「海の幸食べる気満々だったのに、もはや今の俺は豚腹だ」
10 月から放送されている『孤独のグルメ Season10』もついに 11 話。あとは最終回と大晦日スペシャルを残すのみとなりました。この 11 話の聖地にも事前に行ってきたわけですが、今回はまた遠かった!旭市といえば千葉のほぼ東端、このあたりまで来たのは Season2 の飯岡に巡礼して以来九年ぶり。公共交通機関でも来れなくはないけどかなり大変なところ、今回は第 1 話の相模原以来の同行となるクマデジタルさんに無茶振りして車を出してもらうことに成功しました(笑
それでも横浜から 140 分のドライブ、やはり遠い。
よし、バイキングに乗り込むか。
店内、昭和っぽいどころかほぼ昭和そのもの。この感じ懐かしいなあ。
お店には開店前に到着しましたが放送前にも関わらず予約でほぼ満席。後から来たお客さんは軒並み断られていたので、飛び込みで座れたのは本当に運が良かったと言えます。
お客さんは大半が地元の常連さんという感じで、耳に入ってくる会話も地元とか仲間の話題が大半。レストランというよりも町内会の寄り合いみたいな雰囲気が漂っています。でもこういうマスターも含め長い付き合い同士だからこそ生まれる和やかな時間が店に染み込んでる。このお店の片隅に同居させてもらっているだけでも楽しくて、なんだか笑みがこぼれてくる。
店の歴史を感じさせるメニューには、一応牛肉もあるけど完全に豚が主役。どうやらここ旭市は銘柄豚「いも豚」の産地として有名らしいですね。豚の産出額全国 2 位はすごい。
そのいも豚を前面に押し出した豚肉料理群、どの味付けもおいしそうで惹かれるけど今回の腹は決まっているんだ。
それにしても、メニューの一番下にある「ライス・セット(運が良ければ味噌汁付)」の表記がめっちゃ気になる。どういうこと。
注文から料理の提供まではけっこう時間がかかります。受注後に手作りしているというから仕方ない。
常連さんを見る限り、料理が出てくるまではビールを飲みながらずっと談笑するのが当然という感じだったので、会話と飲酒のペースに合わせるとこれくらいゆっくりでちょうど良いということかもしれません。
しばし待ったところで、まずはスープの登場。
って、これはライス・セットについてくるやつか?「運が良ければ味噌汁」でも運が悪くてもこのキノコのポタージュが出てくるとはむしろ幸運だ。
これはうまい。キノコもりもり。
濃厚、スープがキノコ濃厚。マスターは「クノールです」なんて冗談を言っていたけど(笑)、これはそうとう手間をかけないと出せない味だ。
そしてまたしばらく待って本命のご登場。塩ワサビの豚ロースソテー。
なんじゃこりゃあ!厚切りの豚ロースの上にものすごい量のワサビが載っている。
孤独のグルメでワサビと言えば伊豆のわさび丼、あれに勝るとも劣らないインパクト。
この肉の厚み、やばくない?厚切りにもほどがある。
いい感じに脂がしみ出している焼き加減がまた。
もはやナイフやフォークを使うのさえもったいない、丸ごとかぶりつきたいほどにうまそうだ。
気持ちを落ち着かせて、改めていただきます。
う、うわー、うわうわうわうわうわ…こ・れ・は、衝撃的。
しっとりと柔らかい…そして脂がうまい。「ジューシー」なんて言葉が陳腐に感じるくらいにいい肉。これがいも豚の実力ってやつか。
そこにワサビがいい働きをする。伊豆のわさび丼と同様に全然辛くなくて、むしろワサビの香りと甘みを感じる。でも時々ツーンと刺激が来るあたり、やっぱりワサビ。
付け合わせの野菜は日替わりの模様。劇中ではゴボウの胡麻和えだったけど、この日はポテサラ。しかもほんのりカレー風味なのが嬉しい。
いかにも地場の洋食屋さんの手作りっていう感じの素朴さがいい。この店の暖かさがそのまま料理になったかのようだ。
ああ、幸せでございます。
ロース肉には最初から軽く塩が振ってあるけど、別添の塩をちょっとつけるとさらに奥行きが増す感じ。
ワサビと塩で食べる豚肉ってこんなにおいしかったのか。でもこれも、そもそもの豚のおいしさと焼き加減あってこそという気がする。この肉には、マスターの魂がこもってる。
今回の五郎は珍しく料理の追加注文をしませんでしたが、私はどうしてもメニューにあった「ポットカレー」が見逃せなくて追加してしまいました。
王道のポットに入ったカレー、見ただけですごく手間かけて作られているのがわかる。これは食べる前から優勝確定のやつだ。
ライスにかけてミニカレー完成。といってもルウは普通のカレー一杯分あるけど。
長時間煮込まれてほぐれた牛肉を感じる、コクの深ーーーーーい欧風カレー。これ、俺の大好物な味。
都内だったらカレー専門店として出店しても行列ができるに違いない。後日改めて、カレーをメインで食べに来たいくらいに好き。
いやー、どれもビックリするくらいおいしかった。こんなところで、こんなブーちゃんが待っていたとは。
クルマで来ても遠かったけど、はるばる来た甲斐がありました。地元愛あふれるお店の雰囲気も楽しかった。
Season10 はこれまで以上に「地元に根付いた常連さんのための店」の割合が高かったけど、ここはその最たるものだろう。地元に愛される店の味を知ることができて良かった。
退店時にはマスターがお店の外までお見送りに来てくださいました。こんなところまで劇中とおんなじで、快く写真撮影にまで応じてもらえて感謝。なんて優しい海賊なんだ。
こういう人の良さ、腰の低さが町の人に愛される所以のひとつなんだろうなあ。もちろん料理もすごくおいしかったけど。
距離にめげずにまた食べに来たいと思える店でした。
ごちそうさまでした。
コメント
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