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F1 ドイツ GP 2009

ドイツGP決勝:ウェーバーが132戦目の初優勝!! (GPUpdate.net)

おめでとうウェバー!

3 週間前のシルバーストンと気候的にはよく似たニュルブルクリンク、低温のグランプリとなれば今やレッドブル RB5 の独壇場。ブラウン GP には辛いレースになると思われましたが、果たしてその通りに。

予選は雨もパラつき、めまぐるしく変わる路面状況にうまく(あるいは運良く)クルマを合わせ込むことができたチーム/ドライバーが前方のグリッドに。Q2 で会心のラップをたたき出したバリチェロのアタックは白眉でしたね。
Q3 はそれほど荒れなかったものの、改良されたマシンで気を吐くハミルトンを上回ったレッドブルとブラウン GP の 4 台が順当にフロント/セカンドローに収まりました。ウェバー→バリチェロ→バトン→ヴェッテルという並びですが、ブラウン GP の 2 台とレッドブルの 2 台では 15kg ほども積載燃料の差があり(もちろんレッドブルのほうが重い)、このコースコンディション下でのマシンの優劣が分かろうというもの。
これはスタートからウェバー先行→バトンとバリチェロに抑えられてヴェッテルが前に出れず、ウェバーが逃げる→初回ピットストップの間にヴェッテルがブラウン GP を交わして 1-2 体制→そのままフィニッシュ、ブラウン GP はどうがんばっても表彰台がいいとこだろうな、と思っていたら、ほぼそのままの結果に。


想定外といえば KERS を搭載したマクラーレンとフェラーリのスタートが非常に良く、スタートで前に出たコヴァライネンにバトン・ヴェッテルが引っかかったことくらいでしょうか。バトンとヴェッテルはこの数周でほぼ勝利のチャンスを失いました。
逆にウェバーはスタート直後のバリチェロとの(半ば恣意的な)接触でドライブスルーペナルティを取られはしたものの、入り乱れるピット戦略で計算上の争いになったレースを制し、結果的にポールトゥウィン。初めての PP (1 回くらい獲ったことあったはず、と思ったら初でしたね)に加えて、念願の初優勝!現在の F1 の中においては苦労人だけど良いドライバーだと思っていたので、個人的にもとても嬉しいです。(勝手なイメージだけど)あまりジョークを言わなさそうな、アメコミに出てきそうなあの濃ゆい顔が、ポディウムの頂上でニッと白い歯を見せて笑い、頭からシャンパンを浴びる様子を見て、つい胸が熱くなりました。
2 位はタイヤ戦略に失敗して自滅したブラウン GP を交わし、スルッとポジションを上げたヴェッテル。もちろん勝ちたかったレースでしょうが、今回はチームメイトの勝利を賞賛していましたね。これからチャンピオン獲得を狙うチームで、ドライバー同士のキャラや年齢差あってこそのものだとは思いますが、こういう爽やかでスポーツらしい関係っていいなあ。いっぽうブラウン GP はバリチェロの妬みが相変わらずのようですが、だってそこは指揮官があのロス・ブラウンだから仕方ないでしょう(笑。

敗れたブラウン GP の 2 台はマシンがサーキットに合っていなかっただけでなく、完全に戦略ミス。3 ストップが裏目に出たのに加えて、バリチェロは 2 回目のストップで給油リグのトラブルに遭いタイムロス。最終的にバトンとバリチェロが順位を入れ替えて 5-6 位がやっとでした。今年はほぼどのグランプリでも 3 ストッパーがことごとく失敗していて、順当な 2 ストップ(変則 2 ストップも含む)か下位スタートになった場合は 1 ストップか、しか選択肢がなくなっているような気さえします。今回のブラウン GP は軽タンアタックで PP が獲れなかった時点で負けが確定していたようなものですが、自分たちで傷口に塩を塗ってしまいました。

それでもまだマシだったと言えるのは、バリチェロのピットイン時のトラブルが原因でバトンが上位でフィニッシュしたこと。これでバトンはレッドブルの 2 人に対する失点を少しでも抑えることができました。2 人のドライバーを対等に競わせるレッドブルと、結果的にとはいえ事実上のエースドライバー制を敷くブラウン GP という構図が、この先のチャンピオンシップにどういう影響を与えるか、見ものです。
シーズンもちょうど折り返し地点を過ぎ、8 戦を残してバトンとヴェッテルの差は 21pt。マシン性能的には既に RB5 が BGP001 を凌駕したように見えていますが、気温の高いサーキットで今の RB5 と BGP001 を比較したデータはなく、それはおそらく次のハンガロリンクで明らかになるはず。フェラーリやマクラーレンもじわじわと速さを取り戻しつつありますし、まだまだ混戦は続きそうです。

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