スポンサーリンク

F1 モナコ GP 2021

F1モナコGP決勝:レッドブル・ホンダのフェルスタッペンが完勝で選手権首位に。PPルクレールに悲劇、角田裕毅は16位
F1モナコGPの決勝レースでは、レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンが今季2勝目を挙げた。角田裕毅は16位だった。

昨年の中止から二年ぶりの開催となったモナコ GP はレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンが快勝し、ホンダ製 PU 搭載マシンとしては「あの伝説の」1992 年のセナ以来 29 年ぶりの勝利を手にしました。同時にドライバーズ/コンストラクターズともに今季初めてフェルスタッペン/レッドブルがランキングトップを奪い、チャンピオンシップの行方は再び分からなくなりました。

■マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)

ハミルトンがマシンセットアップを外して予選から決勝まで下位に沈み、PP を獲得したルクレールがマシントラブルで DNS、3 位スタートだったボッタスはピットイン時にタイヤが外れないトラブルが出てリタイヤ、とライバルが軒並み自滅していく中、フェルスタッペンだけはほぼ無風のレースでした。予選もルクレールのクラッシュに伴う赤旗がなければ PP を獲得できていた可能性もありますが、決勝はホールショットを決めた後は後続とのギャップをうまくコントロールし、危なげなく勝利。やはりハミルトンがいなければ今シーズンのフェルスタッペンは無敵だということがよく分かるレースでした。

ポルトガルとスペインではメルセデスの総合力とハミルトンの強さに完敗で、このままだとフェルスタッペンの戴冠はもうないんじゃないか…と絶望的な気持ちにもなっていましたが、今回は完全にやり返した形。木曜フリー走行ではセットアップを外したような気配もありましたが、土曜日までに修正してきたことも含め、週末の組み立ては完璧と言って良かった。スペインでの敗戦から学んだ結果だとすれば、今季はこの先もメルセデスと勝ったり負けたりの接戦を期待して良さそう。ハミルトンがここまでグダグダになることは年間 2~3 戦あるかどうかですが、こういうときにポイント差を稼いでおけることが重要です。今回のメルセデスのような不運が逆にレッドブルにも今後起こり得るわけで、いかにそういうレースを少なくし、勝てるレースを確実に勝って負けても 2 位、という戦いを積み重ねていけるかがチャンピオンシップを分けることになるでしょう。

■セルジオ・ペレス(レッドブル・ホンダ)

ひとつの判断基準となる 5 レース目を迎えました。予選はトラフィックに阻まれたこともあり 9 番手に沈みましたが、決勝はペレスらしいタイヤマネジメントが光りピット戦略で 3 人抜き、また 2 人がリタイヤしたことと併せて 4 位フィニッシュ。表彰台には惜しくも届かなかったものの抜けないモナコで順位を 5 つ上げたのは立派です。タイヤをセーブしつつ走ってオーバーカットを成功させた走り(しかも戦略で抜いた 3 人にはハミルトンが含まれる)はペレスの真骨頂。まあ今回はライバルの自滅に救われた部分はあるし予選一発の速さは引き続き課題だけど、今回は十分ハミルトンのアシストになったと言えます。もうマシンにもある程度慣れたように見えるので、次戦以降は予選で二列目を確保してコンスタントに表彰台を争っていってほしいところ。

■ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)

今シーズンのガスリーは本当に乗れていますね。予選が何より大事なモナコで 6 番グリッドを確保しそのまま 6 位フィニッシュ。残念ながらピット戦略でペレスとヴェッテルに先行されたため実質的には 2 ポジションダウンでしたが、とにかく 78 周にわたってハミルトンを抑え込んだのが素晴らしい。今回のガスリーはそれだけで満点をあげても良いと思っています。
しかしオンボード映像を見ると弱アンダー好みのガスリーでさえモナコでは AT02 を曲げるのに苦心している様子が窺えました。これは角田が AT02 に苦労するのもやむなしと思います。

■角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)

フリー走行から決勝まで、速く走ることよりもミスなく周回を重ねることを重視していたように見えた今回の角田。FP2 では自らのクラッシュで、FP3 も他車のクラッシュに伴う赤旗で走れない時間も少なくありませんでした。また予選ではクリアラップが取れずにタイムを上げ損ない、残念ながら Q1 敗退。この時点で決勝は完走が実質的な目標になったと言えます。
決勝ではおそらくセーフティカー狙いのギャンブルでハードタイヤスタートの戦略を採りましたが、これが裏目に出てスタートでウィリアムズに先行され、角田の方がペースが良いにも関わらずラティフィを抜けないまま周回だけを重ねることになります。他車とピットインタイミングをずらし、セカンドスティントをソフトタイヤで走ったことで一時はファステストラップを記録するほどの速さを見せられたことが今回のハイライトでしょうか。せめて Q2 に進出できていれば入賞争いの目もあったと思うけど、今回は決勝でミスをしなかったことと内容の良い走りが見れただけでまずは十分です。まだあと数戦は学習優先でガマンのレースになるでしょうが、走り慣れているオーストリアやイギリスあたりから結果を出していけるような成長曲線を見せてほしいところです。

ということで今回はレッドブル快勝のレースでしたが、こういう惨敗の後は必ず強くなって戻ってくるのがメルセデスというチーム。二週間後のバクーもまた簡単ではないレースになると思いますが、レッドブル勢にはこの流れをうまく維持していってくれることに期待です。

コメント

スポンサーリンク
タイトルとURLをコピーしました