「今、俺、沖縄にいるんだな。胃袋が旅情を感じてる」
先日行ってきた孤独のグルメ 2023 大晦日スペシャル聖地巡礼レポートの続きです。本題に入る前に、お店以外のロケ地も巡ってきたのでまずはその話から。
こちらは名護市営市場内にある情報スポット「ナゴラブ」。観光案内所的な位置づけで、劇中ではゴローが名護周辺の観光やレジャーについて相談しに来たけど熱心すぎるスタッフに 30 分も足止めされてしまう場面がありました。が、私が行ったときには休業日だったのか営業時間外だったのか不明ながら開いておらず。ただ、立地が市場内ということで周辺には地元の名産品がいろいろと売られていて、歩いているだけでも楽しい場所でした。
市営市場の裏手から劇中と同じカットを狙ってみました。
ちなみに、ドラマでは名護~宜野湾という設定ながら那覇市内で撮影されたカットを混在して使っていたようで、現地に行ってみると「こんな場所ないけど?」という不思議な体験をしました。具体例を挙げるとゴローがナゴラブに入っていくシーンでは現地カットが使われているけど、出ていくシーンでは全然別の建物になっているという(笑。現地カットを交えながら流すことで現地映像と錯覚させるという編集の妙を見た気がしました。
もう一つの印象的なロケ地がこちら、沖縄市内にある波の上うみそら公園。国仲涼子+ネーネーズが演じた沖縄民謡グループ「てーげーず」関連のシーンの多くはこちらで撮影されていました。劇中では名護でゴローと合流して一緒に宜野湾まで行ったことになっていましたが、残波岬のシーン以外はほぼ那覇市内で撮影されていたことが分かります。
うみそら公園内のここが、川平慈英演じるシマ(島袋)がゴローと衝突して海に転げ落ちた場所。ここは写真に収めておきたかった(笑
ドラマの収録は 11 月末頃だったようですが、今は夏の海ということで劇中よりも色鮮やかな海が印象的な場所でした。
てーげーずのライヴが開催されたステージもうみそら公園内にありました。園内東側にあるバーベキューエリア「COZY BEACH CLUB」内のステージに「GINOWAN LIVE 2023」の横断幕を張っていたんですね。
ゴローはここで沖縄の道化師「ちょんだらー」に扮してライヴを盛り上げるものの、会場にいた子どもたちが食べている様子を目にした途端「腹が、減った…!」となるわけです。
というわけで今回のロケ地紹介はここまで。ゴローがそのてーげーずのメンバーとのドライブ中に立ち寄ったのが次の場所でした。
多数のリゾートホテルを要する読谷村の北西部に位置する残波岬。ゴローが滞在していたホテル日航アリビラからもクルマで数分の距離です。青い海と空に映える白い灯台をランドマークに、沖縄の美しい景色をのんびりと楽しめる場所。
ドラマ的には名護から宜野湾を目指すなら海沿いに 58 号線を延々と進むルートになるはずで、そこから残波岬で休憩というのは寄り道が過ぎるのでは(笑。まあ 2021 年も 2022 年もそうだったし、ロードムービーで甘味のために寄り道しすぎるのはもはや大晦日スペシャルの様式美みたいなものですね。
ここでゴロー with てーげーずが立ち寄ったお店がこちらです。
公園内で営業するキッチンカー、ならぬキッチンバスというインパクト。残波岬灯台のすぐ脇で発見しました。
地元のお客さんのみならず、周辺のリゾートホテルの宿泊客が灯台を見に来たついでに立ち寄ることも多いらしく、私が行ったときにもインバウンドのお客さんを多数見かけました。
地元のバス会社が廃車扱いにした車両をここに置きっぱなしにして店舗にしているんだろう、と思ったら、ちゃんとナンバープレートがついてるじゃないですか。マスターに訊いてみたところ「置きっぱなしにすると塩害で酷いことになるから、毎日ここまで運転して来て営業し、終わったら乗って帰っている」とのこと(!)。まさか現役の車両とは恐れ入りました。
バスの下では猫が休憩中。どうもこの公園に棲みついている猫らしく、夜間はこの場所で留守番をし、毎日金城パーラーのバスがやって来ると場所を空けてくれるそうです。ちゃんと店員さんが餌をあげているようで、そういう意味ではこの猫もこの場所の立派な警備員さんですね(笑。
お店のメニューはこんな感じ。劇中で言及されていたのは紅イモソフト、黒糖ぜんざいとホットコーヒーくらいでしたが、実際にはかなり種類が豊富。甘味とドリンクだけでなく軽食もあり、ランチくらいならここで済ませていくことができそうです。
ショーケース内のホットドッグサンドやハンバーガー、アメリカンドッグが妙にうまそう。こういうところで食べるジャンクフードってなんかおいしいんだよなあ。本州じゃそうそう出合えないカップ沖縄そばも気になる…。
でもこの後すぐに別の聖地に向かって食事をする予定があったので、ここはグッと我慢。当初の目的どおり甘味だけで抑えておくことにします。
ちなみに、現在は多少落ち着いたけどドラマの放送直後は元旦から多くのお客さんが押し寄せてみんな黒糖ぜんざいを頼んでいった、とのこと。沖縄にはテレビ東京系の局がなく『孤独のグルメ』の存在も知らなかったからここまで影響力があったとは…と驚いたそうです。普段はぜんざいは週一の仕込みで間に合っているところ、放送直後は毎日仕込みをしないと間に合わなかったというから、通常の数倍のお客さんが黒糖ぜんざいを食べに来たんでしょうね。
ゴローは「沖縄の人は冬でもぜんざいか」と他人事のように呟いてましたが、何のことはない冬にぜんざいを食べさせていたのは他でもないゴロー自身だったということですね。
ゴローが食べていたのはバスの隣にある緑色のテーブル。このテーブルは公園内に設置されているもので、パラソルだけはこのお店のスタッフが毎日出しているそうです。
梅雨明け早々あまりにも陽射しが強いから、このパラソルの下でないとかき氷があっという間に溶けていきそうだ。
というわけで私ももちろん黒糖ぜんざいを注文したわけです。
一般的に「ぜんざい」というと粒あんを甘く煮込んでお餅を入れた温かい甘味のことを指すところ、沖縄のぜんざいは粒あんのかき氷なんですね。
あとゴローはこの黒糖ぜんざいと一緒にホットコーヒーを飲んでいて、私も真似をするつもりでいたのですが、あまりの暑さにアイスコーヒーを頼まずにはいられませんでした。
では、いただきます。
おおお、こりゃいいや。
うん、黒糖のほろ苦い甘さと練乳の甘ったるさ。ツインの甘みがいいあんばい。それに金時豆自体はそれほど甘くないのが逆にいい。氷を発掘していったときに白玉が出てくるのもちょっと嬉しい。
うだるような暑さの中、このかき氷の冷たさがありがたい。
梅雨明けに、海を感じてかき氷。風流、風流。
こちらはレモンライムフロート。このお店で出してくれるソフトクリーム類は全てブルーシールアイスというのが沖縄らしくて良い。
首都圏でもブルーシールが食べられる店はちらほらあるけど、やっぱり本場で食べてこそでしょう。
金城パーラーの甘味に加えマスターや店員さんの人のよさに触れて、いい小休憩になりました。というわけで、我々は次の聖地へと向かいます。
金時豆のぜんざい、いいものに出合えた。今回の旅の大収穫だ。
ごちそうさまでした。
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