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PowerShot G1 X を見てきた

先日の CP+ のときに触れなかった PowerShot G1 X を触りに、品川のキヤノン S タワーに行ってきました。お昼休みの S タワーは意外なほどに穴場。

キヤノン / PowerShot G1 X

どどん。やっぱりデカいです。CP+ の展示でも大きさは伝わってきましたが、単品での展示、さらにレンズキャップまで付いているとなおのこと威圧感がありますね。

現行の PowerShot G12 との比較。正面からの投影面積では、確かに G1 X のほうが大きいながらも、それほど大きな差はないように見えますが・・・、

上から見るとこのとおり。ボディのサイズ感だけならそれほど違わないまでも、グリップの出っ張り、レンズの出っ張り、さらにレンズキャップの出っ張りまで合わせると持ち運び時の厚みは G12 比で 1.5 倍くらいあるように感じます。これはカバンの中でもかなり嵩張るんじゃないでしょうか・・・。

PowerShot S100 との比較、というか比較にならないほど G1 X は別物のカメラになってしまいました。コンデジとか高級コンパクトとか呼ぶのがおこがましいです。フォーサーズ級のイメージセンサにコンデジとしては考え得るほぼ全ての機能を詰め込んでレンズ一体型なら、これくらいの物量になってもしょうがないとは思えるのですが。
逆に PowerShot S100 がいかに絶妙なバランスの上に成り立っているかというのを改めて実感する差です。


かなり威圧感のあるレンズ。フォーサーズ相当のイメージセンサに 28-112mm F2.8-5.8 相当というスペックのレンズをつけるとこうなる、というのをまざまざと見せつけられます。これだけ前玉が大きいとボケ味や描写がどの程度のものなのか気になりますね。

このレンズ、繰り出し量がけっこう大きくて、

ワイド端(28mm 相当)でもこれだけレンズが飛び出します。

テレ端(112mm 相当)だとここまで出て、重量バランス的に本体だけでは自立できない状態になります。

レンズリングは、PowerShot S100 のようにコントロールダイヤルとして使えるのかと思って回してみたら、外れちゃいました(笑。
調べてみたら、マクロライト装着用のアダプタ(別売)をつけるために取り外せるようになっているようです。

内蔵ストロボはポップアップ式。けっこう高さが出るようにはなっていますが、テレ端で 112mm 相当のレンズなので、どこまで届くかは不明。まあその気になれば EOS 用のスピードライトを外付けすることもできるので、内蔵はあくまで非常用といったところでしょうか。

グリップは拳銃のグリップのようなパターンでカットしてある金属製で、重厚感があります。で、その上に付いている一眼レフライクな電子ダイヤルで、絞り等を調節するようになっています。このあたりは一眼レフユーザーにも受け入れられる作り。

背面に回ってみましょう。キヤノンの伝統的な横開きタイプのバリアングル液晶に、ボタン配置等は他の PowerShot シリーズ等と共通のもの。操作系は S100 などとほぼ同じですが、S100 では絞りや露出は十字キーを兼ねたホイールの回転で行っていたのが、G1 X では露出は上面のダイヤル、絞りやシャッタースピードはグリップ部の電子ダイヤルで行うという違いがあります。このあたりは G1 X がコンデジよりも一眼レフ寄りという位置づけゆえでしょう。

上面につけられた二段式のダイヤルは、下が露出補正、上がモードダイヤルになっています。フジの X100 以降、露出補正がハードダイヤル式という機種が徐々に増えてきていますね。
ズームレバーはシャッターボタンを囲うように配置されています。これは設定次第でステップズーム式の動作に変更することも可能。シャッターボタンは半押し時の感触が緩く、半押しのつもりがシャッターが切れてしまうことが多いように感じたのは、あまり私の好みではありませんでした。

背面から見たときのデザインはかなりごつごつしていて、良く言えばクラシカルですが、個人的にはむしろ「デザインされていない」という印象を受けました。S100 のように小ぎれいに、とはいかないまでも、もう少し現代風にまとめてほしかったところ。

UI も S100 あたりとかなり共通しています。違うのは絞りや露出を変更するときに回す物理ダイヤルが違うだけで、UI の動作はほぼ同じ。

ISO 感度や連写モード、撮影解像度の設定などは [FUNC. SET] キーを押してメニューに入っていくのも S100 などと同じ。PowerShot/IXY ユーザーであればすんなり移行できるでしょう。

撮影時には背面ディスプレイにヒストグラムや電子水準器まで表示できるのも、一眼レフ的な機能満載の G1 X ならでは。これだけ見るととてもコンデジの画面ではなく、一眼レフでライブビュー撮影しているかのようです。

ただ難点をあえて挙げるとすれば、光学ファインダが単に「ついているだけ」というレベルであること。レンズとのパララックスが発生するのはまあ良いとしても、ファインダを覗くと必ずレンズリングが映り込んでしまって、これではフレーミングさえまともにできないと感じました。まあ撮影はほぼ液晶モニタで行い、光学ファインダはよほど日差しが強くて液晶が見えにくい屋外などに限定されるとは思いますが、曲がりなりにも視度調節つきの光学ファインダでこのレベルはないんじゃないの?と思ってしまいました。

全体的な感想としては、まあ PowerShot シリーズのフラッグシップとしては機能てんこ盛りだしよくできているんだけど、じゃあ誰が買うんだろう?と考えると少し難しいカメラなのかな、と思いました。センサが大きいのはいいとして、ミラーレスや Kiss ではなくあえて G1 X、という選択をする決め手に欠けるというか。クラシカルなデザインも相まって、「レンズ交換式にはもう億劫になったカメラ好きの初老男性」みたいなところは思い浮かぶのですが、それ以上の想像ができないんですよね。
逆に言えば、一眼レフやミラーレスのサブ機としての PowerShot S100 のバランスが秀逸すぎて、G1 X が新機軸と言えば聞こえは良いけどニッチ方向に行かざるを得なくなってしまった、キヤノンのカメララインアップの悩みみたいなものが見えるカメラです。

これを踏まえて、ミラーレスがどういった形でいつ出てくるのか?というのが余計に気になってしまいました。

キヤノン / PowerShot G1 X

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