「今、食うべきは、意表を突いて羊。直感に従え…!」
ドラマ『孤独のグルメ Season3』聖地巡礼、今回は、いい肉の日(11/29)に羊肉を食そう、というわけで、第 5 話に登場した東中野のアフガニスタン料理を攻めてみることにしました。
東中野の駅から出てすぐ、大通り沿いに、店舗と屋台が一体化した独特の雰囲気を醸し出しているお店がそれ。
おー。この無国籍状態。整理がついてない。
店に入ったら、まず謎のアフガン雑貨ゾーン。輸入雑貨商である井之頭五郎が職業病を発症した場所です。私には、これらが価値あるものなのかそうでないのかすら分かりませんが、入口からしてこの店の自由さを表現しています。
中野区、アフガニスタン。
本場のアフガニスタンではアルコールが禁じられているけれど、ここは東中野(笑。まずはビールで乾杯ですよ。
合わせるのは、もちろんこれ。
カバブ(羊串)、チェルガ(鶏串)、コフタ(羊つくね串)。串は外せない。外して食べても、外せない。
串焼きとかつくね(挽肉)とか、違う文化圏でも似たような食べ方に辿り着くのって、人間の DNA にこういう食事が刷り込まれているとしか思えない。というくらい、馴染む味で、ビールが進む。スパイスが効いていてワイルドだけどクセっ気の少ない羊肉。これがうまい。
ラムロースのたたき。レアめに焼かれたラムは食べたことあるけど、ここまでの生肉は初めて。塩気を効かせたオリーブオイルにつけていただきます。
…これがまた、うまい!
全然、臭みがない…俺の羊観は、たった今、ひっくり返った。
緩急をつけて攻めるべく(何をだ)、チェンジアップ気味にポテトのオムレツ。
ケーキのような上品な盛りつけで出てきたオムレツは、アフガニスタンらしからぬ、優しいお味。
では、そろそろ本丸に攻め込もうか。
羊のカラヒィ。鉄鍋、羊と真っ向勝負だ。
こ れ が ま た 。
たたきと同様、臭みの少ない羊肉に、多種多様なスパイスが効いている。でも、見た目ほど辛くはない。これはうまい。
この羊の肉。クセがないから、クセになりそうだ。
鉄鍋に合わせるのはもちろん、ナン。
届いてすぐにはちょっと持てないくらいに、焼きたてのアツアツ。
食べてみると、インドのナンとはちょっと方向性が違って、もちっとした歯応えの強いナンを噛みちぎると、口の中にぱっと香りが広がるタイプ。
アフガンマントゥ。
アフガニスタン流の蒸し餃子的なもので、羊肉の風味とヨーグルト系ソースの風味が絡んで、なかなかの美味。ドラマには登場しなかったけど、これは隠れヒット商品かも。
カラヒィ、おかわり(ぉ)というわけで、ナスと羊挽肉のカラヒィ。
羊は挽肉にしたほうがクセっ気が出るのか、通常の羊のカラヒィよりも野性的な風味。でも、羊肉好きとしてはこれくらいの香りの強さはむしろ歓迎。これは、ビールが進みます。
ついでに、ナンも進みます(笑
というわけで、ナン 2 枚目。
この、細かく孔の空いたナンで鉄鍋をさらうと、うまい具合に汁をすくってくれます。ひたすら、ナンでいろんな皿をすくって食べる俺ら(笑。
何にでも、ナン。
ナン、オールマイティ。
箸休め的に、蒸しキャベツ。これまた、アフガンというよりも純然たる日本の焼き鳥屋的な(笑
でも、こういうのが出てくると、ちょっとほっとしますね。
パニール(自家製チーズ)。味が濃いめのフレッシュチーズ的なもので、これまたナンにつけて良し、酒のつまみにして良し。
…じゃあ、そろそろもう一つの本命、いっちゃいますか。
ラグマン(大)。
羊挽肉、シャンツァイ、トマト、ししとう、胡麻、ネギ、と香りの強い食材の、異種格闘技戦。
なるほど…濃い味系、アフガン混ぜ麺。
ダイナミックにかき混ぜて、いただきます。
個性の強い香りが混ざることでどうなるかと思ったけど、これがまた…香りが喧嘩するわけでもなく、それぞれの良さを引き出し合って、羊肉と麺を引き立てるような風味の協演。ああ、これはうまい。これだけ食べて最後に大盛りだったにも関わらず、アッという間に完食。
ちょっと口直しがてら、気になってたアイツ、ここでいっときますか。
この白いのが、ドーグ。アフガン流のヨーグルトドリンクです。
ちょいシナモンテイストで、ヨーグルトとシナモンが混ざるとどんな感じかってあらかじめ想像できなかったけど、こんな感じか。
言われてみれば、口直しとしての立ち位置なのかもしれん。日常的に飲むようなイメージではないけど、このアフガン料理には、この上ないマッチング。
さあて…それでは。
ラグマン(大)、おかわり(ぉ
いやあ、それくらいおいしかったんですよ。ラグマン。
それからもちろん、
ナンもおかわり(笑
ラグマンの麺を食べた後に鉄鍋に残っている汁や挽肉、トマトなんかをこのナンですくって食べると、これがまた美味。この汁とナンだけおかわりしてもいいくらいに美味。
うまさに理屈はいらない。
俺の口は、世界を股に掛ける遊牧民だ。
遊牧、羊、灼熱、絹の道。俺の胃袋がさすらっている。
誰の目も気にせず、好きなように好きなものを食らう。
食うことは、本来自由だったはずだ。
同行した面々からは、「この回は他の回に比べると印象薄かった」と言われましたが、なんのなんの。アフガニスタン料理、大正解。大満足。こういう味、私の好みなので、また来たいくらいです。
ああ、楽しかった…!
ごちそうさまでした。
しかし、ラストの 1 枚(のナン)…あれが効いたな。
もう何も食べれません(;´Д`)。
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