ヨーロッパGP決勝:ヴァレンシア1人目のウィナーはマッサ、2位ハミルトン (GPUpdate.net)
初開催のヴァレンシア。初めてのコース、スリッピーな路面、迫るコンクリートウォール・・・「荒れる」グランプリを予想していましたが、意外とアクシデントの少ない落ち着いた内容で、混乱を期待していた立場としてはちょっとつまらなかったかも、というレースでした。
優勝はポールトゥウィンのマッサ。こういうレースでのマッサは本当に強い。前戦ハンガリーもラスト 3 周でのエンジンブローさえなければ余裕の勝利だったわけで、そういう意味では今最も乗れているのはマッサかもしれません。でもレースが荒れるとイギリス GP のような走りをするのもマッサなわけで、そこを克服できるかが今後ハミルトン追撃の鍵となりそうです。
2 位のハミルトンは全く危なげないレース。彼もタイヤトラブルさえなければ本当に安定していて、マシンもコースコンディションによってフェラーリと一長一短出るものの十分に速い。ポイント上もトップだし、今後のグランプリに持ち込まれるタイヤがどちらかというとマクラーレン有利の組み合わせということもあって、やはり現時点で最もチャンピオンに近いのはハミルトンですかね。
最近どうもおかしいライコネンは、2 回目のピットストップ直後にエンジンブローでリタイア。ハンガリーでのマッサと同じトラブルと思われますが、その前のピットでのアクシデント(給油リグが抜ける前にスタートしてしまった)といい、審議になった(結局注意と罰金のみでリザルトには影響なかったとはいえ)マッサのピットストップといい、最近のフェラーリのレース戦略やピット作業のまずさはほんとにどうかしてる。まあ、ミハエル&ブラウンが抜けた今、もともとのイタリア気質が戻ってきただけなのかもしれませんが。でも、それを置いても最近のライコネンはどこかおかしいように見えるのは、私だけではないはず。チャンピオン獲得のためにクレバーな走りをするライコネンも、走りに対する純粋なモチベーションを失ったライコネンも、どちらも見たくないです。
今回良かったのはトロロッソのヴェッテル。金曜フリー走行 1 でのトップタイムに始まり、Q3 進出から 6 位フィニッシュ。決勝ではそれほど目立った走りはしていなかったようですが、それでもトロロッソのマシンでこのリザルトは立派でしょう。現 F1 ドライバー随一の才能がいよいよ開花し始めたように見え、来年のレッドブルでの走り(と、フェラーリも BMW も目をつけていると言われているその先のキャリア)が本当に楽しみなドライバーです。
日本勢は今回もトヨタが良くダブル入賞を獲得。トゥルーリはここのところずっといいですが、グロックもここ数戦は走れている印象で、互いに良い影響を及ぼしあっているように見えます。コンストラクターズランク 4 位もかなり堅いところに来たのでは。
いっぽうのホンダは相変わらず・・・。
中嶋一貴はあと一歩で Q3 という、久々に良い予選を見せてくれました。決勝ではいきなりアロンソに追突(見た感じ不可抗力っぽかったですが、地元アロンソを撃墜してしまったのは興行的にはまずかった)してしまい、入賞は絶望的に。それでも終盤はバリチェロをズバッと抜く気持ちの良いオーバーテイクを見せてくれ、腐っていないところを示してくれたのが、今後という意味では良かったかも。
2008 シーズンも 2/3 を終え、残すところあと 6 戦。いよいよ終盤戦にさしかかってきました。王者ライコネンが一歩脱落しかけてきたようにも見えますが、去年のような逆転劇はあるのか。ナンバーワンドライバーをちゃんと決めたチームが勝つのか、ジョイントナンバーワンでも勝てるのか。次は F1 グランプリの中でも随一の難コースであるスパ・フランコルシャン、2 週間後が今から楽しみです。
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