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EAMES FILMS: CHARLES & RAY EAMES

EAMES FILMS: チャールズ&レイ・イームズの映像世界 [DVD]

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「イームズ」といえば、インテリアデザイナー、特に椅子のデザイナーとしてあまりにも有名で、ちょっとお洒落なオフィスやショールームであればかなりの確率でイームズのチェアが置かれています。でも彼ら(夫婦で活動していたそうです)の活動は単なるインテリアデザインにとどまらず、グラフィックデザインや映画製作など、かなり多岐にわたっていた、ということを最近初めて知りました。この映像作品集の存在も最近まで知らなかったのですが、デザイン界隈の人にはかなり有名だそう。

中でも特にインパクトが強いのが「POWERS OF TEN」という、科学的な映像作品。


ピクニック場で昼寝をしている男性の俯瞰視点から、10 秒ごとに 10n メートルずつカメラが引いていき、次第に地球の大気圏を抜けて宇宙へ、そして銀河の外へ…と出ていきます。宇宙の果てまで到達したところで、今度は逆に 10 秒ごとに男性の肉体を 10-n メートルずつ拡大していき、人間の組織から細胞、そして原子サイズへと突入していきます。この宇宙は相似形の連鎖でできていることを、一目瞭然に見せてくれます。
ほんの 10 分にも満たない短編ではありますが、科学を映像化したという意味でも、映像の美しさという意味でも、どこか『2001 年宇宙の旅』序盤の無重力空間の表現を彷彿とさせます。SF 好きならばグッと来るのではないでしょうか。

個人的に印象深いのが、引きのシーンである時点までは星が止まって見えるのに、ある瞬間からはその星々が銀河という単位で認識できるようになり、宇宙は銀河の集まりでできている、と解ること。無限後退的な見方ではありますが、示唆に富んでいる見方でもあります。例えば物事を引いて見たときや中に入り込んで見たときに、ある深さまでは見え方があまり変わらないけど、ある閾値を越えると急にその物事を覆っている違う構造が見えてくる、というように。

この映像のオリジナル版が作られたのが、アポロ 11 号が月面に到達する前年の 1968 年。カラー版の製作は私が生まれたのと同じ 1977 年、という時間を考えると、映像表現としては確かに画期的。今でも多くの人に語り継がれる理由が分かる気がします。

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