『シン・ゴジラ』を観た興奮が冷めやらず、この本を買ってきてしまいました。
CGWORLD なんて超久しぶりに読みました。かなり専門性が高い雑誌なので、門外漢が普段から読むようなものじゃないんですが、こういう技術面が気になる作品を観たときに特集が掲載されているとつい手を出してしまいます。
表紙からして全力でフィーチャーしていますが、冒頭から 26 ページにわたる大特集が組まれていました。
例によって未見の人はこのままブラウザそっ閉じ推奨します。
ゴジラの造形は、いきなり 3DCG でモデリングしたわけではなく、まずは立体模型を作った上でそれを 3D スキャンしたデータからモデルを起こしてそれを動かしているとのこと。劇中のゴジラはカメラワークの速さもあってディテールをもっと見たい感覚があったので、ここで模型の写真がじっくり見られるのは嬉しい。こうして見ると、ゴジラの進化過程がよく解り、とても興味深いです。
東京駅周辺の映像は実写に CG を合成しているのかと思ったら、実写の撮影に制限があるエリアなので全部 CG で作ったとか(!)。雑誌の属性的に特撮関連の内容がほとんどなく、CG にまつわる工程を中心に開設されていることを差し引いても、この作品は大部分が CG によって成り立っているんですね。それをあえて特撮っぽい見せ方で表現している、というのが逆説的で面白い。
モニターグラフィックス好きとしては、こういうちょっとした素材まで掘り下げてあるのが嬉しい。
CG 関連の詳細だけでなく、(CG 部分中心ではあるものの)製作工程全体が解説されており、非常に興味深い特集でした。まずは全体のボリューム感やテンポを掴むためにラジオドラマを録り、それをもとに脚本を見直した上で全編のプリヴィズ(ビデオコンテ)を作成した上で本撮に挑むという、大変手の込んだ工程となっています。まあ上流に手間をかけた方が下流での手戻りが少なくクオリティも高まるというのはどんな仕事にも通じることではありますが。
このあたりの話は東洋経済オンラインにも一部掲載されているので、まずはこれを一読すると良いかも。
「シン・ゴジラ」が人々を惹きつける真の理由 | 東洋経済オンライン
劇場での展開は、来週後半からまさかの IMAX 上映が復活するらしいので、私も時間を見つけてもう一度観に行きたくなってきています(笑。
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