スポンサーリンク

MAKING MODERN ~原型づくりへの挑戦~

銀座ソニービル 8F OPUS にて開催中のイベント「MAKING MODERN ~原型づくりへの挑戦~」を見に行ってきました。

Sony Design: Making Modern ~原型づくりへの挑戦~|ソニービル 8F OPUS

ソニーの歴史に残る、特徴的なデザインの製品を集めた展示会的なイベントです。現行製品も多少はありながらも、基本的にはソニー製品のマイルストーンとなった製品のデザインが主役。既に撤退しているカテゴリの製品も多く、懐かしさと寂しさが同居する感覚の展示会です。
個人的に、ソニー製品以上に工業デザインに興味があるので、会期中(6 月中旬までやっています)に必ず行こうと思っていました。

展示品の数が多いので抜粋版になりますが、個人的な思い入れが特に強いものを中心にピックアップして載せていきます。

ソニーの歴史に残るデザインというと、1960~70 年代のメカニカルなデザインだったり、1980 年代に一世を風靡したウォークマンのデザインのイメージが強いかと思いますが、個人的には 1990 年代後半のこのあたりの製品が「自分の時代」。この 4 つの製品は全て自分で買って持っていました(笑。
これらに共通して言えることは「シンプルで無駄のない、だけどシンボリックかつ先進性を感じるデザイン」といったところでしょうか。それぞれの製品カテゴリでデザイントレンドを作った製品だと思います。


Cyber-shot の初代モデル、DSC-F1。初めてこのデザインを目にしたとき、カメラは別に欲しくないけどこの機械は欲しいと思って、お金を貯めて翌年にマイナーチェンジモデルである DSC-F2 を買いました。
レンズがチルトして撮影の自由度を高める、というアプローチはフィルムではできなかった芸当だと思います。現代のデジタルカメラは液晶側がチルトするのが一般的になって、撮影の自由度という点では同じことができるようになっていますが、形状は伝統的なカメラ然としたものに収斂してしまって、ある意味退化してしまったような気もします。

このシリーズは後継機の DSC-F55K や派生モデルである DSC-F505V、F707、F828 と買い続けたけど、もう全部手放してしまったんですよね。取っておけば良かったかなあ。

その翌年に登場したのが、VAIO 初のモバイルノートである PCG-505。初めてこのデザインを目にしたとき、モバイルノートは別に欲しくないけどこの機械は欲しいと思って、お金を貯めて翌年にマイナーチェンジモデルである PCG-505EX/64 を…ってまたそういう流れかよ>自分

紛れもなくその後の私の人生を変えたのがこのマシンだけに、思い入れは一番強いですね。

ネックバンドスタイルヘッドホンの初代、MDR-G61。それまでポータブルオーディオを聴くときには付属イヤホンしか使ったことがなかったところに、かっこいいヘッドホンに換えるということを初めてさせてくれた製品です。髪型は崩れないし暑苦しくないし、積極的にヘッドホンで聴く理由を与えてくれました。
耳後ろの支えのパーツが硬くて耳が痛くなったり、音漏れが盛大だったりいろいろありましたが、その後長年にわたって続く好みのヘッドホン探しのきっかけをくれたモデル。

ヘッドホン端子が当時のウォークマン独自のマイクロプラグというのが懐かしい。ちなみに私が当時使っていたポータブル MD/CD はケンウッド製だったので、変換ケーブル経由で使ってました(笑

ウォークマン 20 周年を記念して 1999 年に発売された CD ウォークマン、D-E01。真円のデザインにポータブルらしからぬスロットローディング採用というギミックに惹かれて、買わずにはいられませんでした。
真円デザインのせいで外付けの乾電池ボックスがケーブル経由での接続になるというデメリットもありましたが、それを差し引いても気に入っていました。内部メカも奢られていて、ポータブルにしてはかなり音が良かった記憶があります。

ここからは私が持っていたものではありませんが…AIBO、ERS-7。ここ 1 年ほど、メーカーサポート終了に伴って久しぶりにニュースがいろいろと出てきていますね。ロボット掃除機だったりコミュニケーションロボットだったり、近年になってようやくコンシューマー向けロボット技術が一般化し始めていることを考えると、事業化のタイミングとしてはやっぱり早すぎたんだろうなと思います。

そういえばマクロスの河森正治監督がデザインを手がけた「ERS-220」というモデルもありましたね。

そして人型ロボット、QRIO SDR-4X II。最終的に販売されることがないまま事業終了してしまったので、久しぶりに実物を目にしました(テレビでは E テレ『ピタゴラスイッチ』の「アルゴリズムたいそう」のコーナーに近年まで登場していましたが)。
二足歩行でない自律制御ロボットの進歩は近年著しいですが、QRIO と同時期に登場したホンダの ASIMO がまだデモレベルに留まっており、競合もなかなか登場しないことを考えると、自律の中でも二足歩行ロボットの実用化って難しくて、「技術者の夢」以上にはなかなかならないんだろうな…と思ったりします。

そしてあれから 12 年、Qrio はスマートロックのブランドになりました…。

これは本邦初公開なのかな?SDR-4X のデザインモックも展示されていました。どの段階のモックアップかは不明ですが、実機のデザインがかなりコンセプトどおりにまとめられたかが分かります。まあこういうコンセプチュアルな製品は実用性以上に概念を表現するためのデザインというのが重要なわけです。

MSX パソコン、HiT BiT HB-101。ここから先は完全に私の世代ではなくなりますが、VAIO の 10 年以上前からソニーは PC 事業を手がけていて、その後も NEWS や Quarter L といったシリーズを経て VAIO に至るわけです。

当時の MSX はほとんどが白か黒でカクカクした形状だったので、その中では確かに異彩を放つデザイン。コーナーの処理なんかは現代の AV 機器に応用しても通用しそうに見えます。

私の実家にも MSX はありましたが(父親が買ったものの小学生の私のオモチャになっていた)、確かサンヨー製だったような。こんな垢抜けたデザインではありませんでしたね…。

ポータブル CD プレイヤーの 1 号機、D-50。左にあるのは当時の事業部長であった大曽根幸三氏が、開発段階で「このサイズで作れ」と提示した木型の実物です。15 年後に登場することになる、先述の D-E01 と比較すると、1 号機から既に究極のサイズとデザインを追求していたことがよく解ります。

会場には、これらのデザインの特に特徴的な部分だけを集めた 2 種類のポスターが「ご自由にお持ち帰りください」。私はさすがに持ち帰りませんでしたが、まだ独身だったら間違いなく自宅に貼っていただろうなあ(笑。

ここに展示されていた製品をはじめとした歴史的な製品のデザインをまとめた書籍もビル内で販売中。値段が値段だけにちょっと迷っていましたが、展示を見るとどうしても欲しくなってしまいますね…。

Sony Design: Making Modern

コメント

スポンサーリンク