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人形町 柳屋の行列のできるたい焼き

人形町に行ったついでに、前回は食べられなかったあのたい焼き屋さんに並んできました。

柳屋

おそらく人形町随一の行列店、「柳屋」のたい焼き。ドラマ『新参者』でも毎回阿部寛演じる加賀恭一郎が行列に並ぶにもかかわらず、直前で「はい、今日はここまでー」と売り切れてしまうくだりが入れられていましたが、それくらい人形町を象徴するお店だと思います。前回も、そして今回も、お店の前にはすごい行列ができていました。でも、買って持ち帰るだけならば行列といったってそんなに時間もかからなかろう、ということで、この行列の最後尾に連なります。

この行列、店外だけではなくて、実はいったん店内に入って一度折り返しています(笑。店外まで合わせると軽く 30 人は並んでいたでしょうか?しかもその行列が途切れることも、長さが短くなることもほぼない状態ですから、どれくらい人気なのかわかろうというものです。


店頭のガラスケースには、今焼き上がったばかりのたい焼きが順次並べられていきます。周りには黒いコゲがついていたりして、なんというかライブ感あふれるたい焼きです。見ているだけで、このたい焼きに手が伸びそうになります。

焼き場の裏側。現代的な複数同時に焼ける鉄板じゃなくて、一枚一枚独立した焼き型ですよ!これ実物初めて見た。しかも、流れるような動きで焼き型を開いて→生地を流し込んで→あんこをどかっと乗せて→上から生地をかぶせて→焼き型を閉じて→火にくべて次へ、という焼きっぷり。余計なことはしないでそれを延々と繰り返すだけ、という姿に、つい「たい焼き職人」と呼びたくなりました。

そして脳内にはもう子門真人の声で「むぁいにっち、むぁいにっち…」が無限ループしています(ぉ。いや、まさにあの曲の冒頭の映像そのものが、リアルに目の前で展開されているわけですから、ちょっと感動です。

さすがに炭火ではなくガスで焼いているようでしたが、この焼き型を直火にくべて焼いているようで、いかにも昔ながらのたい焼き。職人さんは、この焼き型の柄を持つ左手はさすがに軍手をつけていましたが、右手は素手のまま焼きたてのたい焼きをひとつひとつ型から外していたのを見て、驚きました。長年の作業で、さんざん火傷もして、指の皮が厚くなっていたりするんだろうなあ。

そしてこれがそのたい焼き。結局 15~20 分くらい並びましたかね。

最近の駅ビルとかに入ってるチェーン系のたい焼きだと「皮はふっくら、全体的に分厚くて、具はあんこだけじゃなくクリームやチョコはもう定番、変わり種もたくさん」みたいなのが当たり前になっていますが、ここのたい焼きはそういうのとは対極にある超硬派。耳はいっぱいはみ出してるし、ところどころ焦げ目はついているし、ここからだけでも歴史を感じます。

皮は薄手だけどぱりっと焼けていて、ちょっと歯ごたえさえある印象。なかなか食べ応えがあります。そしてあんこはたっぷり使われていながらも、甘さ控えめどころか全然甘くない。生地と小豆そのものの味で食べさせる感じで、辛党の私でもこれなら日常的に食べてもいいかな、と思える味でした。焦げ目も香ばしさを増してくれていて悪くない。これなら、若者からお年寄りまでこぞって行列を作る理由が分かる気がします。

ごちそうさまでした。これは人形町に行ったときの定番おやつになりそうですね。

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