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F1 イタリア GP 2020

F1イタリアGP決勝:ホンダ+アルファタウリ、歓喜の50戦目。大波乱の展開、勝利の女神はガスリーに微笑んだ!
F1第8戦イタリアGPの決勝は、アルファタウリ・ホンダのピエール・ガスリーが波乱のレースを制し、初優勝を決めた。

ガスリー&アルファタウリ本当におめでとう!!!!!

「超高速三連戦」の二戦目にあたるイタリア GP は大波乱の末、アルファタウリ・ホンダのピエール・ガスリーが F1 キャリア初優勝を飾りました。

パワーユニットの予選モードが禁止されて初めてのレースとなったモンツァ。勢力図がどのように変わるかと思ったら予選でのメルセデスの圧倒的優位は全く動じず、逆にレッドブル・ホンダが 3 列目以降に沈む結果に。決勝ではボッタスとフェルスタッペンがスタートで出遅れたのに対してハミルトンは難なくホールショット、こうなったらもう他のドライバーには対抗する術がないように見えました。また 2 位以下はほぼ DRS トレインの様相を呈し、ほとんどオーバーテイクもできない状況。これはつまらないレースになるな…と思った Lap20、ハースのマグヌッセンがマシントラブルによりピットレーン入口付近でストップ。セーフティカーが導入され、これに速攻で反応したハミルトンが直後にピットインしたものの…なんとこのタイミングではピットレーンがクローズされており、ハミルトンにはストップ&ゴー+10 秒ペナルティが科せられます。実質的に 30 秒前後をロスする計算になり、この時点でハミルトンの優勝は絶望的になりました。
これと前後する形で Lap24 にルクレールがパラボリカで大クラッシュ!ルクレール自身は無事だったものの三重のタイヤバリアを破壊する形になったため、コースの補修まで赤旗中断されることに。

この時点でコース上の順位はハミルトン、ストロール、ガスリーというオーダー。ハミルトンはペナルティが確定しており、レース再開後は実質的にストロールとガスリーが首位を争う形になります。
Lap28 からレースが再開された直後、ガスリーは見事なオーバーテイクでストロールを攻略。後ろからソフトタイヤで攻めてきていたライコネンを抑え、後続に 4 秒差をつけてトップをひた走ります。以降ガスリーに迫ってきたのはマクラーレンのサインツでした。マシン性能では優位に立つサインツはラップあたり 0.2~0.3 秒のペースで間隔を詰め、残り数周でガスリーと直接対決という計算になります。が、サインツが途中アルファロメオの二台を攻略するのに少し手こずったことと、ガスリーもマシンとタイヤから性能を絞り出して応戦したことで、サインツがガスリーの DRS 圏内に入れたのは最終ラップになってから。トップスピードを稼いで迫ってくるサインツに対し、ガスリーはコーナリングスピードと立ち上がりで逃げ、最終的に 0.4 秒差でトップチェッカー。アルファタウリ(旧トロロッソ)に 2008 年のヴェッテル初優勝以来 12 年ぶりの勝利をもたらしました。

アルファタウリが前回勝ったのもここモンツァ、チームにとってはホームグランプリにあたるレース。さらにはアルファタウリがホンダと共闘するようになってちょうど 50 レース目でも勝利と、いろいろと奇跡のような巡り合わせが重なりました。
このあたりの話は NumberWeb の記事が本当に素晴らしかったのでご紹介しておきます。

アルファタウリ・ホンダ、F1初優勝は「正当な結果」。真のパートナーが理解した日本人の精神性。(尾張正博)
先頭を走るアルファタウリ・ホンダのピエール・ガスリーと、その背後に迫る2番手のマクラーレンのカルロス・サインツ。その攻防を、ホンダのスタッフたちは特別な思いで見ていたに違いない。アルファタウリの前身であるトロロッソとホンダが'18年から組む前

ガスリーとサインツのラスト 15 周のデッドヒートには本当に興奮させられました。途中のチームラジオでマクラーレンが「無茶せず確実に 2 位を獲りに行こう」と言ったのにサインツが「僕はこの勝利を掴みに行きたいんだ!」と返したやりとりとかも含め、いつものメルセデスが勝つレースとは全く異なる熱さを感じました(まあ、実際はメルセデスやレッドブルも毎回それくらいの情熱をもってレースに挑んではいるのでしょうが)。まさにこれぞレース、敗れたサインツの走りも素晴らしかったし、いちレースファンとしては二人ともポディウムの中央に立たせてやりたいほどでした。

一方のレッドブルはというと、フェルスタッペンがよもやの PU トラブルでリタイヤ。アルボンもレース中にマグヌッセンと接触した際のダメージでペースが上がらず 15 位フィニッシュと、惨敗と言って良い結果に。予選も含め精彩を欠いたのはシャシーの弱さもさることながら、個人的には PU のモード設定がコンサバすぎたのではないかと睨んでいます。ホンダは新スペックの PU を投入する際には毎度信頼性に振ったセットアップにして速さに欠け、その後 2~3 レースをかけて煮詰めることで競争力を高めていくというのが過去 2 年のやり方でした。今回は予選~決勝まで PU を一意のモードで動作させなくてはならなかったため、また性能よりも信頼性に寄せたセットアップをしたのがこの結果の一因なんじゃないかと(それにしてはフェルスタッペンの PU が壊れましたが…)。
今季ももう全日程のほぼ半分を終えてハミルトンとは 54pt 差。計算上はまだチャンピオンの可能性はあるけどもう実質的に決まったと言って良いでしょう。レッドブルとホンダには、もう今季の選手権のことは気にせず来季を見据えた開発と「マシンと相性の良いレースで確実に勝つレース」をやっていってほしいところです。

最後になりますが、ウィリアムズ・レーシングが投資会社に買収され、このイタリア GP をもってチーム創始者のフランク・ウィリアムズ卿と副代表のクレア・ウィリアムズがチームを離脱しました。フランクの後を継いだクレアには残念ながらレーシングチームを率いる能力はなかったと思うけど、F1 史に名を残す名門チームの創業家がパドックから姿を消すというのはとても寂しい。ともあれ、今まで本当にありがとう。今後新しい株主のもとで、チームが本来あるべきポジションに返り咲くことを期待しています。

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