2014 年の F1 レースシートの最後の二つ、ケータハムのドライバーラインアップが発表されました。そこに名前が挙がったのは我らが小林可夢偉と、スウェーデンの新人マーカス・エリクソン。可夢偉がケータハムと交渉していることはしばらく前から明らかになっていましたが、ようやく正式発表となりました。
いやー、長かった。昨年、ザウバーのシートを失った可夢偉が WTCC フェラーリワークスのシートを獲得したときはマッサの後釜としての 2014 年の可能性を夢見たものでしたが、アロンソ&ライコネンというラインアップを見てしまっては、どちらかがチームと決定的な決裂でもしない限り、可夢偉が入り込む余地はなさそうということは、火を見るより明らかでした。その後、ロータスやフォースインディアとも交渉していたようでしたが結局かなわず、最終的にケータハムでまとまったわけです。我々が期待した中ではもっとも地味な結果ではありましたが、昨年ライコネンがシーズン半ばにしてロータスを離脱した際にコヴァライネンが抜擢されたことからも分かるとおり、今の F1 では少なくともパドックで存在感をアピールすることが重要。コヴァライネンは結局レースで結果を出せず、スポンサーも持ち込めずで 2014 年のレースシートを獲得できませんでしたが、WTCC にいてはそもそもその可能性にすら辿り着けなかったわけで、例えテールエンダーでもマシンに乗っていることがいかに重要か、ということでしょう。今はとにかく、その状況に到達したことを喜びたい。
まあ実際には 2014 年シーズンのケータハムには厳しい現実が待ち構えているものと思われます。最大限前向きに解釈すれば、ルノー製パワートレインとレッドブル製ギヤボックスという最強の遺伝子を受け継ぎ、2013 年シーズンを捨てて 2014 年向けの開発にリソースを振り向けてきた結果がどう出るか、という側面もありますが、レース運営という点ではパット・シモンズによって鍛えられたマルシャに 2013 年の間に差をつけられてしまったことも事実。そう簡単に可夢偉がトップチームの目に留まる活躍ができるとも思えませんが、まずは改めてスタートラインに立つことができた状況、と言えるでしょう。
これを契機に 2015 年にはマクラーレン・ホンダのシートを、という妄想はいかにも虫が良すぎる気はしますが、少なくとも入賞圏が狙えるチーム、できれば表彰台が争えるチームへの移籍に向けて。小林可夢偉、勝負の一年となりそうです。
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