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映画『寄生獣』 @TOHO シネマズ日本橋

映画『寄生獣』

寄生獣

TCX スクリーンにて鑑賞。

漫画『寄生獣』を読んだのは確か、大学時代に部室に単行本が一式置いてあったからじゃなかったかな。何気なく手に取ってみたら引き込まれ、一気に読まされてしまったのを覚えています。描写はグロいし展開はハードだけど、いろいろ考えさせられる哲学的な内容で、それまで読んできた漫画とは一線を画する作風が強く印象に残りました。
その『寄生獣』が映画化するというので…基本的にコミック原作の日本映画には否定派な私ですが、気になるわけです。で、平行して放送されているアニメ『寄生獣 セイの格率』のほうを試しに見てみたら、思っていたより全然悪くない。これなら、映画もそこまで悪くないだろうと思って、映画館に足を運んでみました。


映画は前後編の二部構成。後編は来年 4 月公開予定とのことです。前半は、パラサイトの登場から「島田事件」~広川登場まで。人間社会にパラサイトの存在が公知となるまでが描かれており、後編では人類とパラサイトの全面対決が描かれることになるようです。
物語は前後編の 4 時間に収まるようかなり改変が加えられています。けっこうな数のキャラクターやエピソードが省略され、話の順序や設定まで含め大胆に再構成されているにもかかわらず、それほどひどい改悪という印象はなく、むしろうまく組み直してきたように思います。まさかアイツがアイツになる、なんて設定変更は予想していなかったので驚きましたが…。全体的に母性というか母子の関係性に焦点を当てた脚本になっていて、原作とは少し違うメッセージ性が込められています。

難点を挙げるとすれば、主役の三人かなあ。新一と里美の二人は現代風のキャラクターになっていて原作ほどの重みが感じられないし(逆に今の若者からは感情移入しやすいのかも)、何よりミギーの声が「ミギーらしくない」。阿部サダヲという俳優自体は個性的で好きなんですが、ミギーを演じるにはコミカルすぎで、感情が前面に出過ぎな印象。役回り自体が原作とは違ってマスコットキャラ寄りに位置づけられているようですが、もっと抑揚のない冷たい声で無感情に喋るほうが合っていると思います。そういう点では『セイの格率』の平野綾の声のほうがハマッていますね。

でも脇を固めている俳優陣は錚々たる顔ぶれだし、映像は全体的に重いし、戦闘シーンはかなり原作イメージ通りだし、『寄生獣』の実写映画化としては成功と言えるレベルだと思います。個人的には、ホラーは嫌いじゃないけどグロが苦手なので、漫画やアニメ以上に直視できないシーンがちょっと多かったですが…。

ここから後編はどういう展開になっていくのか。楽しみな反面、前編のテーマ改変具合からすると、もしかするとヒューマンドラマ寄りのオチにされてしまいそうなのがちょっと不安ではあります。必ずしもスッキリしない、深く考えさせられるラストになっていてくれるのを期待しています。

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