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F1 サンパウロ GP 2024

フェルスタッペンが吠えた! 大荒れのレースで17番手から久々V。アルピーヌがダブル表彰台……角田裕毅7位|F1サンパウロGP決勝

アメリカ大陸三連戦のトリを務めるサンパウロ GP は雨天に翻弄される荒れたレースになりました。そんな中で久々にチャンピオンのチャンピオンらしい走りが見られたグランプリでもありました。

■スプリント

スプリントレースはマクラーレンの 1-2、しかもピアストリがノリスに優勝を譲ってドライバーズポイントを加点させる一方、フェルスタッペンは強引なオーバーテイクがペナルティーを取られてポジションを落とすという対照的な内容で、同様の状況が決勝でも続けばいよいよドライバーズチャンピオンシップの行方は分からなくなるのでは?と思わせました。が、決勝レースは全く違う展開が待っていました。

■レッドブル

予選は赤旗に振り回された結果レッドブルが二台揃って Q2 落ちの憂き目に。しかもフェルスタッペンは PU 交換のグリッドペナルティーもあり 17 位スタート。これでノリスが優勝したら一気に 20pt くらいは差を詰められるのでは…という状況でした。が、フェルスタッペンはスタート直後から驚異的な速さを見せ 2 周目が終わった時点で入賞圏に。さらにレース中盤の VSC 導入時にステイアウトを選んだことで 2 位に浮上、その後レースは赤旗中断されてマックスは労せずに 2 位のままタイヤ交換の権利を得ます。リスタート後はアルピーヌのオコンを抜くだけという簡単なお仕事で、あとはペースをキープしながらチェッカーまで走るのみでした。
ここのところ荒っぽいレースで自らポイントを失うケースも多かったフェルスタッペンでしたが、サンパウロでは久しぶりに本領を発揮しましたね。ウェットコンディションでマシン性能差が出にくかったこともありますが、フレッシュ PU の出力に助けられた部分もありそうです。これでチャンピオンシップは残り 3 戦で 62pt 差、もう決定的となったと言って良いでしょう。早ければ次のラスベガスでチャンピオン確定する可能性も十分にあります。

■アルピーヌ

まさかここにきてアルピーヌがダブル表彰台とは誰が予想したでしょうか。オコンはこういう荒れた展開には滅法強いイメージがあるしチームも腐っても本名門だからこういうときに光る采配を見せることもありますが、それにしても今回はステイアウトの判断が完璧にハマりましたね。個人的にはガスリーが今季ずっと辛そうだったから久しぶりに良い笑顔を見ることができて嬉しい。
コンストラクターズポイントも一気に大量加点してハースを上回り 6 位に。コンスト 6 位争いはもうハースと RB の戦いだと思っていたところに思わぬ伏兵が登場しました。アストンマーティンがパッとしない今、どのレースも 8~10 位近辺は中団チームでも狙える状況にあるだけに、これは最終戦まで目が離せそうもありません。

■RB

まずは予選。刻々と変わりゆくコンディションに見事に合わせきって角田 3 位、ローソン 5 位!これがまず素晴らしい。角田は予選でのキャリアハイを記録しました。
決勝はスタート直後から 1-2 位のノリスとラッセルについていくことはできませんでしたが、むしろ角田は後ろを抑え込む走りに徹していたように思います。状況が変わったのはこちらも中盤の VSC 導入時点。ステイアウトしたフェルスタッペンとは逆に角田とローソンはピットインしてフルウェットタイヤに交換し、雨脚の強くなったところで追い上げを狙います。実際ラップあたり 10 秒近いペース差で追い上げ始め、これはいよいよ表彰台に手がかかる、あるいはもっと上も狙えるか…と思った矢先に激しい雨を理由にセーフティーカー導入、そしてコラピントのクラッシュにより赤旗中断。角田は結局ポジションを上げられないままインターミディエイトに履き替えてレース再開、その後も決して悪くない走りで 8 位フィニッシュ(ピアストリの 10 秒ペナルティーにより 7 位に繰り上げ)。
僚友ローソンも安定感ある走りで 9 位に入り、RB チームとして久々のダブルポイントを獲得しました。メキシコではペレスとの接触でいろいろあったローソンでしたが、今回はフェルスタッペンにはあっさり道を譲った一方でペレスには鬼ブロックしていたのには笑ってしまった。

RB のダブルポイントは喜ばしい一方で、ちょっとした展開の違い次第でもっと良い結果もあり得たと思うと複雑な気持ちです。とはいえあの状況でのウェット選択はタイム差を見る限り正しかったと思うし、いつ誰がクラッシュしてもおかしくない状況で SC を導入するのも間違ってはいません。でも SC 導入のタイミングはいかにも中途半端だったし、そもそもこんな簡単に SC が出る=ウェットタイヤでも危険と判断されるようなレギュレーションなのにウェットタイヤが存在していること自体が矛盾している。水飛沫を激しく巻き上げて視界が悪くなるグラウンドエフェクトカーで走らせるなら、ウェットタイヤなんて用意しなければ良いんですよ。

といろいろ言いたいことはありますが、期待したほどの結果に結びつかなかったのは残念だけど今回は内容が良かったことに満足しています。特に角田に関してはローソン再加入後に悪い流れが続いていたのが予選順位でもこの 3 レースでの合計獲得ポイントでもローソンを上回り、さらに印象的な走りを見せられたことが素晴らしい。この調子で最終戦まで結果を出し続け、来季のレッドブルのシートを何としても掴んでほしいものです。

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