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Brian McKnight / Evolution Of A Man

Brian McKnight / Evolution Of A Man

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なんか買い時を逃していた、去年出ていた Brian McKnight の最新作。”Evolution Of A Man”(ある男の進化)というタイトルにあるとおり、従来のマクナイトさんとは一線を画して次のステージに向かおう・・・という姿勢が見られるアルバムです。
まずはインディーズレーベルに移籍してのリリースであること。ここ数年、私が贔屓にするアーティストが軒並みインディーズに移っていますが、日本の音楽シーン同様の「『インディーズ』という『メジャー』の 1 カテゴリ」という状況に、ある程度ポジションが確立されてくるとセールスよりも表現の自由を求めるアーティストの状況とがマッチして起きていることなのかもしれません。

楽曲のほうは、イントロの #1 “The Brian McKnight Show” からいつもと少し違う印象を受けますが、16 ビートの #8 “Next 2 U” や今までの BM では考えられなかったようなサウンドの #9 “I Miss You” あたりのインパクトは強烈。この部分だけ聴いたら「どうしちゃったの」と突っ込みたくなるところですが、全体を通してメロウなミディアム/スロートラック満載、そして終盤にジャズ風味の #12 “While”、ピアノに合わせて歌い上げる「マクナイト節」炸裂の #13 “Another You” を持ってくるあたり、やっぱり分かってるなあ、と。「進化」は「変節」にあらず、今までの自分と地続きだからこそ「進化」であることを体現したアルバムにまとまっていると思います。

そしてこのアルバムでの彼の最大の変化は「前向きであること」。前作 “TEN” あたりから感じられた傾向ではありますが、過去の作品では「どこかに悲痛さが垣間見える優しさ」だったものが、最近は「強さに裏打ちされた優しさ」に変わってきたような気がします。それが、ポジティブな楽曲ばかりで揃えられた曲目であり、今回初めて本人が中央で真正面を向いたジャケット写真だったり、というところに表れていると思います。

これが彼の最高傑作、とは言わないまでも、深く聴き込むに足る名作になると感じました。

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