の多い相島一之が真面目なサラリーマン役だったり、若かりし頃の豊川悦司が謎の自称弁護士として登場していたりと見どころ多し。
オリジナルとは違って見終わった後に残るものもさしてないんですが、むしろそれが三谷作品のエンタテインメント性なんでしょうね。
ところでつい最近知ったんですが、現在この『優しい日本人』を久々に再演しているらしいですね。
って東京公演は年末に終わってるしorz 今回のキャストも面白そうな顔ぶれだし、もっと早く知ってればチケット取ったのになー・・・。
コメント
凄く関係の無い話ですが、大好きなドラマ「相棒」で、
主人公の恋人が海外赴任になって出番が無くなって
「うわー、今後この二人はどうなるんだろう?」と
思っていたら、赴任した恋人役・鈴木砂羽はこちらの
舞台が赴任先だと最近知りました(笑)。
いーなー、舞台見たいなー。先ずは映画からですが。
鈴木砂羽、いい役者さんですよねー。
同世代の女優さんの中でも白眉だと思ってます。
一昨年の『新選組!』では主役以外が錚々たるキャストだったにも
関わらず微妙な内容だった中で、山南敬助(堺雅人)と明里(鈴木砂羽)の
別れの場面が唯一泣けるシーンだったのを覚えてます。
ちなみに、ドラマの登場人物が突然死んだり海外に行ったりして
いなくなるのはよくある話で、舞台なんかでは『オケピ!』の主役
白井晃さんが舞台のために直前までレギュラーで出ていたドラマを
「転勤」という設定で降板していたりしました。
『12 人~』はオリジナルと併せてかなりいい作品なので、
一度観てみることをオススメします。
『逆転裁判』好きなら気に入ると思うよ(笑。