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「左手シャッター」で料理写真にライブ感を

私はあまり自分の舞台裏とか努力の跡とかを表に出したくないタイプなのですが、最近あちこちで言及されることが増えてきたので、一度ちゃんと解説しておくことにします。

左手撮り

私が飲食系エントリーでよく使うこの撮り方。冷静に見ると、普通じゃ撮れませんよね。

料理写真のおいしそうな撮り方っていろいろあると思いますが、個人的には一般的な写真のセオリーに従って撮るだけでなく、こういう食べる直前の一瞬とか、肉にナイフを入れる瞬間とか、盛りつけを崩したりかき混ぜたりしているシーンとか、そういう「これから食べようとする瞬間のライブ感」を出すことで食欲をそそり、盛りつけられた皿を普通に撮るよりもいっそう美味しそうに見せることができると思っています。
私はグルメ番組の評論家のように「雨上がりの庭を傘を差した女の子が歩いている情景のような風味」みたいな気の利いた解説(ぉ)ができないので、写真でお店の雰囲気とか料理のおいしさを伝えられたら、と思って料理写真を撮るようにしています。

一般的には右手で箸を持つ人が多いので、カメラを右手で持って左手で箸を持っては不自然。右手で箸を持ちつつ、自分と同じ視界の写真を撮ることで、食事のライブ感を表現しようというのがこの撮り方。

左手撮り

このとき、カメラはこのように左手で構えています。ミラーレスカメラを使って、人差し指の付け根から親指までの部分でレンズの根元を支え、薬指と小指でカメラのグリップをホールド。人差し指または中指でシャッターボタンを押しています。人差し指もレンズの外周に沿って支えるようにしたほうが安定するので、シャッターボタンを押す指は状況によって使い分け。左手だとどうしてもブレやすくなるので、できる限り安定したカメラの構え方を模索した結果、このスタイルに落ち着きました。

カメラはコンデジよりもミラーレスの方が、レンズがしっかりしているぶん安定する印象ですね。NEX シリーズや α6000 ならグリップの厚みがあるので構えやすい感じ。レンズはできるだけ寄れるのが良いので、通常ならばマクロレンズが良いんでしょうが、個人的には絞りの明るさや色乗りの良さで Sonnar E 24mm F1.8。このレンズ、簡易マクロ並みに寄れる上に発色もおいしそうに撮れるので、ほとんどこればかり使っています。


左手撮り

実際に撮っている状況はこんな感じ(撮影:クマデジタルさん)。

このとき、左肘はテーブルにつけてしっかり支えることで、できる限り手ブレを抑えます。かつ、カメラの連写機能を使って 2~3 枚撮っておくことで保険もかけています。

左手撮り

この状況で撮った写真がこちら。こう撮った方が、見た人にも「食べたい」という欲求を与え、おいしそうに見えますよね?

テレビのグルメ番組では、この状態でさらに箸やスプーンをプルプルさせることでよりおいしそうに見せる演出がよくあります。静止画でも、できるだけ湯気とか滴り落ちる肉汁とかを写しこむことで、よりおいしそうに見せることができます。

左手撮り

応用編として、こんなシチュエーションも(撮影:butakao さん)。

これはこどグル聖地巡礼のアボカド鶏メンチ回ですが、ハムカツの厚みを測るのに、左手だとドラマの再現にならないだけでなく、メジャーが上下逆になってしまうので絵的に美しくありません。が、左手シャッターならばメジャーを正しい向きにして測ることができる、というわけ。

飲食店の照明は暗いことも多いため、手ブレを抑えて撮るのはけっこう至難の業ですが、そこは修行あるのみ。食べに行ったお店の写真を撮ることが多い人は、ぜひ一度試してみてください。

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