「ここはファミレスではない。由緒正しいファミリーレストランだ」
ドラマ『孤独のグルメ Season9』最終話に登場した横浜の老舗レストランに再びやって来ました。前回食べてすごくおいしかったのと、食べられなかったメニューを完遂するために改めて。放送後の混雑が少し落ち着いた頃に来よう、と思っていたのでした。
今回は開店前に現地着し、一巡目に入店することに成功。相変わらず行列はできているようですが、放送前後に比べれば入りやすくなっているような気配があります。まあそもそもが金土日定休なので、巡礼のハードル高めなお店ではあります。
前回来たときの他のお客さんがやっていた「ランチメニューに一品追加」を今回はやってみようと思っていました。
ポークジンジャーやスパゲッティーカレーソースにも強烈に惹かれる。けど前回牛ヒレ生姜焼きとナポリタンを食べたから微妙にダブるんだよなあ。そしてこういう古き良き洋食レストランのオムライスがどんなものか、気になるじゃないですか。
というわけでオーダーしたのはランチメニューのオムライス+単品でチキンシャリアピン。
調理は例によってゆっくりめで、開店直後に入店するくらいでお腹の空き具合がちょうど良い感じ。
ランチから目の前に大皿が二枚並ぶのってなんかちょっとした贅沢。それにオムライスの黄色と赤が子ども心をくすぐる。
では、いただきます。
まずはスープ、いや、かきたま汁から。
このほっとする味…マスターとおかみさんの優しさがそのままスープになったかのような。癒やされる。
本当、これを飲むためだけに毎日通ってもいいとさえ思える。
おぉ~!これがシャリアピン。むちゃくちゃいいじゃないか。
鶏の一枚肉をニンニク、タマネギ、バター、醤油で作ったソースで丁寧に炒めた逸品。これは絶対おいしいやつだ。
うはっはー。ニンニクバター醤油の風味が攻め込んできた。うん、いいぞいいぞ。
風味に加えて、タマネギの甘みがいい味を出している。
それに…このチキン、めちゃくちゃ柔らかい。
丹念に仕込まれた鶏肉、これは調理に時間がかかるのも仕方ない。待つ価値のあるおいしさ。
前回食べた牛ヒレやハンバーグも良かったけど、このチキンも甲乙つけがたし。
そしてオムライス。
一見なんてことないオムライスだけど、遠慮なくかけられたケチャップの鮮やかさがいい。
見ているだけで幸せ。いや、食べたらもっと幸せに違いない。
中身もなんてことないケチャップライス…かと思ったら違った!
なんだかよく分からないけど、バターなのかコンソメなのか両方か…ほんのり香りと味がつけられた優しい風味のライス。これが後からジワジワ追い上げるようにうまみを増していく。
こういうオムライス、初めて食べたかも。見た目で侮ってたけど、このオムライスは素晴らしい。
ランチメニューはドリンクつきなので、食後のホットコーヒーで一息。
ああ、今回もじつに充実した、良い時間だった。
この店の料理、どれも一見普通っぽいのにどれもが丁寧な仕事ぶりが感じられて、驚かされる。
こういうのを誠実に、実直にやり続けることこそがプロの仕事なんだろうなあ。
前回、放送前に来たときにはまだなかった松重さんのサインと写真が飾られていました。
ファミリーレストラン。その言葉には、お店の家族と客の家族の、深ーい温かみが込められていたんだな。
この店の料理を食べると、静かで豊かで…なんというか救われる気がします。そういう優しさ、温かみがある。
きっとまた食べに来ます。
ごちそうさまでした。
コメント
伊勢佐木町!といっても目抜き通りから幾筋か離れて、横浜橋商店街にほど近い渋い立地にあるんですね。いやぁ美味しそうだ~。木曜休日の私向けのお店じゃないですか。
金土日定休だと行きづらいなーと思ってたんですが確かに木曜休みのお仕事なら行きやすいですね!
店舗も料理も見た目の派手さはないんですけど一つ一つ丁寧な仕事ぶりが味からよく伝わってくるお店です。おすすめですよ。