ラッセル今季初優勝! 新人アントネッリが初表彰台を獲得。レッドブル角田裕毅は最後尾から追い上げ12位|F1カナダGP決勝
F1 シーズン中で最もリアタイが厳しいレースの一つであるカナダ GP。序盤は DRS トレインで動きが少なく、中盤からタイヤ戦略の違いによって順位に変動が出始め、終盤に大きなドラマがあるというカナダにしては珍しいレースになりました。もっと序盤から赤旗や SC が連発するかと思ったけど、どのチームも 1 ストップ戦略を視野に入れたペースコントロールを行っていたらアクシデントも起きませんよね。
■メルセデス
そんなレースを制したのはメルセデスのラッセルでした。予選はマックスとピアストリを抑えてラッセルが PP。そして決勝は序盤こそフェルスタッペンとデッドヒートを繰り広げたものの、マックスが一旦追うのを諦めてタイヤ温存に走ってからはチェッカーまでひたすらコントロールするだけのレースだったように見えます。最終盤の SC 中にわざとハードブレーキングしてマックスに抜かせた(ペナルティーを誘った)のは人間が小せえなあ、と思わざるを得ない(笑
そして僚友アントネッリも 3 位入賞。ルーキーイヤーでの初表彰台、それもマクラーレンを抑えきっての 3 位は素晴らしい。ドライバー・オブ・ザ・デイに相応しい内容だったと思います。
■マクラーレン
チームメイト同士でドライバーズチャンピオンを争うシーズンのお約束、同士討ちがついに発生。とはいえコーナーへの突入時に互いに譲らず…というパターンではなくストレートで後方から並びかけようとしたノリスの自爆、というのが実態。クラッシュして即時リタイヤしたノリスに対してピアストリは接触されたものの無傷で 4 位入賞という対照的なリザルトになりました。
今年はシーズン中にマクラーレンの同士討ちは必ずあるだろうと予想していましたが、それはダブルリタイヤかノリスだけがポイントを失うような展開になるだろうと思っていました。ノリスが得をするような接触はあまり想像ができなかったのですが、まさにそのまんまの形に。
マクラーレンの二人の間に絶対的な技量の差があるとは思いません。が、極限状態でも落ち着いてマシンを制御できる冷静さの違いが二人の差になって表れているとみています。
■レッドブル
フェルスタッペンが 2 位表彰台。実質的に 4~5 番手にすぎないマシンで毎戦表彰台争いしているマックスはさすがとしか言いようがありません。でも今回はメルセデスの仕上がりが良すぎた。まあ少なくともマクラーレンの二台に先着できたことは朗報で、チャンピオンシップ上のポイント差を多少なりとも縮めることに成功しました。まあ、依然としてタイトル防衛はほぼ赤信号ですが。
角田は移籍以来なかなかクリーンな週末を遅らせてもらえませんね。今回からようやく角田車にも新フロア導入と言われていたのが金曜フリー走行ではなく土曜の FP3 でようやく導入、かと思えばブレーキトラブルでまともに FP3 を走れないわ、さらに赤旗中の追い越しで 10 グリッドダウンペナを受けるわ。10 グリッドダウンは厳しすぎるけどレギュレーションはレギュレーションだから仕方ないとは思うけど、角田的には壊れたクルマ(ピアストリ)の後ろを走ってデブリをもらって自車にダメージを受けることを避けたかったのかもしれません。予選でもとにかくクラッシュしないようなマージンをもった走りをしているように見えたので。
決勝は 18 番手スタートから時折よいオーバーテイクを見せてポジションを上げるも、12 位フィニッシュが精一杯。結果だけ見ると残念だけど、とりあえず苦しい中でもクリーンなレースで新仕様のクルマに習熟し、それなりに競争力があることを示せただけでも今回は十分ではないでしょうか。これでようやくマシンの大部分がフェルスタッペンと同仕様になったようだし、あとは上向いていくだけ。と信じています。
次は二週間空いてオーストリア。レッドブルにとってはあまり相性の良くないストップ&ゴータイプのサーキットですが、角田には今度こそ Q3 進出&入賞を期待しています。
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