松島観光の本命は、国宝・瑞巌寺参りでした。
[ Canon EOS 5D Mark III | Canon EF24-70mm F4L IS USM ]
私は信仰心は持ち合わせていないほうですが、前回来たときにここの環境の美しさに惚れ込み、もう一度見に来たいと思っていました。震災と津波の影響でここがどうなったかずっと気になっていたというのもありますが。
しかし残念なことに、瑞巌寺の門から本堂に至る参道の杉並木は、向かって左手の分がごっそり失われていました。震災時の津波に伴う塩害で立ち枯れたため、まるごと伐採されたとのこと。この木陰を通って本堂まで歩いて行くのがとても良かったんですが、直射日光が当たるようになってしまったのが非常に残念です。それでも、あの津波からこれだけの被害で復旧できたのは、良かったと言うべきなのでしょう。
[ Canon EOS 5D Mark III | Canon EF16-35mm F4L IS USM ]
杉林には「3.11 津波到達地点」の立て札もありました。このあたり一帯が、高さ 140cm 程度の津波に呑まれたようです。やはり、あの震災の被害を大きくしたのは、地震そのものよりもむしろ津波だったんでしょう。
ただただ、亡くなった方々の冥福を祈り、復興に力を尽くしてきた方々の苦労を偲ぶばかりです。
[ Canon EOS 5D Mark III | Canon EF16-35mm F4L IS USM ]
それでも、無事に残っている部分の杉林の存在感は圧倒的というほかありません。花粉症持ちとしては杉は憎むべき存在ですが、ここの杉は別格。
[ Canon EOS 5D Mark III | Canon EF24-70mm F4L IS USM ]
またさらに残念なことに、瑞巌寺の本堂は大改修の真っ最中で、参観することができませんでした(本堂の外周は目隠しがされていましたが、写真は工事期間中の仮本堂とされている大書院側から覗き込めた部分)。
改修工事自体は 2009 年から行われていたようなので震災とは直接関係がありませんが、これは事前に調べてくるべきだったなあ。本堂以外の部分まで含めた大改修はあと 3 年ほどかかるようなので、それが済んだらまた訪れたいところです。
[ Canon EOS 5D Mark III | Canon EF24-70mm F4L IS USM ]
まあ、本堂が見られなくても、瑞巌寺には見るべきところがたくさんあります。
こちらは林道の外れにある洞窟遺跡群の一つ。江戸時代に岩盤を彫って作られた供養場だそうで、おもむろに削られた岩場の中に無数の墓石等が配置されて、強烈な存在感を放っています。
[ Canon EOS 5D Mark III | Canon EF24-70mm F4L IS USM ]
杉、松、竹、苔、などなど、人工物だけでなく、自然物もいろいろと美しい。
まあ自然物といっても、ほとんどが人の手によって整えられた美しさに基づいているものであることは、見ていると分かります。このあたり一帯がまるごと日本庭園のようなものなのかもしれません。
[ Canon EOS 5D Mark III | Canon EF16-35mm F4L IS USM ]
日本庭園と言えば、瑞巌寺に隣接する円通院の庭園もいい。こういうものの侘び寂びがよく解っていない私でも見入ってしまう、見事な枯山水です。
[ Canon EOS 5D Mark III | Canon EF24-70mm F4L IS USM ]
松島湾クルージングも併せて、この日だけで整理しきれないほどの写真を撮りました。これだけ写欲が満たされたのは本当に久しぶり。充実の旅でした。
コメント