ちょっとしたきっかけで Core 2 Extreme QX6700 を試す機会に恵まれたので、自作機に組み込んで使ってみました。
QX6700 はクアッドコアの出たての頃の製品で、65nm プロセス・FSB 1066MHz という一世代前の CPU ではありますが、まだまだ全然現役を張れる性能のはず。高クロックなデュアルコアとクロックそこそこなクアッドコアって結局どっちが良いのよ?と思っていたこともあり、ベンチ取ってみました。コア数もコア世代も異なる Kentsfield と Wolfdale を比較するのはあまりフェアではありませんが、そこいらはご容赦を。
まずは CrystalMark 2004R3 から。
CPU | QX6700 @2.66GHz (266MHz×10) | E2140 @2.66GHz (333MHz×8) | E8400 @3.00GHz (333MHz×9) | E8400 @3.60GHz (400MHz×9) |
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Mark | 176040 | 121278 | 136921 | 159540 |
ALU | 44635 | 23447 | 29664 | 39485 |
FPU | 53808 | 28396 | 31535 | 37504 |
MEM | 21689 | 14269 | 15879 | 19124 |
HDD | 8672 | 8681 | 8568 | 7797 |
GDI | 13753 | 14851 | 16447 | 18410 |
D2D | 4856 | 4915 | 4906 | 4920 |
OGL | 28627 | 26719 | 29892 | 32300 |
こういうオーソドックスなベンチではけっこう差が出るみたいですね。総合性能で 3.60GHz の C2D E8400 を上回ってみせるとは恐れ入りました。でも、さほど重い処理もせず普通に使う分には Pentium DC E2140@2.66GHz とも体感的な速度差はほぼありません(´д`)。まあ、動画や静止画を扱わなければ E2140 の定格でも全然不満ないんですが・・・。
続いてクアッドコアの真骨頂を発揮できる(?)RAW 現像での比較。今まで同様の条件で、DPP と Image Data Lightbox で比較してみました。
クロック | QX6700 @2.66GHz (266MHz×10) | E2140 @2.66GHz (333MHz×8) | E8400 @3.00GHz (333MHz×9) | E8400 @3.60GHz (400MHz×9) | E8400 @4.05GHz (450MHz×9) |
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DPP 3.2.0.4 | 121sec. | 181sec. | 150sec. | 126sec. | 113sec. |
IDL SR | 166sec. | 239sec. | 199sec. | 174sec. | 155sec. |
同クロックの Pentium Dual-Core の約 1.5 倍の処理性能が出ていますが、これはコア数だけでなくキャッシュ容量も関係していそうです。それでも、QX6700 のほうが 3.60GHz にオーバークロックした E8400 よりも(僅かにだけど)高速に現像できているのが分かります。さすがに 4.05GHz までオーバークロックした E8400 には敵いませんが、やっぱりクアッドコアは能力に余裕あるなあという感想。とはいえ、同クロックの Conroe コアの 2 倍どころか 1.5 倍程度にすぎないところは、ちょっと物足りないところではあります。
この CPU ですが、熱の厳しいウチの自作機では、定格でも負荷が高まってくるとすぐにマザボのモニターがアラートを出してくるので、常用は厳しいかも(Core 2 Extreme シリーズは倍率キャップがないのでオーバークロック可能なんですが、熱の問題でまともにベンチが取れず、今回は定格のみの計測としました)。E8400@3.60GHz でも遜色ないパフォーマンスは出ているし、こちらのほうが発熱は少ないので、私のような環境ではやはりデュアルコアのほうが扱いは楽そうです。そうでなくても、デュアルコアとクアッドコアは価格差がかなりあるので、動画エンコードで 1 分 1 秒でも速くしたいという人でなければ、Core 2 Duo(Wolfdale)のほうが確実にコストパフォーマンスが良い、という結論になりそうです。
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