アロンソが優勝! ルノーにダブルタイトルをもたらす (F1-Live.com)
先週に引き続き、中国 GP。F1 史最多の 19 戦で行われた 2005 年のシーズンも、いよいよ最終戦です。
前戦のリザルト抹消というペナルティを受けた琢磨は予選最初のアタックということでタイムが期待できず、決勝重視のセッティング。そのまま 17 位グリッドへ。フロントロウはルノー勢が独占、以下ライコネン、バトン、モントーヤの順。
レースはセーフティカー 2 回導入という荒れた展開になったものの、注目のコンストラクターズ争いはアロンソが逃げ、フィジケラがマクラーレン 2 台を抑え込むというルノーにとって理想的な展開に。序盤でモントーヤがめくれた側溝板を踏んでタイヤトラブル、それが原因でリタイア。ここでルノー勝利がほぼ決定的となりました。
レース自体の盛り上がりという意味では、先日の鈴鹿よろしくライコネンの追い上げに期待したものの、セーフティカー中のフィジケラのスローダウン(後にドライブスルーペナルティを受ける)にも抑え込まれて結局 2 位止まり。結果的に安定性と戦略の圧倒的な強さを誇るルノーが、速さで勝りながらも信頼性の問題とトラブルで勝ちきれないマクラーレンを抑えるという、今シーズンを象徴するリザルトになりました。
一方、B・A・R での最終戦を有終の美で飾りたかった琢磨は、気負いのフライングでペナルティを受けた挙げ句、34 週目にはギヤボックストラブルであっけなくリタイア。スタート直後やレース中のオーバーテイクには彼らしさが見られたものの、最後までいいところがないシーズンに終わりました。
昨年とは対照的だった今年のシーズン。去年の好成績はできすぎだったと割り引いて考えたとしても、今年は不運の中でもきっちり拾っていけるレースはあったはず、ということは、同僚のバトンが示しています。アグレッシブさと無謀さは紙一重ではありますが、その臨界点を見極められるかどうかが一流とそうでない者の間に立ち塞がる分厚い壁でもあります。来シーズンはアグレッシブさの中にクレバーさを身につけることが、彼の課題でしょうね。今年はコース上でオーバーテイクした台数だけでいえばおそらくライコネンより多くて全ドライバー中トップなんじゃないかという琢磨ですから、ここで消えていってほしくはないところです。
こうして 2005 年の F1 はルノー&アロンソの完勝で終わりを告げたわけですが、フェラーリ&シューマッハー時代の終焉と、ルノー/アロンソ&マクラーレン/ライコネンの二強時代の始まりという、久々に面白いシーズンだったと思います。来年は 2.4 リッター V8 制限という近年のレギュレーションの中でも最大の「改悪」とも言える改定が行われるシーズンでもありますが、各コンストラクターとドライバーにはその逆境に負けない「面白い」レースを展開していってほしいものです。
これから 5 ヶ月の間レースのない日々が続きますが、あと 1 ヶ月の間には噂のホンダセカンドチームの正式発表も行われることでしょうし、今年はストーブリーグにも目が離せそうにありません。
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