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茨城県鹿嶋市宮津台のしょうが焼目玉丼

「あ…しょうが焼目玉丼のあの食堂、行ってみるか」

高速バス

今回の『孤独のグルメ』聖地巡礼はちょっと趣向を変えて、遠征に行ってきました。
目的地は茨城県鹿嶋市。Season1 第 10 話に登場した「せきざわ食堂」が 2014 年に閉店後、故郷である鹿嶋に移転した上で息子さんが後を継いで営業しているとのこと。そのこと自体は以前から知っていたのですが、鹿嶋ってなかなか行く用事がありません。そしたら先日の Season9 第 6 話 の最後でこの店に言及されていて、これは改めて行ってみるしかない!と一念発起。松重さんの「でも、やってるんだ。鹿嶋に行ったら、ぜひ行こう」という気持ちのこもったモノローグに心を動かされました。

東京からだと鹿嶋はけっこう遠くて、公共交通機関を使うならほぼ高速バスしか選択肢がありません。東京駅八重洲南口から鹿島神宮駅またはカシマサッカースタジアム行きに乗るわけですが、サッカーの試合がない日であってもほぼ 20 分おきに高速バスが運行しているのには驚きました。

高速バス

高速バスではるばる二時間、途中 SA での休憩もないためひたすら座席に座っているしかありません。必然的にスマホ等で暇を潰すことになりますが、各シートにはちゃんと電源が備え付けられているのがありがたい。
ちなみに鹿嶋への高速バスは JR・京成・関東鉄道の三系統があって、どうやら JR バスは座席の電源が USB-A で車内無料 Wi-Fi も完備、私鉄系は通常のコンセント(京成は Wi-Fi あり/関鉄にはなし?)というようにファシリティが異なるようです。編成は時刻表に明記されていますが、念のため USB AC アダプターは携行した方が良いでしょう。

鹿嶋

というわけで延々とバスに揺られて、鹿嶋市役所前の停留所で降車。
お店までは停留所からさらに 20 分近く歩きます。ここは車社会、道を歩いている人はほとんどいません。自転車ですら稀に学生さんとすれ違う程度。そこをひたすら歩くのは、ちょっと辛い(汗。

そんな経緯を経て、ようやくお店に到着しました。

キッチン SALA

キッチン SALA

おお、これが元せきざわ食堂。いかにも昭和の食堂然としていたせきざわ食堂とはガラッと雰囲気が変わって、地方のこぢんまりとした洋食レストランという雰囲気。おそらくご自宅を兼ねているんでしょう。

では、入ってみましょうか。

キッチン SALA

明るく開放感のある店内。これもまた東長崎時代とは全然違う。

ホールを担当するのは女将さん。せきざわ食堂以来、何年ぶりだろう…変わらずお元気な様子でこちらも嬉しい。
厨房ではどうやら当時のマスターの息子さんが調理を担当している様子が伝わってきました。親父さんは既に引退されたのか、それともこの日はたまたま店に出ていなかっただけなのか。

お客さんは当然地元っぽい人ばかりだけど、老若男女入り交じっていて幅広く愛されているお店だと判る。この活気、いいぞいいぞ。

キッチン SALA

壁の一角にはサッカーコーナーが。さすが本拠地がすぐ近くなだけあって、全面的にアントラーズ推し。お客さんの多くもアントラーズファンなんだろうけど、ゲームのある日はスポーツカフェ的に盛り上がったりするんだろうか。

キッチン SALA

メニューはこんな感じで、せきざわ食堂時代からの定食メニューとキッチン SALA になってからの洋食メニューが折衷になっている模様。しょうが焼目玉丼の写真が『孤独のグルメ』の場面写なのがちょっと可笑しい(笑

もちろんここに来たからには食べるものは決まっているんだが、カレーとかデミグラスといった単語にも惑わされるなあ…。

キッチン SALA

こういう店にありがちな暇つぶしの雑誌に紛れて『孤独のグルメ』関連誌や久住先生関連の書籍が並んでいます。このお店が直接関係するのは初代巡礼ガイドだけだろうけど、きっと孤独のグルメに敬意を表して置いてあるんだろうなあ。相当読み込まれて擦り切れているのが多いのがまた良い味出してる(笑

