ユーカリスタジオに遊びに行った帰りに、そのまま同ビル内にあるイオンシネマにて鑑賞。ギリギリ 3 月中に観に行けました。
漫画やアニメの実写化ってあまり賛成しない派なんですが、この作品は期待していました。配役が外見上もかなり原作のイメージを踏襲しながら、実力も兼ね備えた俳優陣が揃っていることと、予告編もちゃんと原作の世界観を踏襲した雰囲気だったので。と思ったら、監督は『るろ剣』実写版の人と知って納得。あれも漫画の映画化としてはちゃんとしてたからなあ。
私は漫画原作は未読ですが、先日まで NHK で放送されていたアニメは一通り観ました。この実写映画前編は、基本的にこのアニメの 1st シーズンとほぼ同じ部分について映画化したものでした。が、新人王戦とか後藤関連とか、ちょいちょいアニメ版には未出のエピソードが織り交ぜられていて、若干ネタバレ食らわされた感があります(;´Д`)ヾ。
配役に関しては、主人公・零を演じた神木隆之介はもう彼しかいないというか、彼がいたからこれが映画化できたんじゃないかと思えるほどのハマり役ですね。中でも「みんなオレのせいかよ!?」の絶叫シーンは特に圧巻でした。
他にもこんなあかりさんがいる家になら俺だって転がり込みたくなる倉科カナとか(ぉ)、スクリーンに出てきた瞬間に「島田だ!」と理解できてしまった佐々木蔵之介とか、押さえるところをちゃんと押さえています。特殊メイクで二階堂役を演じた染谷将太は「怪演」と呼ぶべき弾けっぷりでしたが、個人的には二階堂の「アツいんだけどちゃんと育ちの良さを感じるキャラ」の後者の方がどうも足りていない感はありました。林田先生役の高橋一生もイイ味出してたけど、静かな職員室で PC 画面(対局中継)を見つめながら突然バンザイするシーン、完全に巨災対の安田じゃないか(笑
でも一方で、何でもかんでもイメージ通りでキレイに作っていたら「よくできた映画化」以上にはなり得ないわけですが、そこにあえて引っかかりを作ったのは零の義姉・香子を演じた有村架純ではないでしょうか。超正統派のイメージが強い彼女にこれだけ棘のある役をやらせつつ、ちゃんと成立している。『ビリギャル』もやっていたので崩れた役の経験はもちろんあるんでしょうが、ここまでダークサイドというか、キツい役どころは今までになかったはず。そのギャップも含め、彼女の存在がこの作品を締めていると感じられました。
原作へのリスペクトに溢れた良い映画だと感じましたが、唯一惜しいのは「ちょっと重すぎる」こと。アニメでも半年かけた内容を二時間強の映画に詰め込んだからやむを得ないのでしょうが、アニメではシリアスなエピソードに川本家や林田先生に絡んだ緩いエピソードをうまく挟んで緩急がついていたのに対して、この映画版ではそういうシーンが序盤くらいしかなく、とにかくシリアスで重いシーンの連続。終演後にはどっと疲れていました。それだけ、将棋シーンも含め緊迫感のある良い映像だったということでもあるのでしょうが。
後編は 4 月下旬の公開。アニメ版を観る前に先のストーリーを知ってしまうのはちょっと悔しいんですが(笑)、公開されたらそちらも観に行く予定です。
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