スペインから一週間のインターバルを挟んで「超高速三連戦」の初戦となるベルギー GP は、またしてもハミルトンが完勝。どころか 1~6 位までが完全にスターティンググリッド通りという波乱の少ないレースでした。
予選ではこれまでのレースでハミルトンに 1 秒差をつけられることが多かったフェルスタッペンが 0.5 秒差で 3 位。これだけ見るとメルセデスとレッドブルの差が縮まったかのように見えますが、次戦イタリアからパワーユニットの「予選モード」が禁止されることを受けてメルセデスが今回から予選モードなしでのパフォーマンスをテストした結果ではないかと思っています。実際にホンダの田辺 TD も同様の可能性を指摘しているようですね。とすると、全チームが同条件になるイタリア以降は再び 1 秒とは言わないまでも 0.5~0.8 秒くらいの予選タイム差を見せつけられることになるのかもしれません…。
決勝はトップ 3 がいずれもミディアムタイヤでのスタートとなった時点で趨勢が決した感じでしたが、序盤のジョヴィナッツィのクラッシュ→セーフティカー導入時にほとんどのドライバーがハードタイヤに交換して走りきる戦略を採ったところで、後は降雨か再度の SC 導入以外でレースに動きがないことが確定。トップ 3 がそれぞれタイヤ寿命に苦しみながらペースコントロールするだけのお仕事でした。
これほど彼我戦力差がありながらも何とかメルセデスに食らいつき、マシントラブルでリタイヤした開幕戦以外は全て 3 位以上でフィニッシュし続けているフェルスタッペンは改めてすごいな…とは思いますが、ほぼ毎戦変わらぬ表彰台の顔ぶれを見るのも少し疲れてきました。サーキット特性的に似たような展開が予想される次の 2 戦はもう見なくてもいいのでは…?と感じてしまうあたり、本格的にやばい。
そんな退屈なレースを唯一面白くしてくれたのはアルファタウリのガスリー。スタートでは唯一ハードタイヤを履いてミディアムタイヤ勢を攻略し、これは戦略が奏功すればかなり上位に食い込めるのでは、と期待させてくれました。残念ながら序盤の SC 導入でハードタイヤ戦略はフイになったものの、中盤にミディアムタイヤに交換してから再びオーバーテイクを連発。いったんはほぼ最後尾まで落ちながらも最終的にレーシングポイントまでも攻略して 8 位フィニッシュ。ドライバー・オブ・ザ・デイにも選出される活躍でした。いっぽうアルボンとクビアトは期待外れな結果で、ともにチームメイトとの明暗がハッキリ分かれた形に。F2 ではホンダ育成の角田裕毅が今季既に 2 勝を挙げ、シーズン後の F1 冬季テストでアルファタウリに乗ることが確定したようですが、来年のレッドブル/アルファタウリのドライバーラインアップはどうなることでしょうね。
そういえばマシントラブルで出走できなかったサインツがピットで来季の移籍先であるフェラーリの体たらくを目の当たりにして厳しい表情を見せる場面が国際映像に抜かれていましたが、今から契約を反故にしてレッドブルに帰ってきても良いんですよ…?
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