キッチン SALA

そうこうするうちに私のランチがやって来ましたよ。
しょうが焼目玉丼定食とサイドメニュー一品頼んだだけなのに、想像していた以上のボリューム感。なんだかすごいことになっちゃったぞ。

キッチン SALA

おおお…これは、九年前に東長崎で食べたのと寸分違わぬしょうが焼目玉丼。
器がちょっとだけ違うけど、それ以外はそのまま受け継がれていてある意味感動すら覚える。特に黄身が二つ並んだ目玉焼が幸せ。

そしてこの目玉焼をひょいとめくると、

キッチン SALA

どーんと豚バラ!
細切れにするんじゃなくて、一切れ一切れが大ぶりなのがまた嬉しい。

このしょうが焼目玉丼に、時を超えて地理を越えてこうしてまた巡り合えるとは。

キッチン SALA

スプーンの上でミニしょうが焼目玉丼の世界を作って食べるのが楽しいんですよ。

ちょっと甘みの強いしょうが焼のタレと卵の味で、白飯がどんどん進む。キャベツや白飯にもこのタレが浸透して行ってるのがまたうまい。

体面も気にせず、スプーンでガツガツ食べてしまう。問答無用のうまさだなあ。

キッチン SALA

味噌汁はどこか実家的なワカメ汁。
洋食屋なのに、和食…というより純日本的家庭料理をいただく奇妙な感覚。でも、このしょうが焼目玉丼にはこの味噌汁しかあり得ない。そういう唯一無二感。

キッチン SALA

さらにはひじきの煮物と…左側にあるのは、揚げ豆腐か!
小ぶりな豆腐に水菜を添えてちょっとおめかししてるけど、まごうことなき和のおかず。

でも、こういうの、
なかなか食べられないんだ。望んでも。
この普通味が、うまい。

キッチン SALA

そして、ウインナーフライ。これは私は以前は食べなかったのでお初だけど、ドラマでゴローちゃんが食べてたやつとは見た目が随分違う。オシャレにマヨネーズなんかかけられちゃって、随分洋食的に垢抜けた感。

でも、食べてみるとウインナーをフライにした、そのまんまの味だ。
ソースだけじゃなくマヨネーズがあることで、確かに洋食っぽさが醸し出されている。
でも、やっぱりご飯のおかず感(笑

こういうジャンクなマヨソース味、大好き。
しょうが焼と目玉焼の前にただでさえごはん不足なのに、さらにライスをおかわりしたくなる。

キッチン SALA

食後にコーヒーと手作りぷりんをいただいてみました。
バス停からはるばる 20 分歩いて暑くなってしまったから、アイスコーヒー。

プリンは見た目どおり、かつこのお店の雰囲気どおり、ほんのり甘くてやさしい味。
そうそう、こういうのでいいんだよ。

キッチン SALA

いやあ…久しぶりに食べたけど、やっぱりおいしかった。
初めて来たのに、なんだかずっと昔から知っているような…そんな不思議な感覚。

この店の居心地の良さと、定食のうまさがそうさせたんだろう。
こうして懐かしい味が、俺の中で育っていく。

九年前の松重さん・久住さんの色紙が大事に取ってあったのが、長年のファンとしては嬉しい限り。
次に鹿嶋に来る機会があるかどうか分からないけど、近くに来たらまた来よう。ふふ…しょうが焼目玉丼。

ごちそうさまでした。

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ドラマ&漫画『孤独のグルメ』の聖地を実際に巡礼してきた本人によるまとめです。(※2017 年大晦日スペシャルの広島編、2019 年大晦日スペシャルの釜山編、2023 年大晦日スペシャルの台湾編、および原作の病院、パリのみ未巡礼)。ドラマ『孤...

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