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劇場版 魔法少女まどか☆マギカ〈ワルプルギスの廻天〉 [LIVE ZOUND] @チネチッタ

本日封切りの劇場版、ネタバレを避けるべく早速観に行ってきました。

劇場版 魔法少女まどか☆マギカ〈ワルプルギスの廻天〉

劇場版 魔法少女まどか☆マギカ〈ワルプルギスの廻天〉

テレビ放送から15年、映画『〈新編〉叛逆の物語』からも既に13年という時が経って改めて製作された続編です。
テレビシリーズはもうこれ以上足すことも引くことも難しいほどの完成度でした。それに後日談を加えた「叛逆」のラストも衝撃的でした。物議を醸す結末だったけどああいう余韻を持ったまま完結、とするのも美しい…と思える怪作だったと思います。そしてその「新編」からの続きとなる「ワルプルギスの廻天」。作中最強の魔女であった「ワルプルギスの夜」、円環の理に導かれて消滅したそれがこの物語のキーとなることはタイトルからも明らか。どんな話になるのか怖いけど見てみたかった。

※ちなみに作品の公式が9月12日までのネタバレ防止を呼びかけていますが、タイムラインに流れてくる情報ではなくわざわざこのエントリーを読みに来ているならばあなた『覚悟して来てる人』ですよね。この先は映画のネタバレを多分に含みます。これから映画を観に行くという方はいったんブラウザーを閉じて鑑賞後に読むことをお勧めします。

■冒頭

前作からの続きの話ということでどういう形で始まるのかと思ったら、最初のエピソードは「『トカゲさん電話』のウワサ」。まどマギを観に来たと思ったら外伝『マギアレコード』の続編が始まったのか?とミスリードさせるようなミステリアスな展開が秀逸でした。しかも冒頭の女の子が変身する魔法少女が外見も能力もほぼ暁美ほむらの引き写しという点が「ほむらが能力を貸しているだけ」というのが分かりやすい。ほむらは悪魔として一般の女子中学生を騙してはいるけど、魔獣退治に利用しているだけで特に危害を加えているわけではないあたりが善性の顕れだと感じます。

■新魔法少女:紫丁香とセルマ・テレーゼ

CVが他作品での印象が強い二人だったから世界観に馴染むかどうか不安でしたが、始まってみたら全然杞憂でしたね。
この二人はまどかの願い(魔法少女の魔女化を防ぎたい)とほむらの願い(第一の願いはまどかを護りたい、だけど第二の願いは見滝原の魔法少女仲間と楽しく暮らしたい)を否定する役どころとして出てきました。そうすることによってまどか(円環の理)と悪魔ほむらによって改変された世界を否定する、が物語を動かすキードライバーとなるわけですね。群れたくない魔法少女がいることはこれまでのシリーズでも示唆されてきましたが、魔女化のない世界を否定する魔法少女がいることは盲点でした。
ちなみにこの二人と後述のワスは魔法少女でもさやかのような円環の従者でもなく、魔女の力を持ちながら魔法少女の姿で蘇った「魔女っ子」という存在なんですね。パンフレット読むまで気づかなかったよ!しかもここで唐突に擦られる東映の魔女っ子概念。

■ワスとワルプルギスの夜

序盤から登場する謎の「誰も名前を知らない魔法少女」。ワスっていう名前はエンドロール見て初めて知ったんですけど本編中で誰も言及してないですよね。
存在の怪しさといい映画のサブタイトルといい、ワスが「ワルプルギスの夜」の魔法少女(魔女っ子)形態であることは早い段階で推測できました。そういえばテレビシリーズではどういう経緯で発生して何が目的か不明だったワルプルギスの夜=舞台装置の魔女はメタ的な意味でも「舞台装置」としてしか扱われてきませんでしたが、改めてその謎を解いていく話ならば劇場版のテーマに相応しい。
その正体は魔法少女の救済の願いを代償に魔法少女となった修道士でした。願いの根源が鹿目まどかと相似形であり、最終的にまどか=円環の理に自身の救済を求めたことはまさに因果。本来の歴史においてワルプルギスの夜が最終的に見滝原に現れたのは救済のためだったのか…と思うとテレビシリーズのストーリーと美しく繋がる。この構成には膝を叩かされました。

■既存魔法少女の活躍

前作まででそれぞれ神と悪魔になったまどか/ほむら、それと新魔法少女(魔女っ子)の三人がどうしても目立ってしまう中で既存の魔法少女たちがどう活躍するかは見どころでした。でもそれぞれマイナーチェンジされた魔法少女衣装(追加要素はいずれも拘束具イメージらしい)、以前よりも互いの親密度が増した関係性、13年経ってもまるで前作が昨日だったかのように変わらず聞こえるCV、などどのシーンも満足度が高い。しかしそれ以上に各キャラクターに「言ってほしかった台詞」や「やってほしかったアクション」といった見せ場がちゃんと用意されていたのがありがたい。いずれも涙腺が決壊する場面でした。
そして今回から本格的にレギュラー化された百江なぎさ(旧:お菓子の魔女)、前作ではもう一つパーソナリティーが見えないキャラでしたが本作では一見最も幼いのに見滝原の魔法少女の中で最もドライで白黒つけにいくタイプだったのが味わい深い。

劇場版 魔法少女まどか☆マギカ〈ワルプルギスの廻天〉

■暁美ほむらの願い

自分が悪魔に堕ちてでも鹿目まどかという「個」を円環の理から取り戻したい、という願いが前作と本作の根幹でした。が、ほむら視点で見ると本作のラストではその願いは前進どころかむしろ後退したように見えます。でも、魔法少女と悪魔が敵対関係で終わった前作から考えると本作では見滝原の魔法少女たちはほむらと対立しながらもほむらのエゴを理解し、背中を押してくれる関係に変化したことは事実。次回作があるとしたらこの関係性の変化を経て、ほむらがまどかへの想いに決着をつける話になるんじゃないでしょうか。それが、ほむらがまどかへの執着を昇華させる(自ら円環の理となったまどかの意思を理解する)のか、ほむら自身が円環の側に行く結末なのかは分かりませんが。

■総評

先が読めないストーリー展開、情報量の多すぎる脚本と映像、そして旧作を明らかに上回る映像美とアクションで2時間があっという間でした。話には何とかついていけたけど感情が追いつかなかった。音響面ではバトルシーンはサラウンド感がすごく活きていてチネチッタのLIVE ZOUNDを選んだ甲斐がありました。でもドルビーアトモスやIMAXだとどうなるかも体感してみたい。
それにしても、前作が「余韻を残したまま続きが作られない完結」としても成立するラストだったのに対して本作は明確に次を予感させるラストでした。アニプレックスって一回ヒットしたら味がなくなるまで噛ませるよなあ…というところがあると思ってはいますが、次をやるとしたら今度は13年も待たせずにもっと短いスパンでお願いしたい。

私はムビチケを2枚買っておいたからあと1回観に行けるのですがどうしようかなあ。もう少し考察を深めてから2回目に行きたい気もしつつ、でも来週以降は『オデュッセイア』の先行上映が始まってIMAXが埋まってしまいそうだからIMAXで観るなら早めがいいのかなあ。

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