「そう、俺のとんかつは前夜に始まり一から十まで絵図ができているのよ!」
先日も触発されて大森のとんかつ屋に行ったところではありますが、やっぱりあれ以来劇中に登場したお店の味が気になって仕方がありません。調べてみたら、その「聖地」は横浜・馬車道にあるとのこと。というわけで、ドラマ『食の軍師』の聖地巡礼に、馬車道までやって来ました。
ちなみにこのドラマ、『孤独のグルメ』とは違って原作コミックのシチュエーションを再現することを優先しているようで、聖地巡礼してもドラマと同じものが食べられるとは限らないようです。スタッフは『孤独のグルメ』のチームがそのまま担当しているようなので店選びには間違いはなさそうですが、さすがに全店巡礼することはないかな(笑。
とんかつ屋は夜の店じまいが早い店が多い。結局、ラストオーダーぎりぎりでの入店になりました。
でも、そこはそれ。入店、空席捕獲、着席!からの、
「すいません!ロースとんかつ定食とビール一本。カツとお新香だけ先、御飯みそ汁後からでお願いします!!」
…軍師たるもの、戦いの前にこれくらいのシミュレーションは済ませてある。あとは立て板に水を流すように注文するだけだ。
「すいません、ロースとんかつ定食とビ…」
「あ、ロース終わっちゃったんですよ」
ズコー!
思わず劇中の本郷のような見事なズッコケを披露してしまうところでした(;´Д`)ヾ。
全ての豚はロースに通ず…のはずだが、まあ、閉店間際だから仕方ない。仕事の後とはいえ、進軍が遅れてしまったのはやはり失策だったか。
気を取り直して、普通のとんかつ定食、いただきます。
注文が通ったら、熱いお茶とソース、カラシが出てきました。ソースとカラシまで専用のものが出てくるなんて、嬉しいじゃないか。
ちなみに、完全に出鼻をくじかれてしまって、御飯みそ汁を後からにするのも、そもそもビールを頼むのもタイミングを逸してしまいました(´д`)。普通にとんかつ食って帰るぜ…。
待つこと 10 分余り、とんかつ定食が戦場に姿を現しました。
おお、これはロースとんかつじゃないけど、ロースに勝るとも劣らないボリューム感あるとんかつ。
この厚みのある肉に、キツネ色にカラッと揚がった衣。素晴らしい、輝いてる!
「塩、お使いになりますか?」
おおマスター、絶妙なタイミングでの進言。もちろんいただきます。
塩もテーブルに置いてある感じじゃなくて、わざわざ出してくれる赤塩。わかってらっしゃる。
とんかつの食い方にも戦術というものが存在する。
最初は端っこ…からではなくて、あえて端から二番目のカツ片から攻め落とす。
まずはレモンと塩で行くべし。レモンをちょいとしぼり、塩をふる。おお~、この神々しい断面!
ちなみに塩は本郷流ではなく力石流に、肉に直塩。これがうまいんです。
このシャクシャクの衣、みっちりした肉!ロースほどの脂身感はないけど、ギュッと引き締まった肉々しさが、これはこれでいい。衣も薄めで、肉そのもので勝負している感じ。
カツ国の天下統一のため、まずこの小国は塩を以て制した。
では次に一番小さい国を陥れるわけだが…その前に。
この左端の一片に、とんかつソースをたっぷりと垂らす。そして食事後半まで…寝かす!
マグロのヅケよろしく、衣にソースを浸みこませるのだ。
反対の端の一片、この国は他国と比べて少々肉々しさに欠ける。
この小国にはウスターソース…は置いてないようなので、とんかつソースとカラシをたっぷり使う。
「ソースジャブジャブカラシタップリの計」でジャンクに攻め落とす!この、なんつーか駄菓子感覚。
残りのカツ片は…それぞれ醤油カラシ、塩カラシ、ソースカラシで食べ分ける「豚下三分の計」だ!…と思ったら、ロースじゃないからか、劇中より細かく切り分けてあって、三分にならない(ぉ
ここで醤油を頼むのも気が引けるし、塩、ソース、カラシの組み合わせで順番こにいただきます。
ここのソース、甘味があってうまい。肉の味がよくわかる塩といいコントラストを生み出している。
最後は寝かせたヅケで〆る算段。全て軍師の企て通り!
ロースがなかったのは誤算だったけど、それを差し引いてもうまかった。
ちなみにこの店、大森・蒲田の「丸一」の流れを汲む店らしいですね。
あのエリアのとんかつ屋はだいたい攻略済みだけど、両・丸一だけ未訪なんだよなあ…今度はそちらにも足を運んでみようと思います。
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