渋谷ヒカリエの裏手というか渋谷警察署の向かいあたりにちょっと気になるラーメン店を見つけたので、試しに入ってみました。
元々は北九州で営業していたというこのお店。先代が北九州の店を畳もうとしたときに、当時電機メーカー勤務だった現店主が父の味を残すべく脱サラして店を継ぎ、その後東京で再創業したという歴史をもっているそうです。
正午頃にお店に着いたところ、行列ができるほどではないけどほぼ満席。渋谷駅近ということもあるのかけっこうな人気店のようですね。
店内は随分レトロで昭和の居酒屋か屋台っぽい雰囲気。
他のお客さんも普通にラーメンを食べに来ているだけなのに、なんだか独り居酒屋のカウンターで佇んでいる気分になってきます。
メニューはとてもシンプルで、ラーメン・つけ麺・カレーつけ麺・限定メニューの 4 種類のみ。あまり手を広げず看板メニューで勝負しようというこだわりが伝わってきます。
初めて来たからには王道のラーメンを味わってみたいけど、トマトが丸ごと入っているというカレーつけ麺が文字面だけで強烈にアピールしてくる(汗。
それと白飯じゃなくてオニギリがメニューに並んでいるのも気になります。
散々迷った挙げ句注文したのは大盛りラーメンとオニギリ。
やはりここは初志貫徹、そしてオニギリは「八幡ではラーメンとオニギリを一緒に食べるのが定番です」とまで言われたら頼まずにはいられないでしょう。郷に入っては郷に従え。
いわゆる豚骨ラーメンとはちょっと見た目が違う、茶色っぽいスープ。
飲んでみると確かに豚骨なんだけど、コクのあるやさしい味。一般的な豚骨に比べると随分あっさりしています。濃厚ガッツリ系があまり好きじゃなくなってきた私には、これくらいの味が落ち着く。
麺は豚骨らしくストレート細麺だけど簡単に伸びてしまうほどの極細ではないからか、替え玉制にはなっていません。
「豚骨なのにあっさり」という点では西麻布の赤のれんにちょっと似ているかな?一口に九州豚骨といってもルーツはいくつかあって、私にはこういう昔ながらの味がしっくり来るということなのでしょう。
オニギリは具も海苔もなし。でも沢庵がついているのがちょっと嬉しい。
麺を食べて、レンゲでスープをすくって飲んだ後にこのオニギリを箸でちょっと崩して食べる、と実に良い感じ。茶碗に白飯ではなくオニギリというのがなんかいい。
そして、
麺をだいたい食べたら、今度はオニギリをスープに浸して即席豚骨おじや作成。
行儀悪い食べ方だけど、米に豚骨スープがよく染みて別々に食べるのとはまた違ったおいしさがあります。
ああ、おいしかった。
私は外でラーメンを食べたくなることってあまりないんですが、こういうホッとする味の豚骨ラーメンなら日常的に食べたいと思えますね。
渋谷はラーメン屋が多くて栄枯盛衰も激しいですが、そんな中でも長く営業できているのはそういう落ち着けるおいしさ故なのでしょう。
ごちそうさまでした。
今度はカレーつけ麺、試してみよう。
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