「宜野湾で、アメリカンとメキシカンの乱れ食い」
ドラマ『孤独のグルメ 2023 大晦日スペシャル』の聖地巡礼レポートも沖縄編としてはこれがラストになります。しかしお店に行く前に今回もまずはロケ地巡りから。
那覇のメインストリートである国際通りから一本折れたところに「ちとせ商店街」というディープなアーケード街があります。ここが劇中の沖縄編ラストでゴローが立ち寄った場所。大晦日を那覇市内でゆっくり過ごして年越ししようとしていたゴローの前に、今回の無茶振り旅の原因となった川平慈英演じるシマさんが再登場したのがこの商店街です。
薄暗い路地にちっちゃな店が建ち並んで、昼間っから飲んでる人も多い。これはちょっと写真的にも絵になる場所じゃないですか。というわけで、ディープ沖縄裏路地散歩。
ここがシマさんが奥さんともめていた場所。手前の白いスクーターあたりに駐めてあった赤いオープンカーに荷物を積み込もうとしていたところにゴローが現れるわけです。この次のシーンがいきなり台北に飛ぶとは、リアルタイムで観ていたときには意表を突かれたなあ。
それにしても波の上うみそら公園といい、シマさんの登場シーンは全て那覇市内だけで完結していたという。意外と川平慈英のスケジュール都合で撮影香盤が組まれていたんじゃないだろうか、と想像してしまいます。
というわけでそろそろ本題。最後の目的地は宜野湾市のこのお店でした。
宜野湾市内のライヴ会場(という設定の那覇市内のうみそら公園)から腹が減ったゴローが彷徨い歩いた末に見つけたのがこの「マイハウス」。すぐ裏手は米軍普天間基地だったりして、それならアメリカンステーキの店があるのにも納得です。沖縄、米軍基地の周辺だけアメリカっぽい街並みになっているのが面白い。
それではマイハウス、お邪魔します。
店内もかなりアメリカンな雰囲気。1980 年代のアメリカ映画に出てくるファストフード店やダイナーってこんな感じだったような。
真っ赤な壁に赤いチェックのクロス、たくさんのコカコーラのロゴ。いかした店じゃないか。
ここは『孤独のグルメ』に取り上げられる前から有名店だったようですが、私が訪れたときにも満席に近い状況でした。観光客も多いけど、地元のガテン系の仕事に就いている人たちに人気の店らしく、体格良い人多し。
こちらがゴロー席。私が入店した時点では他のお客さんがいて残念ながら座れませんでしたが、空いた瞬間を見計らって撮影。
年季の入った木製テーブルに刻まれたいろいろがいい味出してる。このテーブルは店の卒業文集でもある、思い出の寄せ書きだ。
メニュー表、インパクトあって見やすい。
ステーキにチキン。基本的に味が想像できるものばかりだけど、むしろそれでいい。
唯一オムタコってなんじゃらほい?という感じだけど、下の方に「OMELETTE TACORICE」と書いてあったから理解。
ちなみにドラマ放送時点からメニューの価格が変更になっていますが、そのお知らせが出ていました。
本当にこの半年の物価高、エグいですからね…このお店は基本的に輸入アメリカンビーフを使っているんだろうし、こればかりは仕方ない。
注文を済ませると引き換え用の番号札を渡されるわけですが、これが「札」っていうかただの付箋(笑。
しかし運の良いことに劇中のゴローと同じく 7 番でした。ちょっと運命を感じる。
ステーキが焼けるまでの間、サービスのスープを飲みつつ待ちます。
セルフサービスで水やスープを持ってきたり店内を見渡したりしているとあっという間に出来上がり。
こちらがゴローと同じステーキ・200g。
奇をてらわないオーソドックスなステーキ。付け合わせがポテトフライとミックスベジタブルというシンプルさも良い。
そしてライスが平皿じゃなくて茶碗で出てくるあたりに、いくらアメリカっぽくてもここはあくまで日本なんだという矜持を感じさせる。
200g のステーキってこんなにボリューム感あったっけ?自分のイメージ的にはもう少し小ぶりだったような。多少サービスされてたりするんでしょうか。
焼き加減をミディアムレアにしたら良い具合に肉汁が滴っている。挑み甲斐のある肉だ。
さらに増量して 300g のステーキだとこれくらいのボリューム感。おうふ、鉄板の過半数を肉が占めている物量に圧倒される。
そんでもってステーキの上にはバターだけでなく容赦ない量のニンニクまで添えられている。
うーん、挑発的な香り。闘志が湧き上がるぜ。
「うん うまい肉だ、いかにも肉って肉だ」
このステーキには、孤独のグルメではもう定番となったこの形容こそ相応しい。
これぞアメリカンステーキ。ヤワなアゴだと負けちまう。
噛むほどに溢れる滋味、エナジー。「ステーキ」と書いて「みなぎる」と読んでもいいんじゃないか。
そしてタコス。
ここのタコス、思ってたより大きい。ゴローちゃん、ステーキ 200g とこのタコス 4 個をよく一人で食べたな…と感心してしまうボリューム感。
うん!ミートがいい。うまい。
爽やかなトマトやキャベツの奥から、しっかり濃い味の肉が感じられるインパクトがある。
ライト級と見せかけて、ヘビー級の食べ応え。チリソースもイイ味出してる。
ちなみにタコライスにするとこんな感じ。そういえばタコライスって沖縄発祥らしいですね。そういう意味ではステーキやタコスよりも沖縄らしい料理と言える。
同じトマトとキャベツと挽肉でも、合わせるのがトルティーヤかライスかで味わいがずいぶん違う。タコス以上の食べ応えを求めるならタコライス、という感じか。
劇中で常連客(MONGOL800 のキヨサクがゲスト出演!)がやっていてゴローも真似していた「わさび塩で食べるステーキ」、私もやってみました。
わさびはステーキに標準ではついてこないのでカウンターでお願いするとすんなり出てきました。きっとドラマの真似をするお客さんが多かったんだろうなあ。
わさびと肉、といえば Season10 に登場した塩わさびの豚ロースソテー。あれを経験済みだからビーフステーキとわさびもおいしいことは分かっていました。
わさびの成分がステーキの脂を中和してくれるのか、唐突にさっぱりと食べやすくなる。さっきまでのニンニクバター+ステーキソースとはまるで別人。
ステーキが剛ならワサビは柔だ。肉に緩急がついていい。
ラストスパートはもちろん、ゴローと同じようにしてかっ込みます。
こうして、こうして、ほうら、思った通りだ!
肉と飯はいつだってベストフレンド、シンプルにうまい。そして強い。
梅雨明けの沖縄肉フェス、余すところなく堪能。完全に満足、食った食った。
シンプルな料理であっても、旅に来て普段とは違う景色の中で食べると全然別物に感じる。やっぱり旅っていいなあ。
ということで、これにて沖縄編の聖地巡礼は完了。
昨年の大晦日スペシャルという意味ではあと台湾が残っているけど、国境を越えるのはさすがに気合いが必要だから別途考えよう…。
ともあれ、沖縄満喫しました。
ごちそうさまでした。
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