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EOS R3 の視線入力タッチ&トライ

先日正式発表された EOS R3、ショールーム等でハンズオンができるとのことで品川で触ってきました。

キヤノン / EOS R3

EOS R3

品川のキヤノン S タワー、ショールームは先日閉館してしまいましたがコミュニケーションスペース内の修理窓口の一角を利用してタッチ&トライコーナーが設けられていました。ハンズオンは予約制で、Web で申し込めるのかと思ったら電話のみという微妙なハードルの高さ。そのおかげかあまり混み合うこともなく、前後に他のお客さんがいなかったこともあって 15 分制限のところ 20 分近く触ることができました。
とはいえ昨日全部盛りな R3 の全容をこの時間内で試しきれるはずもなく、特に気になっていた視線入力周りに集中して試してきました。

EOS R3

基本的に操作系はいつもの EOS。プロ機だから(キヤノン公式には「ハイアマチュアモデル」に分類されているようですが)余計に冒険はせず使い慣れたボタン配置と操作性であることが徹底されています。初代 EOS R のマルチファンクションバーのような挑戦はないけどそれこそが上位機という感じ。
下位モデルにない操作系としては 1DX3 同様に親指 AF ボタンを兼ねたスマートコントローラー(AF 測距点選択のための光学式ポインティングデバイス)が搭載されていますが、後述する視線入力があればスマートコントローラーに頼る必要もほぼないかなという印象。

試写してみて驚いたのですが、R3 では出荷時設定がメカシャッターではなく電子シャッターなんですね。シャッターを切った瞬間に予想外の電子音が聞こえて面食らいました。高速な積層型 CMOS センサーの採用でローリングシャッター歪みが気にならないレベルになった以上あえてメカシャッターを使う必然性がなくなったということでしょう。最初はちょっと違和感がありましたが、一度電子シャッターに慣れた上でメカシャッターに設定変更して撮ると逆にファインダーのブラックアウトが撮影の邪魔になっていることに気づきます。ただ無味乾燥な電子音は「撮った感」に乏しいのでもうちょっと違う音を採用するかカスタマイズ可能にしておいてほしいところ。

レフレックス時代の EOS はいかにもメカトロの産物、その中でもメカの比重が大きいイメージがありましたが、物理的にミラーもシャッターも動かさずに 30 コマ/秒 の高速連写が可能になってくるといよいよ EOS がその名の由来である「Electro Optical System」の域に達したのだなあ…という感慨があります。

EOS R3

ボディの頭頂部には見慣れないシューカバーが装着されています。これはアクセサリーシューが単なるホットシューから電子接点が追加されたマルチアクセサリーシューに変更されたためで、外部フラッシュだけでなくワイヤレスフラッシュのトランスミッターやデジタルマイク等が装着できるようになっています。そのぶん追加された電子接点はかなり繊細で、シュー全体をこのカバーでがっちり保護することで本体の防滴性能を保証しています。ライバルの α では随分前に同様のマルチインターフェースシューを採用したことに対する批判も少なくなかったので、キヤノンが今になって同様のアプローチを採ってきたことには少し驚きました。

EOS R3

R3 のキモといえる EVF 周り、まず気づくのがアイカップが大きい!といってもこの大きさは視線入力のための LED やセンサーを仕込むために必要なもので実際の EVF は内側の枠のサイズにすぎませんが、この大きなアイカップのおかげで非常に見やすい。

文字通り「目玉機能」((c)mono-logue)である視線入力は「そうは言っても飛び道具で実用性はそこまででもないんでしょう?」と思っていたのですが、実際に使ってみるとキャリブレーション 1 回だけでも高精度に視線に追随してくれて驚きました。感覚的にはロボットアニメでよくあるアイトラッキングで敵機をロックオンしていくイメージ(さすがにマルチロックオンはできないけど)。
人間の視線って何かを凝視しているつもりでも無意識に周辺を走査してしまうものなので視線入力に全てを頼るわけにはいきませんが、動体撮影時であっても視線入力で被写体をフォーカスフレームに捉えたらシャッターボタン半押しで被写体をロックオン、あとは追尾 AF 任せで連写、が十分使い物になる印象。一度これに慣れてしまうとマルチコントローラーやスマートコントローラーでの AF フレーム選択にはもう戻れなさそう。

なお、スタッフの方に聞いたところによると視線入力のキャリブレーションは繰り返すことで精度を上げることができるそうです。キャリブレーションデータは最大 6 件まで登録でき、複数人で使い分けてもいいし一人でもメガネの有無等で分けてもいいけど、一人の場合は 1 件のデータに対してメガネ有無等の条件の異なるキャリブレーションを繰り返すとより精度が高まるとのこと。1~2 回のキャリブレーションでもけっこう十分な精度が出ていると感じましたが、さらに自分に馴染ませていくことができるのか…。
ちなみにキャリブレーションは EVF を覗き込んでキャリブレーションポイントを数点注視するだけなので、1 回あたり 15 秒もあれば完了します。もっとかかると思っていたのでやや拍子抜け。これなら繰り実施するのも苦になりません。

EOS R3

短時間だったため AF・視線入力と連写に関わる部分に限定してのハンズオンでしたが、それでも EOS R3 のポテンシャルの高さは十分に感じることができました。正直なところ、視線入力以外に関しては α1 の方が上回っている部分もあるし…と思っていたのですが、この視線入力が想像以上に強力でした。アマチュアでも(いや、アマチュアこそ、か)スポーツ撮影や野鳥撮影に威力を発揮するはず。おいそれと買える値段ではありませんが、これが進化してせめて R6 くらいの価格帯にまで入ってきてくれたら…と妄想せずにはいられません。

カメラ好きならば一度この視線入力を体感してみる価値はあるのではないでしょうか。

コメント

  1. […] 11月下旬発売がアナウンスされたEOS R3を試しに、キヤノン銀座のタッチ&トライに行ってきました。b’s mono-logさんも行かれて詳細なレポをあげているので詳しくはそちらを。というか、よく15分の短時間で(bさんの時は空いていて20分近く触れたらしいけど)試して写真まで撮って、ホント、高機動b型は黒いのに3倍速いと思います。 […]

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